黒坂 岳央
黒坂 岳央(くろさか・たけお)
水菓子肥後庵代表。フルーツビジネスジャーナリスト。シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、東京で会社員を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ビジネス雑誌やニュースサイトでビジネス記事を書いている。著書に『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド"で人生は劇的に変わる!』など。

筆者がお世話になっている、年収1億円超の社長たちは本業をやりつつ、例外なく全員が教育ビジネスに携わっている。筆者自身もこれまで培ったビジネスノウハウや知識を書籍出版、ネット記事、講演活動など教育をするビジネスを手がけている。

稼ぐ社長は最終的に「教育」のビジネスに行き着く。これには次のような納得のいく事情によるものなのだ。

「教育」は非常に稼げるビジネス

教育ビジネス
(画像=Chinnapong / Shutterstock.com)

世の中に数多あるビジネスの中でも、稼げるもの・稼ぎにくいものがある。その中でも教育ビジネスは突出して稼ぎやすいビジネスの筆頭である。

とはいえ、教育ビジネスを展開し、先生と呼ばれるためには特定の分野で経験や知識、実績や権威が必要だ。これを読んでいるあなたには、すでに何らかの分野で実績や経験をお持ちのことだろう。そうであるなら、すぐにでも教育ビジネスを手がけるべきである。

教育ビジネスは次の点で優れている。

 1. 在庫が不要
 2. ネットなら初期投資が小さい
 3. リピート率が高い
 4. 収益性が高い

ビジネスニュースに明るい方であればもうお気づきだろうか?これはまさに、ホリエモンこと堀江貴文さんの提唱する「稼げるビジネスの4つの原則」を満たしているのだ。筆者はこの4つの利点に加えて、

 5. 差別化しやすい
 6. ビジネスの寿命が長い
 7. 自動化しやすい

という3つの利点を付け加えたいと思う。それでは次にそれぞれの利点を取り上げて、ネットを活用したeラーニングとしての教育ビジネスを展開することを前提に解説をする。

1、在庫が不要

在庫の有無はビジネスの稼ぎやすさに直結する。在庫を持つと、品質管理や在庫管理、スペースの確保や経年劣化などの対策に追われる。筆者は高級フルーツビジネスを手がけており、商品仕入れは注文があった分のみ行うように工夫をしており、なんとしても在庫を持たないように苦心している。

その点、教育ビジネスは在庫の概念がない。自分で教材を作り上げたら、それを配布して使ってもらう。筆者は英語教育のデジタルコンテンツを提供しているが、教材はPDF、パスワード付きの会員専用サイト、動画、音声などで配布しており、何人生徒の利用があってもコストはまったく変わらない。

2、ネットなら初期投資が小さい

ビジネスにおいて、初期費用は大きい問題だ。地方で小さなカフェを開きたいと思っても、1,000万円を下回ることは難しい。最初の頃はお客が思うように来ないだろうし、流行っても人気がなくなれば終わりである。

だが、教育ビジネスはコストが極めて小さい。筆者は書籍出版やネットメディア執筆に際して手出しの費用はゼロ、必要なのはパソコンの電気代くらいである。講演も資料を用意するだけで良い。eラーニングもサーバー代やメルマガスタンドくらいのもので、月額3,000円程度しかかからない。

3、リピート率が高い

そして教育ビジネスはリピート率が高いのだ。良い講演をすれば、また次の講演依頼がやってくる。自分で講演をする場合も、参加者から「こういうテーマでやってほしい」と連絡を受けて、開催してみると同じような顔ぶれでまた参加してくれる。

リピート率が高いビジネスは経営が安定化しやすい。ファンを作り、同じ顧客がリピート購入してくれれば売上は底上げされて経営は安定する。時間をかけて作ったファン顧客は一日でいなくなったりはしないことからも、リピート率が高いビジネスは有利なのだ。

4、収益性が高い

小資本で始められるビジネスと重なる点はあるが、収益率が高いのも教育ビジネスのメリットだ。特にeラーニングで提供すれば、月額費用の数千円以外に必要な資金はない。強いて言うなら自分自身の持ち時間と労力だが、それが必要なのは他のビジネスでも共通しているので教育ビジネスのデメリットとは言えない。

利益率90%以上の魅力あるビジネスが、教育ビジネスなのである。

5、差別化しやすい

差別化しやすいのも、教育ビジネスの魅力である。あなたはいつもAコンビニで買っているコーヒーがなかったら、わざわざ他のAコンビニを探すだろうか?いや、すぐ近くのBコンビニで同じような商品を買うだろう。そう、差別化がされないというのは、簡単に他社へスイッチされてしまうリスクをはらんでいるのである。

だが、教育ビジネスの場合は「何を教わるか?」以上に、「誰から教わるか?」の方が遥かに大きい。先生の教え方がうまい、人柄が信用できる、こうした点に惹かれて生徒は他の先生へスイッチしない。簡単に差別化されないので、ITサービスやコモディティのビジネスで起こりやすい、「Winner takes all(強者総取り)」が起きづらいのだ。

6、ビジネスの寿命が長い

変化の早い業界は稼ぎやすいが、すぐにすたれる。結果、ビジネスの寿命が短いが故にビジネスチャンスに応じて、次々と渡り歩く肉食的な気質の持ち主である必要がある。

だが、教育ビジネスの場合は商品を自分で好きに決められるので寿命が長い。たとえば投資全般を学ぶ講座であれば、教材の内容も頻繁にアップデートする必要があるだろう。新商品や廃れてしまう投資案件など変化が早いからだ。だが、「東京の不動産講座」に限定すれば変化の大きさをある程度のゆらぎに抑えることは可能だ。ビジネスの寿命をコントロールできるのは、教育ビジネスのメリットである。

7、自動化しやすい

そして最後はこちらである。eラーニングは自動化できる。筆者の場合は、ブログで集客をし、セールスや教育まですべてを自動化している。仕組みを作り上げるまでは大変だが、作り上げてしまったら後は全自動で時間を取られることはない。

教育ビジネスとは、自分がこれまでやってきたことを教えるサービスである。うまくやれば、本業の宣伝になるだけではなく、経営の収益の新たなる柱にもなる。ぜひ挑戦してみてもらいたい。

文・黒坂岳央(水菓子 肥後庵 代表・フルーツビジネスジャーナリスト)