【税理士替えたい110番】頻繁に担当者が変わり、ミスも多い…顧問料が低いから雑なのでは?
(画像=プロパートナーONLINE)

顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。
今回は、「顧問料が低いという理由で、ミスも多く、
担当者が頻繁に変わり困っている」という事例です。

大手を紹介してもらったが適当な仕事ばかりで不満

私は医療法人と不動産管理会社の経営をしています。
父の代からこれまで40年近く、同じ税理士の先生に顧問をお願いしてきましたが、
昨年、その先生が高齢のため事務所をたたむことになり、
新しく大手の会計事務所をご紹介いただきました。

しかし、顧問料が低かったためか、
担当者が頻繁に変わるうえに、ミスも多いのです……。
前の先生には滞りなく税務関係の引き継ぎを行っていただき安心していただけに、不安が募ります。

今の担当者は若くてやる気もあるのですが、預けていた資料を紛失したり、
会計処理を間違ったりなど、仕事が雑な印象を受けます。
もう少し仕事が丁寧な方に担当してもらいたいのが本音です。

顧問料は、記帳代行や決算申告もお任せして、年間で50万円ほど。
事業規模や年間売上で金額が変わるそうですが、弊社の場合、
相場よりも低い顧問料に設定されていると思います。

引き継ぎの際に「顧問料は前と同じで構わない」と伝えたものの、
引退した先生との関係もあったからか、ある程度優遇してくれたようです。
だからといってミスが多いのは困りますし、こんなに担当者が変わったり、
雑な仕事をされるのであれば、最初から相場の顧問料で契約していました。

コロナの影響で、医療法人、不動産管理会社ともに売上の先行きが見えないのが現状です。
節税や今後の資金繰りはもちん、
M&Aなど将来を見越した相談もしたいのですが、それも難しそうです。

顧問料を上げれば担当者を変更してもらえるのかもしれませんが、
別の会計事務所に替えること含めて検討しています。

【顧客満足度を高めるワンポイントアドバイス】
品質を担保する仕組みづくりと担当者の固定で信頼関係を構築

一般的に報酬額によって業務内容や作業量は変わるものですが、
〟に差が出てしまってはいけません。
特に士業事務所の場合、お客様は「ミスがないこと」が当たり前だと思っているので、
管理システムの導入やマニュアルを作成するなど、
業務の品質を担保するための標準化やルール設定が必須
になります。

また、新規のお客様に対しては、一定期間担当者を固定するなど、
信頼関係を築くための措置も必要です。
もし、特定の担当者をつけない場合は、
契約時にきちんと説明して顧問先の理解を得ておく必要があります。

※月刊プロパートナー2021年5月号より抜粋

プロフィール
堀 弘毅
堀 弘毅
株式会社アックスコンサルティング コンサルタント
全国の士業事務所の売上アップや業務効率化など、幅広くサポートを行う。
プロパートナー
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