米中経済戦争で日本企業はどうなるのか? 知らないと怖い「国際政治リスク」
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台湾は日本の石垣島から約500キロ離れたところにある島国だ。韓国、北朝鮮、ロシアに次いで最も近い国である。

かつて、沖縄に存在した琉球王国の漁師たちは、〝サバニ”と呼ばれる小さな帆と櫂で進む船を用いて台湾まで漁に出ていたと伝わる。あまり知られてはいないが、台湾の領海内にはいくつかの小さな群島が存在し、その中には「小琉球」と呼ばれる島も存在する。

第二次世界大戦ののち、国民党によって現在の台湾政府が樹立されてから、中華人民共和国との摩擦は常に国際的な注目だった。

台湾だけではなく、現在、中国と国境を隔てている国のほぼすべてで緊張状態が続いている。 インド、タイは中国国境線の防衛を厚くし、台湾では2019年に中国本島からの個人旅行の受け入れを停止した。

アメリカのニュースウィーク誌では、「台湾はアジアにおける中国の土地獲得の最初のドミノになるかもしれない」と述べている。「ドミノ」とは地政学で言われる「ドミノ理論」を指したものだ。

第二次世界大戦後、世界がアメリカとロシアを代表する共産主義国家に二分されたように、大国の覇権や影響が世界的に伝播していくのではないかという懸念を表しているのだろう。

テキサス州選出のジョン・コーニン上院議員は2021年11月に、民主主義国家である台湾とその2,350万人の人口を敵対的に買収することは、中国が世界の覇権を握るための第一歩になると議会で警告したことを受けて議論している。

したたかに生き残る台湾の戦略

一路一帯に代表される中国が世界の覇権を握るための第一歩が台湾になるのではないかという危機感は、当の台湾自身にもある。

建国以来、これだけの圧力を受け続けている台湾だが、2018年に徴兵制を廃止している。台湾の軍人はほぼ全員が志願制となっており、近代戦に対応できるハイテク、サイバーに対応した人材層を厚くする「質より量」の施策へとシフトチェンジした模様だ。台湾には、アメリカから大量の武器や特殊部隊の教官が送られているとされ、それらのハイテク武器を使いこなせる人材を育てていくものとされている。2021年9月には台湾とアメリカとで大規模な合同訓練が開催された。

というのも、どこの国でもそうだが、兵役を嫌う若者が増え、軍隊は常に人手が足りていない状況だ。特に台湾は蔣介石による軍事独裁が長く続いたため、若者の軍、徴兵離れを引き起こしているといわれている。

台湾人同士の分断も大きな問題だ。中国への統合を歓迎する層や中国に抵抗することで事態が悪化するのではないかと懸念する層と台湾の自治、独立を支持する層との軋轢は、年々より大きな問題となっている。