01
(画像=税理士が教える相続税の知識)

「ふるさと納税」の制度について、気になるけれどやり方を知らなかったり、どのくらいお得になるのか分からずに戸惑っていたりする方も多いのではないでしょうか。

ふるさと納税を行うのは、実は難しいことではありません。ちょっとした簡単な手続きで、自治体の特産品などの品を受け取れます。

また、年内に決済さえ完了すれば、今年の所得にかかる税金を減額(控除)することができます。

この記事では、ふるさと納税のやり方と確定申告など税金対策の手続きまでを解説します。

1分で分かる!ふるさと納税のメリットと流れ

ふるさと納税は、自己負担2,000円で自治体から豪華な特産品などをもらうことができるお得な制度です。

どういうことなのか、簡単にご説明しましょう。

ふるさと納税制度を導入している自治体の多くは、ふるさと納税を受けたお礼の品(=「返礼品」)として、特産物などの豪華な品を用意しており、ふるさと納税制度を利用する方はふるさと納税を行う自治体を選ぶ(=好きな返礼品を選ぶ)ことができます。

また、ふるさと納税として支払ったお金は「寄附」とみなされ、寄付した額から2,000円を差し引いた分だけ、住民税・所得税が安くなります。

つまり、実質2,000円の自己負担額で、豪華な返礼品を受け取れるのがふるさと納税の大きなメリットなのです。

ちなみに、この税金が安くなることを「控除」といいます。

ふるさと納税で控除される金額には上限が定められており、所得や配偶者・扶養家族の有無などによって異なるので注意しておきましょう。

【ふるさと納税の例】

02
(画像=税理士が教える相続税の知識)

ふるさと納税を行う自治体をどこにするかは、自分がどのような返礼品が欲しいかで選びましょう。年内に決済が完了すれば、今年の所得にかかる税の控除に間に合います。

まずはおすすめふるさと納税サイトで気になる返礼品を探してみてください。

 ・楽天ふるさと納税
 ・さとふる
 ・ふるなび

税理士直伝!ふるさと納税の詳しいやり方

それでは早速、ふるさと納税のやり方を詳しくご説明いたします。複雑な工程は一切ないので、初めてだという方でも気軽に行えます。

まず、ふるさと納税サイトで気になる返礼品があるか探してみましょう。
「ふるさと」と付いていますが、住んだことのない地域であっても、ふるさと納税は行うことができます。

ただしごく一部の自治体においては、居住者に対しては返礼品を贈らないとしているところもあるため事前に確認が必要です。

03
(画像=税理士が教える相続税の知識)

STEP1.自分がふるさと納税できる上限額を知る

ふるさと納税を行うと、寄付金額から2,000円を差し引いた額を所得税・住民税から控除することができます。

ただし、ふるさと納税で控除できる額には上限が設けられています。上限額は家族構成や年収によって変わるため、一概にいくらといえるものではなく、自分で計算を行うのは大変です。

ふるさと納税サイトでは、年収や配偶者・扶養家族の有無を入力すると上限額を計算してくれるシミュレーターが提供されています。簡単に自分の上限額を知ることができるので、ぜひ利用してみてください。

 ・楽天ふるさと納税 かんたんシミュレーター
 ・さとふる 税金控除シミュレーション
 ・ふるなび税金 控除シミュレーション

STEP2.ふるさと納税サイトで欲しい返礼品を調べる

控除の上限額が分かったら、いよいよ自分の欲しい返礼品を探してみましょう。

ふるさと納税の返礼品として受け取ることができるのは、原則としてその自治体の「地場産品」、つまりその土地で生産されたり獲れたりするものです。お肉や海産物、お酒、お菓子、名物料理、工芸品など、さまざまな特産品が用意されています。また、電化製品や温泉宿の宿泊権といったものもあります。

多数の返礼品のなかから、自分が欲しいものを選ぶことができます。

ふるさと納税で納めるお金は、その使い道を指定することができるので、自治体の取り組みを応援したい、災害復興を支援したい、といった目的から探してみるのも良いでしょう。

それぞれの自治体について調べるのは大変なので、ふるさと納税サイトで検索するのがおすすめです。返礼品の人気ランキングを確認したり、ジャンル・地域・金額ごとに返礼品を検索したりすることができます。

日本全国のさまざまな自治体がふるさと納税制度を導入しているので、きっと心惹かれる返礼品に出会えるはずです。

STEP3.ふるさと納税サイトから申し込む

気になる自治体が見つかったら、実際にふるさと納税サイトから申し込みます。魅力的な返礼品が多く迷ってしまうかもしれませんが、5自治体以内であれば確定申告が要らない場合があるため、できれば数は絞っておきましょう。

ふるさと納税には、確定申告が必要な通常の方法と、確定申告が不要な「ワンストップ特例制度」があります。会社員・公務員などの給与所得者の方は、確定申告の必要なく住民税が控除されるワンストップ特例制度の利用がおすすめです。

ワンストップ特例制度を利用できるのは、以下の2点に当てはまる方です。

〈ワンストップ特例制度利用の条件〉
 ・ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者である
 ・1年間(1月〜12月)でふるさと納税を行った自治体が5つ以内である

これらに当てはまらない方は、確定申告が必要になります。詳しくは後ほどご説明します。

ワンストップ特例制度を利用する場合は、ふるさと納税の申し込みを行う際に「特例制度申請書」の送付を希望します。ふるさと納税サイトの返礼品の詳細ページから、チェックボックスなどで簡単に希望を伝えることができます。

STEP4.返礼品と必要書類を受け取る

返礼品を受け取るのは、ふるさと納税の醍醐味ですよね。発送までの日時は、利用したふるさと納税サイトの詳細ページで確認できるでしょう。

また、返礼品とは別に、ふるさと納税の申し込みから2週間〜2カ月で「寄附金受領証明書」や「特例制度申請書」が送られてきます。発送のタイミングは自治体によって異なるので注意が必要です。

自治体によってはインターネット上からダウンロードしなければならない場合もあるため、申し込みの際に確認しておきましょう。

これらは税金の控除・還付などに使用する書類であるため、大切に保管してください。

STEP5.控除・還付の手続きをする

ふるさと納税をして控除や還付を受けるためには、ここが最も重要なポイントです。せっかくふるさと納税を行っても控除・還付の手続きを忘れてしまうと、高いお金を支払って返礼品を買っただけになってしまいます。

ふるさと納税は、寄附を行った人と、寄附を受けた自治体とのやりとりです。しかし、ふるさと納税を行ったことで控除される住民税は居住する自治体が、還付される所得税は税務署が集めています。そのため、所定の手続きを通じてふるさと納税を行った旨を本来納税すべき機関に伝えなくてはなりません。

手続きには2種類の方法があり、会社員・公務員などの確定申告が不要な方はワンストップ特例制度を利用し、自営業などそれ以外の方は確定申告を行うことになります。

ワンストップ特例制度を利用する人(会社員・公務員など)

会社員・公務員など、確定申告の必要がない給与所得者の方は、ワンストップ特例制度を利用して簡単に控除を受けることができます。

ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税の利用者が自治体から送られてきた申請書を返送すると、ふるさと納税を行った自治体から居住地へその旨が伝わって住民税の控除が行われる制度のことです。

ワンストップ特例制度を利用する方の手続きは、非常に簡単です。

【ワンストップ特例制度】

04
(画像=税理士が教える相続税の知識)

〈ワンストップ特例制度の必要書類〉

 ・ワンストップ特例制度の利用申請書
 ・マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード+本人確認書類

特例制度申請書を作成

ワンストップ特例制度の「特例制度申請書」を記入します。

申請書が自治体から郵送されてくる場合、発送時期は自治体によって異なり、一般的には2週間〜2カ月で手元に届きます。特例制度申請書を自治体からもらいそびれた場合には、ふるさと納税サイトからダウンロードすることも可能です。

記入はごく簡単で、住所・氏名、ふるさと納税を行った日時と金額などの情報を指示のとおりに埋めていくだけの数分で済む作業です。

ふるさと納税した自治体に送付

記入した特例制度申請書にマイナンバーカードのコピーもしくはマイナンバー通知カードと本人確認書類のコピーを添えてふるさと納税を行った自治体に翌年1月10日までに返送します。

ワンストップ特例制度を利用する場合の手続きは、たったこれだけです。とても簡単ですよね。

なお、ワンストップ特例制度は、ふるさと納税を行った自治体が5つ以内であったときのみ利用できます。2〜5自治体にふるさと納税を行った場合には全ての自治体に申請書を送付する必要があるため注意が必要です。

ワンストップ特例制度を利用した場合は、住民税から控除が行われます。翌年6月に居住中の自治体から住民税の控除通知が届きますよ。

確定申告を行う人(自営業・副業がある人など)

自営業や副業をしていて給与の支払い元が複数あるなどの理由で確定申告を行う方は、ふるさと納税による控除・還付のための申請も確定申告時に同時に行います。

05
(画像=税理士が教える相続税の知識)

必要書類を用意

まずは必要な書類を用意しましょう。

〈確定申告の必要書類〉
 ・寄附金受領証明書
 ・源泉徴収票
 ・還付金受け取り用の口座番号
 ・マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード
 ・身分証明書(e-Taxを利用する場合は不要)
 ・印鑑(e-Taxを利用する場合は不要)

通常の確定申告に必要な書類に加えて必要になるものは、ふるさと納税を行った自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」のみです。送付時期は自治体によって異なり、申し込みから2週間〜2カ月で手元に届きます。

確定申告書作成

ふるさと納税をした翌年の2月半ば〜3月半ばに確定申告を行います。確定申告の日程は毎年数日前後しますが、2020年の確定申告は2月17日〜3月16日です。

確定申告には3つの方法があります。

 ・手書きで確定申告書を作成し、郵送あるいは持参して提出する場合
 ・PCで確定申告書を作成し、郵送あるいは持参して提出する場合
 ・PCで確定申告書を作成し、インターネット経由で提出する場合(e-Tax・電子申告)

確定申告書の「適用を受ける控除」の項目で「寄附金控除」としてふるさと納税を行った旨を所定のとおりに記載してください。

PCの操作に慣れている方であればPCで確定申告書を作成するのが便利でしょう。国税庁のHPで作ることができます。

確定申告書提出

作成した書類を郵送あるいは持参、もしくはネット上から提出すれば手続きは完了です。

住民税が控除されるワンステップ特例制度を利用した場合と異なり、確定申告を行った場合は住民税の控除と所得税の還付が行われます。

医療費や住宅ローンなど、別種の控除を受けている場合には控除額が減ってしまう場合もあるため注意が必要です。

おすすめのふるさと納税サイト

ふるさと納税をしようか検討している方は、まずは全国各地のふるさと納税返礼品を確認することのできるふるさと納税サイトで欲しい返礼品を探してみましょう。自分の欲しい返礼品が見つかれば、ふるさと納税を行ってまず損はありません。

以下の3サイトを利用すれば、きっと心惹かれる返礼品に出会えるはずです。

楽天ふるさと納税 さとふる ふるなび
運営会社 楽天株式会社 株式会社さとふる 株式会社アイモバイル
参加自治体数 795 688 325
決済方法 クレジットカード決済
楽天バンク決済
クレジットカード決済
キャリア決済
コンビニ支払い
銀行決済(Pay-easy)
クレジットカード決済など(自治体による)
返礼品 楽天ユーザーにとっては慣れ親しんだシステム 最短1週間で返礼品が届くこともあり、スピーディ 家電品や商品券など珍しい返礼品も充実している
特徴 ふるさと納税で楽天ポイントが貯まる!楽天ポイントユーザーにおすすめ! 返礼品を検索しやすいサイトデザイン ふるさと納税を行うとAmazonギフト券などがもらえるキャンペーン多数

楽天ふるさと納税

楽天ふるさと納税は、その名のとおり楽天市場で知られる楽天株式会社が運営しているふるさと納税サイトです。

サイトのデザインは、楽天市場ユーザーにとっては見慣れたものです。普段から利用している楽天市場と同様の操作で、手軽にふるさと納税を行うことができます。

また、楽天株式会社の提供するサービスであるため、楽天スーパーポイントを貯めることができます。楽天スーパーポイントには1ポイント1円相当の価値があるため、豪華な返礼品を受け取ることができるだけでなく、貯まったポイントの分だけさらにお得になります。

また参加自治体数も725と多いので、欲しい返礼品にきっと出会うことができます。

楽天ふるさと納税

さとふる

さとふるは、688の自治体が参加しているふるさと納税サイトです。

返礼品の発送が迅速で、最短1週間で届くのが大きな特徴の一つです。また、サイトデザインが非常に見やすく、例えば検索タブに「北海道」と打ち込むだけで北海道の人気の返礼品や参加している道内の自治体がサジェスト表示される仕様になっています。欲しい返礼品を見つけやすいのも嬉しいポイントですね。

クレジットカード決済だけでなく、携帯電話料金と合わせて支払うことのできるキャリア決済やコンビニ支払い、銀行決済(Pay-easy)にも対応しており、自分の便利な方法で支払いが行えます。

さとふる

ふるなび

ふるなびは、東証一部上場のIT企業アイモバイルが運営するふるさと納税サイトです。

参加自治体数は325と、楽天ふるさと納税やさとふるに比べれば少ないものの、家電や商品券など、少々変わった返礼品を提供している自治体の参加が多く、他のサイトでは出会えない返礼品に出会えるのが大きな特徴です。

また、ふるさと納税を行うとAmazonギフト券などがもらえるキャンペーンを頻繁に開催しており、返礼品を受け取れるのに加えてさらに得することができてしまいます。キャンペーンがいつやっているのか、要チェックです。

ふるなび

まとめ

一見難しそうに思えるふるさと納税も、通常確定申告が必要でない方なら、ワンストップ特例制度を利用しすることで、面倒な手続きなく簡単に利用できます。

確定申告が必要な方は、いつもの確定申告の際に寄附控除としてふるさと納税を行った旨の申告を行うだけです。

税金が控除され、たった2,000円の自己負担金でさまざまな自治体の豪華な返礼品を受け取ることができるふるさと納税はとてもお得な制度ですよね。

まずはふるさと納税サイトにアクセスして、素敵な返礼品を探してみましょう。(提供:税理士が教える相続税の知識