築野食品工業 2022年1月~3月日経POSデータのグラフ
(画像=築野食品工業 2022年1月~3月日経POSデータのグラフ)

築野食品工業はこのほど、2022年1~3月の日経POSデータ(全国金額ベース実績)を調査し、プレミアム油市場において、オリーブ油やごま油が昨対比ほぼ横ばいの中、家庭用こめ油市場が昨対比34%増となったことを発表した(グラフ)。こめ油が拡大している要因として、汎用性の高さや、サラダ油の価格上昇で価格差が縮小したことなどを挙げる。特に大容量サイズの売上が好調としている。

2021年は、巣ごもり需要により家庭用植物油市場が伸長したが、22年も引き続き伸長している。同社では、こめ油は酸化に強く、さらっとしていることや、熟しても嫌な匂いがしづらいことなどから、揚げ物をはじめ、炒め物やドレッシングなど、さまざまな調理に使いやすいため、需要が拡大していると考察している。

また、昨年から穀物相場が高騰しており、原料のほぼ100%が輸入穀物である一般的なサラダ油は複数回の価格改定が行われた。その結果、サラダ油とこめ油との価格差が縮まり、プレミアム油ではあるが、汎用性も高く健康面でも注目されているこめ油への切り替えの動きがあったと分析している。

だが、同社では、こめ油の原料である米糠とこめ原油も穀物相場や物流コスト、世界情勢により価格が高騰してきているため、引き続き植物油市場には動きがあると見ているとする。

また、コロナ禍の内食需要が高まって以降、継続して大容量のこめ油の売上が拡大しているという。同社ECでの売上のみならず、スーパーなどでも大容量サイズ1000gや1500gの販売が好調だという。健康面や価格面、一度使用すればリピート率が高いことからも、大容量が注目されているとしている。

〈大豆油糧日報2022年6月1日〉