【連載#3】「個のチカラ」を最大限引き出すフランチャイズ戦略
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ハッピーカーズは、現在加盟店が70店舗以上あります。個人事業主から法人まで、資金力や人的リソースによって様々なスタイルで営業しています。

基本的に出張買取というビジネスなので、ロードサイドでよく見かけるような店舗は必要ありません。

そのような店舗不要・在庫なし・出張買取専門という形態でありながら、トップクラスの加盟店は一か月に20台以上の買取をおこない、連日開催されているオークションで売却しています。
例えば1台の単価が100万円として、月に10台程度の買取台数でも売上は2,000万円くらいにはなります。粗利を10%で計算しても200万円。1人稼働で広告費を50万円使ったとしても、十分な数字ではないでしょうか。

実際に、このようなハッピーな加盟店が多数育ってきていることは、「車を通じて関わる人すべてをハッピーにする」という理念の下、創業時より一貫して行ってきたハッピーカーズのFC戦略の成果に他なりません。

今回は、「個のチカラ」を最大限引き出すFC戦略とはどのようなものかについて考えてみたいと思います。

新佛 千治氏
新佛 千治 (しんぶつ ちはる)
株式会社ハッピーカーズ 代表取締役
営業職としてメーカーに入社。全国トップクラスの営業成績を出すが、自分の可能性をもっと広げてみたいと思い、退社。大波に乗ることを目指してハワイへ。帰国後、新たにデザインの勉強をはじめ、広告業界に飛び込む。まずは、出版社にデザイナーとして入社し、後に、大手情報サービス会社で広告制作ディレクター、コピーライターとして実績を積み、2005年にはクリエイティブディレクターとして広告制作会社を立ち上げる。そして、外部要因に左右される経営環境を変えたく、もうひとつ事業の柱をつくろうと中古車の輸出ビジネスに目をつける。海外への販売ルートの開拓を考え、中古車の輸出先となるアフリカのタンザニアに現地法人を立ち上げる。しかし、治安の問題もあり短期間で撤退を決断し、中古車輸出業から手を引く。その際の経験を活かし、日本国内において一般のお客様から中古車を仕入れて、オークションに出すクルマ買取り業者、株式会社ハッピーカーズが誕生。2015年の事業立ち上げから、わずか4年で全国に50以上の加盟店を展開する規模へと成長する。
▪ハッピーカーズHP:https://happycars.jp/company/

「個」のチカラが生きる要素

FC本部はビジネスモデルを提供しますが、実際に事業を運営するのはFCに加盟した個人事業主や経営者です。
最初は家族・友人・親族、旧来の人脈から始めるケースもありますが、新人には新人なりの人の繋がりがあるもので、集客については基本的に加盟店が自由に行える環境です。車の買取ですから、人に嫌がられることもありません。他社よりも高く買いさえすれば感謝される仕事です。もちろんスタート時には、本部の提携する情報企業から見込み客を送客する仕組みもあり、未経験者でも開業翌日から査定に行けるサービスも用意しています。

しかし、いくらビジネスモデルや、集客の仕組みがしっかりしていたとしても、それだけでは加盟店が継続して成功をおさめることはできません。具体的な業務の進め方やメンタル面をサポートしつつ、加盟店が自信をもってブランドを育てていけるような土壌を作っていく必要があります。

私は、ハッピーカーズの加盟店のほとんどがたった一人で始めたにも関わらず成功しているケースが多いのは、以下のような「個」のチカラを最大限に引き出すための施策を創業時より一貫して行っているからだと考えています。

1、スピードと柔軟性を武器にする営業手法
2、感謝される事業を行っているという自信
3、不安を取り除くための配慮

順にみていきましょう。