大企業連携型共通ポイントの導入事業者(小売業・飲食業・サービス業)では今後も現状のポイント施策を維持する傾向がみられ、追加導入検討は一部
~共通ポイントサービス事業者には更なる導入拡大に向けた取組みが求められる~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の大手・中堅企業(小売事業者、飲食事業者、サービス事業者等)を対象として、共通ポイント・ハウスポイントの活用に関して電話による法人アンケート調査を実施した。ここでは、各事業者のポイントサービス活用状況や共通ポイント導入事業者における今後のポイントサービスに関する方向性について、その分析結果の一部を公表する。
業種別のポイントサービス活用状況
大企業連携型共通ポイント導入事業者の今後のポイントに関する方向性
1.調査結果概要
本調査では、国内の小売業・飲食業・サービス業の大手・中堅企業に電話による法人アンケート調査を実施し、87事業者から回答を得た。
各社のポイントサービス導入状況をみると、楽天ポイント、dポイント、Ponta、Tポイントの大企業連携型共通ポイント導入事業者が37社(42.5%)となった。うち共通ポイントのみを導入している事業者は20社(23.0%)、ハウスポイントと併用している事業者は17社(19.5%)、大企業連携型ではない地域密着型共通ポイント導入事業者は2社(2.3%)だけであった。
なお、共通ポイントを導入しておらず、ハウスポイントのみを発行する事業者は25社(28.7%)、ポイント未導入(廃止)事業者は23社(26.4%)という結果となった。
次に、大企業連携型共通ポイント導入事業者(37社)に対して、今後のポイントサービスに対する意向を尋ねたところ、8割以上(31社)が「採用しているポイントについては現状を維持」と回答した。一方、一部の事業者では、より集客力の高い共通ポイントへの乗り換え検討(1社)や、更なる集客力向上に向けて追加で共通ポイントの導入を検討するケース(1社)があった。
2.注目トピック
共通ポイント事業者には更なる導入拡大に向けた取組みが求められる
最近、大手事業者が複数の共通ポイントを導入したという事例がみられるが、本調査結果からは依然として数種類(複数)の共通ポイント導入については慎重な傾向が示唆された。
共通ポイントサービス事業者には、今後、更なる導入拡大に向けた取組みが求められていくと考える。
調査要綱
1.調査期間: 2021年8月~9月 2.調査対象: 国内企業87社(小売事業者57社、飲食事業者8社、サービス事業者22社) 3.調査方法: 電話による法人アンケート調査 |
<本調査について> 本調査では、国内の大手・中堅企業(小売事業者、飲食事業者、サービス事業者等)を対象として、電話による法人アンケート調査を実施し、87社の企業から回答を得た。 導入事業者にはポイントサービス活用状況(ブランド選定理由、ハウスポイント併用理由、導入効果、満足度、課題、ポイントソリューションベンダへ期待すること、今後のポイントサービスに関する方向性等)、ポイント未導入(廃止)事業者には未導入(廃止)の理由等を調査した。 <共通ポイントとは> 共通ポイントとは、ある企業で発行されたポイントカードに対して、他企業で買い物した際にもポイントが付与されたり、他企業でも還元されたりするポイントで、消費者側から見た場合、1つのポイントを様々な幅広い業種・業態で貯めることが出来て、かつ利用が出来る。 また、本調査では、楽天ポイント、dポイント、Ponta、Tポイントを導入している事業者を大企業連携型共通ポイント導入事業者と定義し、分析した。 <ハウスポイントとは> ハウスポイントとは、自社が発行原資を負担し、自社(自社ブランドや自社グループ含む)でのみポイントの発行や利用ができるポイントを指す。但し、本調査ではハウス型ではないキャッシュレス決済(多くの企業で利用できるクレジットカード、電子マネー、コード決済など)に紐づいている、他社(キャッシュレス決済事業者)が原資負担をしているポイントは調査対象から除いている。また、本調査ではマイレージを調査対象から除いている。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 共通ポイント、ハウスポイント |
出典資料について
資料名 | 2021年版 共通ポイント/ハウスポイント導入・活用実態調査 ~現状と今後の意向~ |
発刊日 | 2021年09月30日 |
体裁 | A4 107ページ |
定価 | 198,000円 (本体価格 180,000円) |
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