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日本M&Aセンターが行うM&A大学。 その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーにインタビューする企画の第7弾。 今回は群馬銀行 コンサルティング営業部 係長 亀井亮佑氏にインタビューした。

M&A大学とは
日本M&Aセンターが協業する地域金融機関に向けて行う、研修・出向制度。M&A大学入学者(地銀からの出向者)はM&Aシニアエキスパート研修(JMAC)、評価・概要書研修などの座学と日本M&AセンターとのコンサルタントによるOJTなどを経て、自ら顧客への提案からM&Aの成約、契約の締結までを完結できるM&Aコンサルタントとなることを目指す。

――大学卒業後、群馬銀行さんに就職しようと思われた理由を教えてください。

亀井:地元群馬県が好きで、将来的に子どもを育てるのは慣れ親しんだ地元がいいと考えていました。

群馬銀行での業務とM&Aとの関わり

――現在、どういった部署でお仕事をされているのでしょうか。

亀井:群馬銀行のコンサルティング営業部という部署に所属しております。M&A大学で学んだことを活かし、M&A業務を通じて当行の取引先の事業承継のお手伝いをしています。

入行して初めての赴任先は群馬県前橋市内の竪町支店でした。基本的な銀行業務を学びながら3年3か月勤務をした後、埼玉県の大宮支店に異動になりました。大宮支店では渉外係として個人貸出と法人貸出とそれぞれの業務を担当していました。

直近は、東京都足立区の足立支店に勤務しておりました。2017年の7月に新規開設した支店で、私は、開設の準備から携わっていました。基本的には取引のない新規法人への飛び込み営業を毎日のように行っていました。その後、2020年の4月、現在のコンサルティング営業部に異動になり、日本M&Aセンターへの出向ということになりました。

―――新型コロナの社会的影響が深刻ですが、御行には何か影響はありましたでしょうか。

亀井:M&A班は情報管理の関係上、コンサルティング営業部内の隔離された部屋におり、まさに三密の状態だったのですが、新型コロナの対策として、勤務場所を本部棟と研修所の2か所に分けて業務を行っています。

勤務場所が2か所になってしまうことで、情報共有に問題が生じないよう、毎朝短時間ですがWEBミーティングを実施しています。

M&A大学で経験した、部署を越えた連携と同業他社との交流

――M&A大学へ出向が決まったときはどのように思われましたか?

亀井:もともとM&A業務には興味があり希望してはいましたが、出向者は毎年少人数しか選ばれないため、まさか希望が通るとは思っていませんでした。

難しい業務だということは当然わかっていましたし、日本M&Aセンターは激務だと思っていましたので不安はありましたが、今までやってこなかった業務に携われるという期待はすごく大きかったです。

――M&A大学での1年間で、意外に思ったことは何かありましたか。

亀井:当然ですが、日本M&Aセンターと銀行は企業風土が全く違う、ということでしょうか。銀行よりも、雑談等はしやすい環境だと感じました。出向前は、日本M&Aセンターの営業室は殺伐としていて、会話なんかほとんどないようなイメージだったので、そういった点にはギャップを感じました。

――日本M&Aセンターのチームや会社の印象は?

亀井:自由な社風でバリバリの営業集団が集まっていると思っていましたが、実際入ってみてもそれに近い印象でした。それから、コンシェルジュの方々や、営業企画、CA等のサポート体制が非常にしっかりしていると感じました。 1つの案件をどう成約まで導けるかを、みんなで同じベクトルを向いているところは素晴らしいと思いました。  

――M&A大学のカリキュラムについてどのように思われましたか。

亀井: M&A大学の8月頃に他部署の部長が、各部署の特色や推進方法等の講義を開催していただきました。なかなか接点を持ちづらい方々からのお話でしたので、非常に勉強になりました。また、私と同時期に出向した地域金融2部のメンバーは埼玉県・群馬県・栃木県・福島県という、比較的距離の近い銀行から来ていたということもあり、良い情報交換の機会となりました。私が出向中に当行は、地方銀行11行でつくる地銀連合「TSUBASAアライアンス」に加入したため、そういった情報交換という意味でも、非常に有益だったかと思います。

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群馬銀行が進めるM&Aと今後への期待

――御行のM&Aへの取り組みを教えてください。

亀井:当行がM&A業務に力を入れ始めた時期は、中小企業のM&Aは現在ほど一般的ではなく、当行もノウハウがなかったため、お客様もM&Aにハードルの高さを感じていたと思います。

そういった時期に日本M&Aセンターへの出向を経験した行員が、現在もM&A班に在籍しているため、業務経験と知識は徐々に蓄積されてきてお り、日本M&Aセンターにお願いする案件と、当行単独で対応する案件が混在している状況です。 昨年は新型コロナウイルスの影響により、動きづらさはありましたが、情報提供の一環として、M&Aに関する勉強会は継続的に開催していただきたいです。勉強会は、営業店行員への啓蒙活動の一環という意味もありますが、思わぬマッチングアイデアや譲渡ニーズが出てくるケースがあるため継続していきたいです。

――勉強会以外での取り組みは、ほかに何かありますか?

亀井: M&A班の担当者は、常日頃から各営業店を訪問しているので、その中で後継者不在先や、経営者の事業承継の悩みなどを個別にヒアリングしています。また毎期初に各担当エリアの営業店を訪問し、案件出し会議を実施しています。その際には、営業店が把握している事業承継情報を元に、M&Aに進む可能性のありそうな取引先が興味を持ちそうな情報を提供するなど、M&Aに関する目線を持ちやすくなるようなアドバイスを、支店長も交えて行っています。

――日本M&Aセンターに何か期待することがあったら教えてください。

亀井:当行単独でもM&A案件を取り扱っておりますが、取引先から群馬銀行に直接お願いしたいという依頼を受けても、候補先を見つけるのに難航する場合があります。そういった際は、日本M&Aセンターのネットワークや情報量、過去の成約事例に基づくノウハウを、協業案件といった形でご協力いただけますと幸いです。引き続き協力関係を続けていただきますよう、よろしくお願い致します。

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