ヤクルト本社とポッカサッポロフード&ビバレッジおよび同社の親会社であるサッポロホールディングスは5月14日、業務提携についての協議、検討を開始する旨の合意書を締結したと発表した。11月をめどに業務提携に向けた協議を進める考えだ。
今回の業務提携の検討範囲については以下の通り。
(1) 互いが保有する素材・技術を活かした商品開発
(2) 互いが保有する資産(生産設備等)を使った事業の効率化
(3) 互いが得意とする販売チャネル(量販店等)を使った売り上げの拡大
新たに共同のワーキンググループを設置し、業務提携の範囲と具体的な内容について、協議・検討していく考えだ。 ヤクルト本社は次のように述べる。「相互が保有するリソースを活用し、持続的な成長を実現することについて、共通の認識を持つにいたり、今般、ポッカサッポロの親会社であるサッポロホールディングスも含めた3社間において、具体的な協議を開始することに合意しました。今後は、お客さまへの新たな価値の提供や、持続可能なサプライチェーンの構築などをとおした事業の拡大を目指して、具体的な内容を検討していきます」。
具体的には、量販店におけるチルド温度帯の棚で「Newヤクルト」などを展開するヤクルト本社と、加工食品などドライ(非冷)の棚で「ポッカレモン」やスープ製品を展開するポッカサッポロ社が、それぞれの強みを活かして協力し、売り上げ拡大を図ることなどが挙げられる。
業務提携の目的について、サッポログループの食品飲料事業を担うポッカサッポロフード&ビバレッジは、中期経営計画で「植物性素材を核とした次世代領域での価値創造」を掲げ、レモン事業およびプランツミルク事業を中心に、植物性素材のチカラでおいしくて健康的な価値を提供していくことを目指していることが背景にある。その実現のために、ポッカサッポロフード&ビバレッジの現在の事業基盤の活用のみならず、新たな経営資源の獲得を視野に入れて様々な検討を進めていたとしている。
一方、ヤクルト本社は、海外進出国の深耕・拡大による売り上げの拡大や、「Yakult(ヤクルト)1000」、「ヤクルト400W」の発売など商品の高付加価値化による利益拡大を図ってきた。今後も持続的な成長を維持するためには、自社の強みとするプロバイオティクス分野での地位をより強固にするとともに、新たな事業領域の拡大や外部のリソースの活用が不可欠と考えたためという。
業務提携の協議開始にあたり、ポッカサッポロフード&ビバレッジの征矢真一社長は、次のようにコメントを発表した。「当社が中長期で目指すありたい姿“未来の食のあたりまえ"を創造していく上で、ヤクルト本社様はまたとないパートナーになりうると考えており、今回の業務提携検討開始を嬉しく思っています。お互いの強みを活かした業務提携に向け、共にお客様へ新たな価値を提供し、事業の成長につなげていけるよう協議していきます」。
また、ヤクルト本社の根岸孝成社長は、次のようにコメントする。「この度、ポッカサッポロフード&ビバレッジ様ならびにサッポロホールディングス様との業務提携に関する協議を開始する運びとなりました。 両社の強みを活かし、お客さまへの新たな価値の提供などを通じ、お互いの事業の拡大につながる業務提携が成立することを期待しております」。
なお、ヤクルト本社は、キリンビバレッジと自動販売機事業で商品相互販売を行っているが、この点についての変更はないとしている。