一流経営者,メディア
(写真=rangizzz/Shutterstock.com)
黒坂 岳央
黒坂 岳央(くろさか・たけお)
水菓子肥後庵代表。フルーツビジネスジャーナリスト。シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、東京で会社員を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ビジネス雑誌やニュースサイトでビジネス記事を書いている。著書に『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド"で人生は劇的に変わる!』など。

「社長がメディアに出るようになったら終わりだ」という人がいる。だがこれはメディアに出演するメリットを理解していない発言である。メディアに出演することで数々のビジネスメリットがある。出られるものなら、経営者はメディアに出るべきなのだ。

筆者はこれまで、ネットメディアの他、テレビ、ラジオ、雑誌などに出演させてもらった経験がある。その経験を踏まえていえば、メディア出演には「メリット>手間や時間」という構図が成立すると考える。

メディア出演には広告効果がある

言い尽くされていることだが、やはりメディア出演は大きな広告効果がある。筆者の経営しているフルーツギフトショップの商品が視聴率14-15%程度ある地上波のテレビ番組で取り上げられた際、とてつもない売上を記録した。

放送後の2時間で過去2ヶ月分を売り上げることが出来た。一日中、商品の仕入れに駆け回り、なんとか全量発送することが出来た。この時の時間単位あたりの売上は、数年経過した今でもまだ破られたことがない記録として残っている。

その他、ネットメディアで1記事100万PV近くアクセスを記録した時は、テレビ局の出演依頼、ビジネス雑誌のインタビュー、他のネットメディアの取材など4-5件依頼が入ったこともある。それらの取材にお受けすることで、自己ブランディングや自社の商品認知度アップ、そのうえ取材報酬も受け取ることが出来た。

犯罪者として報道されるのでない限りは、メディア出演は様々な広告宣伝効果がある。それも無料で得ることができるのである。

メディア出演はフローのようでストック

よく、「メディア出演をしても視聴者はすぐに忘れてしまう。だから一過性のものでしかなく、メリットは小さい」ということを言う人もいる。だが、筆者はそう考えない。メディア出演はフロー(流れて消えるもの)ではなく、ストック(蓄積資産のもの)としての要素が大きい。

特にネットメディアなどではその傾向がある。筆者の書いたブログ記事を見て、テレビ局から出演依頼の連絡が来たことがあった。それは2年近くも前に書いた記事を見たのである。また、ネットメディアだと検索に対応できるので、記事として残り続けるなら忘れた頃にメディア会社からお声がかかったり、自社商品が売れたりするということはよくある。筆者の場合は、数ヶ月前に書いたネット記事を見た出版社から、商業出版のお声がかかった経験がある。

さらにメディア会社は、過去のメディア出演を結構見ているものだ。筆者は過去のメディア出演履歴をネットで見られるようにしている。その履歴を見たメディア会社が、別の切り口で掲載依頼の声をかけてきたり、講演依頼を頂いたりしたこともある。

メディア出演はフローのようでいて、実はストックとしての性質があるのだ。

メディア出演をすると権威が付く

お断りをしておくと、筆者は本を書いていたり、テレビに出ていたりする人を無条件にすごいなどとは思わない。もちろん、自身をすごいと言っているつもりは毛頭ない。だが、一般の人は「この人はこの分野の権威だ」と思うものなのだ。

権威者のように振る舞う必要もなく、相手から「先生」と呼ばれたりする。そうなると、講演依頼、出版依頼、専門家として他メディア出演などに繋がり、その実績がますます他のビジネスチャンスの呼び水になったりする。

筆者は過去のメディア出演や、掲載実績を持って会社に連絡を入れることがある。そうした実績がまったくない状態だと、あっさり無視されてしまうような場合でも、無視されずにちゃんと返事が返ってくる。これはメディア出演をすることで、結果的に権威が付くからという解釈をしている。ビジネスチャンスを得やすくなるから、使わない手はないだろう。

勢いのあるビジネスをしていると、メディアから声がかかっても仕事のジャマに感じてしまう人もいるのではないだろうか。だが、面倒がらずに出演をOKすると意外なほどのメリットが見えてくる。ぜひメディア出演依頼などが来たら、積極的に受けてもらいたい。

文・黒坂岳央(水菓子 肥後庵 代表・フルーツビジネスジャーナリスト)