一般的に金融系の年収は高いといわれている。しかしひとくちに金融系といってもさまざまな業種や企業があるため、ひとくくりに金融系全体を捉えることは難しい。そこで今回は、金融系にどのような業種があるのか、またその中でも特に収益が大きい企業がどこなのかを紹介する。
どの業種の年収が高い? 2021年の業種別年収ランキング
「金融系の年収が高い」というイメージは、本当なのだろうか? そこでまずは、2021年の業種別年収ランキングを見ていこう。
求人情報サイトのマイナビ転職が公表している「2021年版 業種別 モデル年収平均ランキング」によると、モデル年収平均のTOP3は以下の業種だった。
・1位:外資系金融(1,316万円)
・2位:金融総合グループ(859万円)
・3位:環境関連設備(833万円)
1位と2位が金融系となっており金融系の年収が高いことが分かる。それ以下の年収ランキングを見ても7位が銀行、8位が生命保険・損害保険となっており1位、2位と合わせて10位以内の4つを金融系が独占した。なお10位以内を逃したが11位も証券・投資銀行と金融系の業種となっており「金融系は年収が高い」といわれていることは事実といえる。
金融業界に含まれる業種
金融業界の代表的な業種は次の4つだ。業務内容を再確認してみよう。
銀行
金融業界でも代表的と言えるのが銀行だろう。銀行では「預金管理」「企業・個人融資」「投資商品販売」などさまざまな仕事を行っている。規模や形態によってメガバンクや地方銀行、信託銀行や信用金庫などに分類される。
証券会社
上場株式を売却したい企業や個人と上場株式を購入したい企業や個人の間に入り、売買委託手数料を主な収入源としているのが証券会社だ。インターネットの普及とともにネット証券会社も増加している。インターネットの利用により株など金融商品の売買が手軽にできるようになったこともあり、今まで投資とは無縁だった人が始めるケースもかなり増えたようだ。証券会社の業績は全体的に堅調といえる。
保険会社
生命保険や定期保険など個人や企業向けの保険を取り扱っているのが保険会社だ。保険会社も金融業界に含まれる。大別すると生命保険を扱う生命保険会社と損害保険を扱う損害保険会社の2つがある。
クレジットカード会社・信販会社
クレジットカード会社や信販会社も業績を伸ばしている金融業のひとつ。クレジットカード会社は、クレジットカードを使えばお金がなくても利用者が商品などを購入できる信用供与サービスを行っている。クレジットカードの利用者と利用した店舗の両方から入る手数料が主な売上だ。一方でクレジットカード以外にもさまざまな信用商品を取り扱っているのが信販会社で融資や与信保証なども行っている。
金融業界業績比較
ここからは、代表的な金融業界の企業の業績を比較していこう。
経常収益 上位3位(2021年3月期)
経常利益 上位3位(2021年3月期)
純利益 上位3位(2021年3月期)
金融業界の業績を区分ごとに上位3位まで確認したが、大手生命保険会社やメガバンクが上位を占めていることが分かるだろう。経常収益で7兆円前後、純利益でも4,000億〜7,000億円と大きな金額を計上している。
今後、金融業界はどうなる?
銀行や保険会社などは、私たちの生活になくてはならないものだ。またインターネットの普及によってクレジットカードを使った買い物や株式売買なども頻繁に行われるようになっている。一方でロシアのウクライナ侵攻に代表される世界情勢の変化によるリスクは、懸念材料のひとつだ。
銀行などは、世界の企業に融資をしているため、世界情勢の変化によっては大きな損失を被る可能性があるだろう。金融業界の業績自体は今後も安定して推移していくと推測されるが、世界情勢の変化ばかりは先が読めないのが実情である。
金融業界は好調で年収も高くなっている
金融業界は、一般的に年収が高いといわれている。実際に2021年の業種別年収平均ランキングでは、10位までの4つを金融業界の業種が占めた。収入的に安定した職業という観点では、昔も今も金融業界はトップクラスと言っていいだろう。