矢野経済研究所
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2020年度の飲料市場はコロナショックで、2年連続での縮小

~コロナ禍で販売チャネルごとの明暗が分かれる、長引くコロナ禍で低迷見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の飲料市場を調査し、飲料カテゴリー別の動向、流通ルート別の動向、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

飲料市場規模推移・予測

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1.市場概況

2020年度の国内飲料市場規模(牛乳・乳飲料を含む)は、メーカー出荷金額ベースで前年度比93.4%の4兆7,650億円と2年連続で減少し、5兆円を割り込んだ。

2019年度の飲料市場が前年度の反動や7月の記録的な冷夏で5年振りに縮小に転じていたこともあり、本来2020年度の市場は十分に拡大が見込める年であった。加えて東京オリンピック・パラリンピックの開催年で、国民の高揚感やイベント参加による外出増、訪日外国人観光客(インバウンド)の増加といった飲料消費を嵩上げする要素も揃っていた。ところが新型コロナウイルス感染拡大によって全てが覆され、大幅な下落となった。

2.注目トピック

コロナ禍で販売チャネルごとの明暗が分かれる

新型コロナウイルス感染拡大で、消費者のライフスタイルが大きく変わり、それに伴い飲料の飲用スタイルも変化した。これまでは、小型PETボトルを中心にオフィスや外出先、イベントや行事における飲用といった、屋外での止渇需要をいかに掘り起こしていくかが重要であった。ところが、コロナ禍における不要不急の外出自粛、家庭内(巣ごもり)需要拡大の影響を受けて、自販機チャネルやCVS、駅や学校、オフィス近隣などの販売店中心に売上が減少した。

一方で売上が増加したのが、家庭内消費や備蓄需要の高まりを捉えた量販店やスーパーマーケット、ドラッグストアなどである。家庭内での飲用であることからコストパフォーマンスに優れた大型容器の販売が伸びたことと、店舗への来店頻度を減らすためのケース購入など、まとめ買いが目立つようになった。また、コロナ下で通販チャネルが大きく伸びた。

3.将来展望

2021年度の飲料市場規模(牛乳・乳飲料を含む、メーカー出荷金額ベース)は、前年度比98.6%の4兆7,000億円と3年連続での縮小を予測する。コロナ禍の終息時期は不透明で、夏の旅行シーズンや帰省時期に4度目の緊急事態宣言が発出されていることからも、飲料の消費機会は伸び悩む見込みである。しかしながら、2020年度がこれまでにないほどの落ち込みであったことやワクチン接種なども進んできていることから、マイナス幅はそれほど大きくならないと予測する。但し、市場の本格的な反転攻勢は2022年度以降になる見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2021年4月~7月
2.調査対象: 飲料メーカー、販売企業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話取材、アンケート調査ならびに文献調査併用
<飲料市場とは>
飲料とは、アルコール度数1%未満の飲料で、PETボトルや缶、紙容器などに入り、そのまま飲用できるものをさす。
本調査における飲料市場とは、炭酸飲料やコーヒー飲料、ミネラルウォーター、果汁入り飲料、各種茶系(日本茶、紅茶、ウーロン茶等)飲料、スポーツ・機能性飲料、栄養飲料(エナジードリンク含む)、飲用牛乳類、色物乳飲料、乳酸菌飲料、ドリンクヨーグルト、豆乳などを対象とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
炭酸飲料、果汁・野菜飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、健康系飲料、乳系飲料 ※飲料市場対象外カテゴリー;レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー、手入れ紅茶

出典資料について

資料名2021年版 飲料市場の現状と展望
発刊日2021年07月26日
体裁A4 560ページ
定価143,000円(本体価格 130,000円)

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