M&Aコラム
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宮城県仙台市のテレビ局「東日本放送(khb5)」は6月28日(火)、「宮城県内の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」を主催します。カンファレンスは東日本大震災からの復興や新型コロナウイルス対策に向き合う宮城県内の企業経営者に向けた「M&A」や「DX推進」、「生産性向上」など次世代の経営に求められる新たなソリューションを提供する目的で企画されました。宮城県内のテレビ局と各分野で経営支援を担うリーディングカンパニーが連携して、地元企業の成長と発展に貢献することを目指しています。カンファレンスを主催する東日本放送みやぎプロモーション室の花里直室長に、地元メディアの役割や企画に込めた想いを聞きました。

新社屋とCIを一新 さらに地域に寄り添う地元テレビ局へ

花里氏) 東日本放送は、2021年9月に本社を仙台駅に近い再開発が進むあすと長町に移転しました。地域に密着するメディアとして、皆さんが集い、顔を合わせることができるテレビ局となり、より地域に寄り添った情報発信やサービスを提供していくことが狙いです。以前の古い社屋は、少し郊外にありました。そのため、社屋に地域の人々が集う機会が少なく、地域の人々の顔が見えにくい状況でした。新社屋内には、人気を集めるダブルトールカフェが運営する“ぐりりカフェ”や、178席の収納式観覧席を設けたイベントホール”ぐりりホール”も設置し、多くの方にご利用いただいています。また、社屋前の「杜の広場公園」や「ゼビオアリーナ仙台」では様々なイベントが行われており、東日本放送としてもこれらを活用し、地域の賑わい創出と発展に寄与したいと考えています。
社屋の移転に合わせてコーポレートロゴなどのCIも刷新しました。ピンク、スカイブルー、パープルの3色のカラーが重なり合うCIのデザインに変更することで、多様な情報を発信し、地域の皆様とのつながりや一体感を表し、地域密着のメディアとして地域の方々に寄り添っていくことを表現しています。
新社屋移転やCIの刷新により、局員の意識もより地域の人々に向くようになり、そのニーズを拾うことができるようになりました。夕方のニュース番組「チャージ!」を収録するスタジオでは県内最大級の205インチの大型LEDモニタを設置し、これまでにはない演出を取り入れ視聴率も上昇しています。

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宮城県の地域テレビ局として伝え続ける 東日本大震災

花里氏) 東日本大震災が起こった当時、私はイベントなど様々な企画を立案・実行する事業部に所属していました。震災直後は、スタッフの交通・食事・宿泊先を手配するロジスティック班を担当しました。沿岸部に取材に出た記者に車を向かわせようにも携帯も一切繋がらず、どこで何が起きているかも分からない状況でした。報道担当者は早く正確な情報をいかに伝えるかを必死に行っていました。とにかく、現場に行って必要な情報を感じ取り、地域の皆様から話を伺いながら報道していたのです。
震災後、就任したすべての社長が「宮城県のテレビ局は東日本大震災が発生した地域のテレビ局であることはこの先ずっと変わらない。だからこそ、震災についていつまでも伝え続けることを第一に考えなくてはならない」と社員に伝えています。毎年3月には、特別番組を放送していますし、些細なことでも震災関連のニュースがあれば報道しています。

コロナ禍の影響を受けた地域のため立ち上がった みやぎプロモーション室

花里氏) 宮城県でもコロナ禍の影響を受けた中堅・中小企業が多くあります。特に影響を受けたのが宿泊施設を中心とした観光業や飲食業です仙台の繁華街である国分町の飲食店においては2020年末には約1000店が閉店や休業に陥ったという見方もあり、多くがコロナ禍で入れ替わってしまいました。
東日本放送も地域のテレビ局として何か新しい取り組みが出来ないかと模索した結果、2020年に立ち上がったのが「みやぎプロモーション室」です。「みやぎプロモーション室」は、地域の魅力を県内外に発信するだけでなく、地域との結びつきをもとに新たな事業を立ち上げていくことを目的に立ち上がりました。東日本放送の強みである地域での情報発信力や信頼性、視聴者・自治体・地域の企業との結びつきを活用し、地域のために様々な事業を興していくことが役割です。その役割には2つの側面があります。1つは、県外の有益な情報を県内の皆さんに紹介する事業、もうひとつが県内の魅力や情報を県内外に発信していく事業です。

例えば、松島町と組んで行った「松島 五大堂ライトアップ」事業があります。この事業はコロナ禍で打撃を受けていた宮城の観光名所である松島を盛り上げるため、観光庁の補助金事業を活用し実施しました。県内でもっとも人気のある観光スポットの一つである松島の瑞巌寺五大堂を美しく照らし、コロナ禍においても安心・安全に訪れることが出来る地域であることを伝えました。地域メディアという情報発信力をいかし、CMや報道番組でのイベント告知、SNSなどのデジタルを活用、普段イベントを行っているノウハウを活かし、イベント設計・運営から集客告知までを全て担当しました。コロナ禍の開催だったので予約制としましたが、感染対策をしっかり行いイベントを開催した結果、12日間で目標を上回る8,000人の県内外の皆さんにご来場いただきました。地域の観光資源と地域テレビ局の情報発信力、集客力の高いコンテンツ制作力というリソースを融合した事業となり好評をいただきました。
宮城県には観光資源や食文化、工芸品、街などの魅力がたくさんあると考えています。宮城はよく「面白い取り組みをしているのにアピール下手ですね」と言われることがあります。「みやぎプロモーション室」が関わることで、その課題を解決して行きたいと考えています。今後は地域の魅力を発掘し、単発ではなく継続的な事業を構築していきたいです。

県内の経営者向けに新たなソリューションを情報発信

花里氏) 6月28日に開催する「宮城県内の経営者のための経営の打ち手カンファレンス」は、みやぎプロモーション室の役割とまさに合致しているイベントと言えます。県内の企業の後継者不在率は60.7%とおよそ3社に2社が後継者不在と言われており、全国と同様多くの企業が事業承継の問題を抱えています。また、DXの推進や生産性の向上についても、どうしていいか分からないなどの課題を地元企業や仙台商工会議所から伺っています。
そんな中、東日本放送がテレビ局としてのリレーションと情報発信力を活用し、セールスフォース・ジャパンやアマゾンジャパン、日本M&Aセンターなど各分野のリーディングカンパニーとタッグを組んで県内企業の経営者の皆さんの成長のため情報を提供することは非常に意味のあることだと考えています。先程お伝えしたように、コロナ禍で影響を受け元気のない企業が多い中、こういった有益な情報を発信し県内企業を盛り上げていく取り組みを積極的に推進していきたいと考えています。
今回開催するイベントは新社屋のぐりりホールで行われますので、是非この機会に足を運んで頂きたいですね。

■【参加費無料】宮城県内の経営者のための経営の打ち手カンファレンス

主 催:株式会社東日本放送
協 賛:株式会社日本M&Aセンター、株式会社セールスフォース・ジャパン、アマゾンジャパン合同会社
日 程:2022年6月28日(火) 14:00~17:00
開催方法:会場参加及びライブ配信、アーカイブ視聴
会 場:khb 東日本放送 本社ぐりりホール
講演: 
「中小企業M&Aの最新情報と会社を伸ばすM&A活用法」 株式会社日本M&Aセンター
「地域事業者がいまからはじめる営業DX」  株式会社セールス・フォースジャパン
「生産性向上を実現するビジネスマーケットプレイス」  アマゾンジャパン合同会社

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