トリガー条項は絶望的? 補助金でお茶を濁す政府 これからのガソリン価格はどうなる?
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ガソリンが不足すれば価格が上昇し、私たちの生活に直接影響を与えかねない。日本政府では、さまざまな対策を模索しているがその中で問題となっているのがトリガー条項である。ここでは、ガソリン価格のカギを握るトリガー条項について解説していく。

トリガー条項に関係するガソリン税とは

国会で議論されているトリガー条項とは、ガソリン税に関係するものだ。まずガソリン税とはどのようなものかを見てみよう。

ガソリン税の仕組み

ガソリン税とは、ガソリンの消費に対してかかる税金のことだ。消費者がガソリンを消費する(購入する)際には、ガソリン税を含んだ代金を支払っている。一方でガソリンの販売業者・輸入業者は、ガソリン販売時に顧客から預かったガソリン税を国に納める仕組みとなっている。実はガソリン税は、一般的な呼称であり実際には「揮発油税」と「地方揮発油税」の2つを合わせたものだ。

・揮発油税:国に納める税金
・地方揮発油税:地方自治体に納める税金

ガソリンの販売業者・輸入業者は、揮発油税と地方揮発油税のどちらも国に納付する。その後、国から地方自治体に地方揮発油税が支払われる仕組みだ。

ガソリン税の税率

ガソリン税は、揮発油税と地方揮発油税ともに本則税率と特例税率の2つから成り立っている。本来は本則税率のみだったが道路整備の財源が不足したため、後に特例税率が追加された。なお現在のガソリン税は道路整備だけでなく、他の目的にも使える一般財源となっている。ガソリン税の税率は次のようになっている。

トリガー条項は絶望的? 補助金でお茶を濁す政府 これからのガソリン価格はどうなる?

ガソリン税のトリガー条項とは

本題のガソリン税のトリガー条項について見ていこう。トリガー条項のトリガー(trigger)とは、ピストルなどの引き金のことだ。あらかじめ定めた条件を満たすと、ピストルの引き金を引くように自動で条項が発動されるのでトリガー条項と呼ばれている。ガソリン税にもトリガー条項が定められている。特例税率についての条項だ。

ガソリン税のトリガー条項は「ガソリン価格が3ヵ月間連続で高騰した場合、特例税率分の徴収をストップする」というものである。では、ウクライナ情勢の影響でガソリン価格が高騰しているのになぜトリガー条項が発動しないのだろうか。実は2022年4月現在、ガソリン税のトリガー条項は凍結されている。凍結の理由は東日本大震災の復興財源を確保するためだ。

国会で議論となったのが「ガソリン税のトリガー条項の凍結を解除するかどうか」ということである。ガソリン税のトリガー条項が凍結解除されれば、ガソリン税が高騰しても特例税率分の徴収をストップ可能だ。つまりガソリン価格を抑えることができるのだ。そのため私たちの生活に与える影響は少なくなる。

しかしその分、国に納められる税金が減少するため、日本政府としてもトリガー条項の凍結解除に二の足を踏んでいる状況となっているのだ。

今後、ガソリン税はどうなる?

トリガー条項の凍結解除をめぐって自民党、公明党、国民民主党で行われた議論は、2022年3月に国民民主党の呼びかけで始まったものだ。自民党はトリガー条項の凍結解除に慎重であり、公明党は賛成と与党の中でも意見が分かれていたため、その動向が注目されていた。2022年4月19日時点で当面の見送りが決まっている。では、今後ガソリン価格は上がり続けるのだろうか。

今回の3党の会議では、落としどころとしてガソリンの元売り業者に対する補助金の上限を拡大することで合意した。またレギュラーガソリン1リットルあたりの標準価格も切り下げるようだ。そのため現時点でガソリン価格が急騰し続ける恐れはいったんなくなった。しかし今後のガソリン価格の動きには、引き続き注視が必要だ。

一方でガソリン税については、トリガー条項の凍結解除がないため、税率は変わらない。ただし引き続き3党でトリガー条項の凍結解除の議論を継続していく方針であり、こちらもこれからの動きに注目したい。

ガソリン税のトリガー条項の議論に今後も注目しよう

ガソリン税のトリガー条項とは、ガソリン価格が3ヵ月間連続で高騰したら特例税率分の徴収をストップするというもの。これによりガソリンの価格高騰を抑えることができる。しかし2022年4月現在、ガソリン税のトリガー条項は凍結されており、解除に向けた議論が継続中だ。

さまざまなものが値上げされ、生活を圧迫している中、ガソリン価格を負担に感じている個人や事業者も多いだろう。ガソリン価格は私たちの生活に直接影響を与える。ガソリン税のトリガー条項の議論の行方に期待したい。

文・はせがわあきこ

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