BANKERS

日本M&Aセンターが行うM&A大学。 その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーにインタビューする企画の第15弾。 今回は栃木銀行 法人営業部 係長 大島 康平氏にインタビューした。

M&A大学とは
日本M&Aセンターが協業する地域金融機関に向けて行う、研修・出向制度。M&A大学入学者(地銀からの出向者)はM&Aシニアエキスパート研修(JMAC)、評価・概要書研修などの座学と日本M&AセンターとのコンサルタントによるOJTなどを経て、自ら顧客への提案からM&Aの成約、契約の締結までを完結できるM&Aコンサルタントとなることを目指す。

M&Aチーム構成を教えてください。

事業承継・M&Aチームとして、今年の4月より全員で6名体制になりました。統括1名と、他の5名がそれぞれのエリアを担当しています。

私の担当エリアは県北地方を中心とした計10店舗です。

M&Aの担当部署に来られる前は、どのような業務をなさっていたのですか?

法人を中心とした渉外業務です。入行時は日光東照宮前にある日光支店に配属され、預金業務2年、融資業務2年を経験後、栃木県北にある大田原西支店へ異動しました。そこで初めて渉外業務を経験しました。

途中で店舗統合もあり合計4年ほど、大田原支店におりました。当時は管理顧客数も多く、総融資量も上位の支店でしたので、法人融資を中心に幅広い業務に携わることが出来ました。入行当時から考えるとバランスいい経験ができたと思います。

M&Aの部署への異動が決まった時はどのように感じられましたか?

素直に嬉しかったですね。なぜならM&Aはお客様に喜んでもらえる業務だと知っていたからです。

行内の研修でM&Aの成約式ムービーを観て感動し翌日に担当していたお客様に事業継承の話題を投げかけました。その面談で譲渡のきっかけを作ることができ、成約後お客様に「大島さんが担当で良かった」と安心した顔で心のこもった言葉を頂くことができました。日々の業務ではなかなか得られない嬉しい感情になることができましたし、譲渡対価からの手数料や、その後の資産運用のお手伝い等々、支店の業績にも寄与することができます。

次第にM&AでWIN-WINになる事を多くのお客様や行員に知ってほしいという気持ちになっておりました。

出向期間中は、どのような活動をされていましたか?

出向前半の半年間は、栃木銀行からの売り受託案件が相当数あったので、案件化作業が中心でした。企業概要書や評価書の作成、顧客面談等々、案件化の段階で徹底的に顧客を知り強みや課題、リスクを知ることで成約につながるのだと非常に勉強になりました。

出向の後半は、案件が成約に向かうまでの諸条件の調整や、契約書の作成していました。また、営業店から相談があった譲渡受託折衝や営業店への啓蒙活動もすることができ、一連の流れを経験することができました。

お客様に寄り添うことができるのは、我々銀行員

出向期間で、印象的だったことや勉強になったということはありますか?

案件化や契約書の作成、クロージングパッケージが勉強になりました。

契約書を十分に理解することで、クロージングまでのブレイクポイントになりそうな事項の確認や交渉ができ、成約までスムーズな動きができるので契約書の作成を学ぶことができたのは、実務面で役立っています。

また、銀行本部としての立場とM&Aセンター社員の両方の立場を経験できたことは、印象に残っています。M&Aセンター社員の立場や私の立場を相互理解することで、銀行に帰ってきてからもスムーズな情報交換ができ仕事の効率も上がっております。

出向中に大変だった思い出はありますか?

出向中に大変だったことはやはり案件化が集中した時でした。夜遅くまで作業することは当たり前でしたので、今はとてもいい思い出です。

ディールで大変だったことは、最終契約の諸条件の詰めです。一つ間違えればブレイクする可能性もある為、顧客の些細な反応まで感じ取れるように気を張っていました。

売り手買い手双方にも納得して喜んで頂ける為、後々トラブルにならない為にも、メリットデメリット伝え、お客様に選択してもらう事が重要であると学びました。

ご出向中にご担当された案件での思い出話があれば、お聞かせください。

ご担当させていただいたある製造会社の案件ですね。その会社の若社長さんの意向や想い、お考えをしっかり伺いながら進めました。最終契約が終わり、若社長から私と担当コンサルタントにお礼のお手紙と感謝のお言葉を頂戴しました。人の役に立つ仕事ができたのかなと大変嬉しい気持ちになりました。

プレゼントまで頂戴しました。今つけているネクタイピンです。(プレゼントを見せてくれる。)何よりもM&Aをされた結果、若社長に喜んでもらえたことが、一番嬉しいですね。

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日本M&Aセンターの「変化のスピード」に圧巻

ご出向期間を終えて、日本M&Aセンターと銀行の違いは何だと思いますか?

「変化のスピード」が違いますね。日本M&Aセンターには、実行力、組織力、システム、色々とありますが、やっぱり「変化のスピード」が凄く速いと思います。どちらかというと銀行は慎重な組織なので、何でもやってみよう!という風土がいいと思いました。

仕事に対しての想いがあれば教えてください。

まず、誰からも信頼されるような人になりたいと強く思っています。お客様にも、取引先にも、銀行内も、全ての人に信頼される存在になりたいです。

お客様の様々な悩みに対して、選択肢お伝えし、お客様にとって一番良い方法を選択できるようにしていきたいですね。なかなか意思決定できないお客様や、背中を押してほしいお客様にも、適切なアドバイスができる人になりたいですね。

1人でも多くお客様と対談できるようにスピードと行動量も意識してます。

最近の栃木銀行について、詳しく教えてください。

栃木銀行は第十次中期経営計画で「課題解決に強い銀行」に向け、一人でも多くのお客様と顔の見える関係を構築し、お客様の身近な存在として、地域社会の発展・成長に貢献をすることを掲げております。

また、より課題解決に強い銀行になる為に、様々な企画・研修を行い人材育成に力を入れております。会社は人でできていると強く思いますので、課題解決に向けたプロセスを意識して「栃銀らしさ」を忘れず、お客様及び銀行員とも接していきたいと思います。