〈家庭用が2年連続業務用上回り数量・金額とも最多更新〉
日本冷凍食品協会が4月21日、公表した2022年1~12月の冷凍食品国内生産量(速報値)は、前年比0.7%増の159万8808トンと2年連続で増加し、過去最高だった2017年の160万トンとほぼ同水準で史上2番目の数量となった。
金額(工場出荷額)も4.0%増・7639億円と3年連続で増加し、こちらは過去最高を更新した。用途別で、家庭用は数量が0.8%増・80万4996トンと8年連続増加、金額が3.7%増・4061億4500万円と3年連続増加し、いずれも過去最高を更新した。
業務用は数量が0.6%増・79万3812トンと2年連続増加、金額が4.4%増・3577億8100万円と2年連続増加し、前年を上回った。
数量では、前年に初めてわずかながら家庭用が業務用を上回ったが、今回もその流れが続いた。金額では、3年連続で家庭用が上回った。
4月21日、記者会見した木村均専務理事は「値上げの影響があり、数量の伸びが少なく、金額の伸びの方が多かった。とはいえ、各社が発表している値上げ幅まで上がっておらず、価格転嫁があまりできていない可能性がある」「家庭用は8年連続増と伸長し、数量で0.8%増だが、コロナ禍以降の特需から減っておらず、家庭での冷食需要が定着したことが伺える」「今後外食が回復することが見込まれ、テレワークが減少しているが、高齢化、単身世帯の増加、働く女性の増加といった社会背景を考えれば、経済状況にもよるが大きく減るということはないのではないか」「業務用はもう少し伸びるとも思ったが、昨年のデータであり、まだ(今より)コロナ禍の影響が強くパーティー等少なかった。今後訪日外国人の増加などでまた伸びるのではないか」などコメントした。
品目別で、大分類の品目別生産数量では、水産物は5.5%減と減少、農産物は0.2%減と若干減も、大半を占める調理食品は0.9%増とやや増加した。また、菓子類は9.5%増と伸長率が高かった。
小分類の品目で、前年に対して量的に大きく増加したのは、春巻22.9%増、ギョウザ3.9%増、パスタ5.7%増、うどん1.5%増などだった。減少したのはカツ7.9%減、畜産物48.5%減、えび類40.8%などだった。
小分類の品目別生産量では、1位うどん、2位コロッケは変わらなかったが、前年4位のギョウザが増加して3位となり、やや減少した炒飯が4位となった。
財務省貿易統計による冷凍野菜の輸入量は7.2%増114万9097トンで、前年に続き2年連続で増加した。輸入額は38.7%増2822億0300万円と、円安の影響もあって大幅に増加した。
また、輸入調理冷凍食品を取り扱っている協会会員企業37社を対象とした調査によれば、調理冷凍食品の輸入量は前年比1.1%減の23万3578トンと3年連続で減少、金額は3.8&増1603億3100まん延で、3年ぶりに増加した。
国内消費量(冷凍食品国内生産量+冷凍野菜輸入量+調理冷凍食品輸入量の合計)は、前年比3.0%増の298万1483トンと2年連続で増加、これを総務省人口推計の総人口(1億2494万7000人)で割った1人当たりの年間消費量は前年から0.8kg 増加して23.9kg となり、いずれも過去最高を更新した。なお、同協会は調理冷凍食品の輸入については協会会員だけを対象にした調査であり、会員以外が輸入しているものを考慮すると、実際の消費量はこの298万トンを上回ると考えられるとコメントしている。
〈冷食日報2023年4月24日付〉