〈真っ向から否定しないが別途現物市場創設求める〉
自民党は8月4日の農林合同会合で「米先物取引の本上場申請に関する申入れ」をとりまとめ、翌日に(株)堂島商品取引所からの意見聴取を控えた農林水産省に要請した。
それによると、先物市場そのものを真っ向から否定するトーンにはなっていない一方、別途現物市場の創設を求めるなど、いわゆる“玉虫色”の内容になっている。これにより本上場申請の成否は、8月5日の意見聴取次第に絞られた。具体的な申入れ内容は以下の通り。
〈1〉今回の本上場申請に対しては、法律の要件に照らして厳正に判断すること。その際、先物市場に参加している生産者数・流通業者数が伸び悩み、先物取引利用の意向が低い、取引の9割が新潟コシヒカリに偏っている等の取引の状況を十分に踏まえて慎重に判断すること。
〈2〉米の現物市場については、米の需給実態に応じた価格形成を促し、農業者の経営に資するため、JAグループを始め集荷業者、卸売業者等、関係者が参加できる現物取引市場を創設することを旨とし、その創設に向けて、農林水産省がJAグループを始め関係者による検討会を速やかに設置し、検討会において本年度内を目途に制度設計について検討すること。
〈米麦日報2021年8月5日付〉