もう始まっている! 「メタコマース」は当たり前になる? アバターとお揃いの服を着る未来
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

近年「メタバース」という言葉を見聞きする機会が増えたのではないだろうか。「メタバース」とは、簡単にいえば「インターネット上の仮想空間」のこと。メタバースでどのようなビジネスが展開できるかが世界的に大きな関心を呼んでいる。そのひとつが「メタコマース」だ。本記事では、メタコマースに算入する日本企業やメタコマースの今後の可能性について解説していく。

仮想空間上で展開するEC「メタコマース」

「メタコマース」とは、メタバースとEコマースを合わせた言葉だ。つまりメタコマースは、仮想空間に作られたバーチャルショップである。従来のネットショッピングと異なるのは、仮想空間に作られた街やショッピングモール、百貨店などの中に3DCGで作られたショップがあり、利用者はアバターを操って商品を見たりショップの店員のアバターとやり取りをしたりできる点だ。

これまでのネットショッピングで難しかった接客や食べ物の質感などを伝えたりすることがメタコマースなら簡単になる。

メタコマースに企業も続々参入

多くの企業がメタバースにビジネスの可能性を感じている。メタバースで展開される商取引=メタコマースも同様だ。国内では、すでに「そらのうえショッピングモール」というメタバースの商業施設が開設されているほか、期間限定的に「バーチャルマーケット」というメタコマースのイベントも行われている。

これらのメタコマースには、すでに多くの企業が参加しており、メタコマースの可能性を探っている。ここでは、いくつかをピックアップして紹介しよう。

ローソン

2021年12月4日~19日まで開催されたVRイベント「バーチャルマーケット2021」には、ローソンが初めてバーチャル店舗をオープン。リアル店舗で販売している商品のバーチャル展示やその場で撮影した画像を使ってオリジナルパッケージのからあげクンを作る体験をできるようにした。

さらに3人の人気ブイチューバーが1日店長となって来店客のアバターとコミュニケーションを取ったり彼女たちの3Dアイテムを販売したりした。メタバースならではの経験を意識した店舗だ。

タカラトミー

2022年4月、メタバース上の商業施設「そらのうえショッピングモール」にタカラトミーが「トミカショップ」と「プラレールショップ」を出店。リアル店舗を4Kの高画質カメラで撮影しメタバース上にバーチャルショップを構築しているため、実際に店の中を訪れているような感覚を体験できる。

店内には、ジオラマや体験コーナーが設置され、トミカやプラレールがディスプレイされているのが特徴的だ。商品に加えトミカやプラレールにちなんだ文房具や雑貨などのグッズも充実。バーチャルショップから直接、オンラインショッピングができる。

伊勢丹

伊勢丹では、仮想の伊勢丹新宿店をスマートフォン向け仮想都市空間プラットフォーム「レヴワールズ」に出店。バーチャルの百貨店にはリアルの百貨店と同様に、ファッションやギフト、デパ地下などさまざまなバーチャルショップが入っている。仮想店舗とリアル店舗はつながっており、利用者のアバターがバーチャル百貨店を歩き、気に入った商品は、そのままオンラインショップで購入できる。

不定期ではあるが、リアル店舗にいるスタイリストがアバターを使いバーチャル店舗で接客を行うこともあるという。

仮想空間ならではの買い物体験ができる新たな売り場に

仮想空間でのバーチャルショップは、ネットショッピングの弱点である訪問者へのアピールや接客ができる点がメリットだ。さらに単にモノを購入するためだけに訪れるのではなく、ショッピングという経験に付加価値を与えられる可能性を秘めている。ローソンがバーチャルショップで試みたブイチューバーによる接客は、メタコマースならではの体験だろう。

コロナ禍以前から若年層の顧客の取り込みに苦戦している百貨店にとっては、かつて百貨店が持っていた「百貨店で買い物をするというハレの経験」を、新たなかたちで提供できるチャンスになるかもしれない。

また、利用者は自身のアバターを操作してメタバース内を自由に移動できる。メタコマースでは、単にリアル店舗と同じものが購入できるだけでなくアバター向けのアイテムも販売している。例えばアバターとその操作者である利用者が同じ服やアクセサリーを購入して身に着けることもできるのだ。

メタコマースは第3の売り場になる?

メタコマースには、今後メーカーや小売だけでなく多様な業種の企業が参入すると考えられる。リアル店舗・ネット店舗とは異なる第3の売り場として期待できるだろう。

文・はせがわあきこ

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