2021年度の主要住宅設備機器(水まわり設備機器+水まわり関連設備機器+創エネ関連設備機器)の市場規模は、前年度比2.9%増の1兆8,038億5,000万円
~2022年度の主要住宅設備機器の市場規模は前年度比2.8%増の1兆8,551億円と予測 コロナ禍前の水準に向けて回復が期待されるが、新築需要の減少等を背景にその回復スピードは緩やかに~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の住宅設備機器市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
主要住宅設備機器市場規模推移・予測
1.市場概況
2021年度の主要住宅設備機器(水まわり設備機器+水まわり関連設備機器+創エネ関連設備機器の合計値)の市場規模は、前年度比2.9%増の1兆8,038億5,000万円と推計した。水まわり設備機器市場や創エネ関連設備機器市場など、概ね、前年度比で伸長したが、その主な理由は前年度のコロナ禍に伴う需要急減からの反動増や新築住宅市場の回復等が挙げられる。
2.注目トピック
市場拡大を阻害する要因が数多く浮上
主要住宅設備機器市場の将来的な拡大が期待される一方、昨今、市場拡大を阻害する要因が増えている点が懸念材料である。
懸念材料の一つとして、リフォーム市場に関しては、コロナ禍を背景とした在宅時間の長期化に伴う住環境への見直し気運の高まり等により、これまでリフォーム需要は堅調に推移してきた。一方、経済活動の本格的な再開に伴い、旅行やレジャー需要等も徐々に回復しており、こうした需要への移行がリフォーム市場拡大の足かせとなる懸念も考えられる。
第二に、設備価格の高騰が挙げられる。世界的な原材料価格の上昇により、各メーカーとも企業努力だけではコスト高を吸収しきれず、希望小売価格の値上げを公表しており、値上げが需要を冷え込ませる可能性も考えられる。
第三に、コロナ禍に伴う経済活動規制や世界情勢を背景とした世界的なサプライチェーンの混乱の収束時期が見通せない点が挙げられる。材料や部品不足による供給制約が発生している設備機器も多々あることから、早期の解消が望まれる。
3.将来展望
2022年度の主要住宅設備機器の市場規模(水まわり設備機器+水まわり関連設備機器+創エネ関連設備機器の合計値)は、前年度比2.8%増の1兆8,551億円になると予測する。コロナ禍前の2019年度の水準に向けて回復していくものと見込まれるが、新築需要の減少等を背景にその回復スピードは緩やかになるものと考える。
短期的な見通しとして、2024年度の主要住宅設備機器の市場規模(同)は、2021年度比3.4%増の1兆8,660億円になるものと予測する。
主要住宅設備機器の中でも、2024年度の水回り関連設備機器市場は2021年度比8.1%増、創エネ関連設備機器市場は同6.2%増と堅調な伸びを予測する。
水回り関連設備機器市場については、比較基点の2021年度において、給湯機器の部品不足の影響から出荷数量が大きく落ち込んだといった特殊要因がある一方、脱炭素社会に向けて、2025年に省エネ基準への適合が義務化されることを背景に、高効率給湯器の採用の増加が見込まれることや、エコキュートについては買い替え需要などもあり、底堅く伸びるものと予測する。
また、創エネ関連設備機器市場については、資源エネルギー庁によれば、特に家庭用蓄電システムは向こう数年間は30万件/年程度のFIT契約満了世帯が見込まれるため※、余剰電力の売電から自家消費に取り込むことで市場拡大が見込まれる。また、創エネ関連設備機器全般については、環境面に対する意識の高まりに伴う需要増も期待され、市場拡大を後押しするものと考える。
※出典:資源エネルギー庁「住宅用太陽光発電設備のFIT買取期間終了に向けた対応」(2018年9月)
調査要綱
1.調査期間: 2022年5月~7月 2.調査対象: 住宅設備機器メーカー、関連団体等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・eメール等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用 |
<主要住宅設備機器市場とは> 本調査における主要住宅設備機器市場とは、住宅設備として取り付けられている家庭用機器とし、①水まわり設備機器、②水まわり関連設備機器、③創エネ関連設備機器の主要3分野を対象とする。対象機器の詳細は以下参照 ①水まわり設備機器:キッチン(システムキッチン/セクショナルキッチン)、システムバス、住宅用温水洗浄便座、住宅用衛生機器、洗面化粧台 (※水栓機器を除く) ②水まわり関連設備機器:食器洗い乾燥機、家庭用給湯器、コンロ、浴室暖房乾燥機 ③創エネ関連設備機器:家庭用蓄電システム、住宅用太陽光発電システム、家庭用燃料電池 なお、各々の対象機器の市場規模は基本的にはメーカー出荷金額ベースで算出しているが、③創エネ関連設備機器のうち、住宅用太陽光発電システムは、太陽光パネルの末端販売金額(小売価格)ベース、家庭用蓄電システムは末端販売金額(小売価格)ベースで算出している。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 主要住宅設備機器(水まわり設備機器、水まわり関連設備機器、創エネ関連設備機器) |
出典資料について
資料名 | 2022年版 住宅産業白書(設備機器編) |
発刊日 | 2022年07月27日 |
体裁 | A4 486ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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