行き詰まったときは友人からヒントを
「人を動かす」というと、全社員の前で発信して全社員をモチベートすると思われがちですが、私自身は、そういうやり方で発信することはあまり多くありません。社内で成功事例を作ることもそうですが、さまざまな人を頼り、みんなの力を少しずつ借りています。1 人 1 人が少しずつ動くことで、大きく動かすことができますね。 難しいことに直面して悩むこともありますが、悩んで前にも後ろにも進まない感じは苦しいので、普段から悩むのではなく考えるようにしています。
行き詰まった時は別の視点が欲しくて、遠くにいる友人に会いに行くこともあります。行き詰まっていることを相談するわけではなく、全然違う話をしているときにふとアイディアを思いついたり、ヒントになることを言ってもらえるときがあったりします。実は今回の新会社設立の前にも友人に会いに行きヒントをもらいました。
私の母は看護師なのですが、看護師になった理由は「お金が必要で、働きながら学校に通えたから」だそうです。そういえば会社に入社すると、勉強をする環境はなかなか得られないということを思い出し、「働きながら勉強できる会社を作りたい」と考えたことが、新会社「日本DX人材センター」設立のきっかけです。母は私を産んだ後、パートタイム勤務の看護師として働いていて、私が中学生になる頃から夜勤もするようになり、看護師長も務めました。一般的な会社員でも、働き方を柔軟に変えながらキャリアを積み重ねていける仕組みが必要だと思いました。
日本DX人材センターは、キャリアを中断した人でも、スキルや経験をつけて働ける場を作るというコンセプトで作ったので、柔軟な働き方ができるようになっています。子育てに限らず、趣味に没頭したり、世界 1 周旅行に行ったりする時間があってもいいですよね。柔軟な選択ができるようになれば、人生はもっと楽しいと思うんです。スキルアップしてステップアップする人たちをたくさん輩出することが目先の目標です。
この本を読んで、「私にもできるかも」と一歩踏み出してほしい
本書は、新しいツールやシステムを導入したもののうまく活用できていない、DXに悩むオーナーや経営者の方に読んでいただきたいです。また、新しいことに挑戦したい方にもぜひ読んでいただきたいですね。プロジェクトを進めるための人の動かし方や推進の仕方について、何かヒントになることがあるのではと思います。「私にもできるかも」と一歩を踏み出してもらえたら嬉しいです。
書籍の詳細はこちら:https://www.nihon-ma.co.jp/groups/publication/978-4295409533.html
プロフィール
藤田 舞 株式会社日本DX人材センター 代表取締役 東京大学大学院工学系研究科卒業後、2010年4月に株式会社日本M&Aセンターへ新卒で入社。営業企画を経て、Salesforceを中心としたSaaSツールの活用推進や運営保守等を行う部門に移り、既存の顧客管理システムを置き換える全社DX基幹プロジェクトの一員に起用される。現在も引き続き構築・運用・保守を担うチームを率いており、2021年にはSalesforce活用に関する社内資格制度を立案、社員がデータベースを活用しやすい仕組みの構築に注力。2022年9月、セールスフォース・ジャパンが主催する「第10回 Salesforce全国活用チャンピオン大会」の大企業部門で優勝。2024年2月、日本M&Aセンターグループ内に日本DX人材センターを設立。神奈川県出身。