2021年の3Dプリンタ材料の世界市場規模は前年比19.3%増の3,111億5,300万円
~2026年には1兆円市場が視野に入る見通し~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、3Dプリンタ材料の世界市場を調査し、方式別動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
3Dプリンタ材料世界市場規模推移・予測
1.市場概況
2021年の3Dプリンタ材料の世界市場規模(エンドユーザー購入金額ベース)は3,111億5,300万円(前年比119.3%)と推計する。
方式別にみると、試作品向け中心のMJT(材料噴射)法が新型コロナウイルス感染拡大の影響を最も受けたとみられ、市場は伸び悩んだ。VPP(液槽光重合)法も試作品向けが低調であったが、医療分野が需要を下支えした。MEX(材料押出)法は産業向けが回復基調に転じたほか、コンシューマーおよび医療向けの需要が堅調に推移した。PBF(粉末床溶融結合)法では金属粉末が最大の需要先である航空産業の不調を背景に伸び悩む一方、樹脂粉末は治工具や実部品向けの需要が拡大した。
2.注目トピック
MEX(材料押出)法向け3Dプリンタ材料市場の動向
コンシューマー向けでは、3Dプリンタの価格低下によってユーザーの裾野が広がっている。2020年は初頭からの新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、マスクやフェイスシールド向けの特需が生じた。加えて、巣ごもり生活が続くなかDIYやホビー向けなどの需要も急増しており、こうした状況は2021年前半まで続いた。
産業向けでは3Dプリンタの性能向上とともに、PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)やPEI(ポリエーテルイミド)のようなスーパーエンプラやGF・CF強化グレードなど物性が高く、実部品向けとしての利用も可能なフィラメントが製品化されてきた。コロナ禍においては製造現場の稼働率低下の影響を受けていたが、2021年後半からフィラメントの需要は回復に転じている。
3.将来展望
3Dプリンタは、今後も装置の高速化とともに、機械的特性や耐熱性を高めた材料開発などが進み、試作品や治工具、少量~中量生産用途としての導入が進むものと考えられる。
そのため、3Dプリンタ材料世界市場における2021年から2026年までの年平均成長率(CAGR)は24.0%となり、2026年に9,125億3,200万円の市場を形成するものと予測する。
また、モバイルアプリはキャッシュレス決済に加え、ショッピングや飲食(事前)注文、タクシー配車、ゲームなど様々な機能を持つミニアプリを搭載したスーパーアプリ化を進めており、アプリ利用者が使用機会を増やすことで、コード決済金額の更なる拡大につながるものと考える。
3.将来展望
今後、コロナ禍で抑制された消費活動の活発化や国が推進するキャッシュレス比率の上昇などを背景として、クレジットカードの利用が増加するとともに、コード決済をはじめとする様々なプリペイド決済も更なる拡大を遂げる見通しである。2025年度のキャッシュレス決済市場は約153兆円まで拡大すると予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2022年1月~3月 2.調査対象: 3Dプリンタ関連企業(装置メーカー、材料メーカー)等 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用 |
<3Dプリンタ材料市場とは> 3Dプリンタでは、それぞれの方式別に様々な材料が開発・実用化されており、主な材料としては樹脂や熱可塑性エラストマー(TPE:Thermoplastic Elastomers)、金属、セラミックス、ワックス、石膏などが挙げられる。また、副材料として結合剤噴射(Binder jetting:BJ)法で用いるバインダーをはじめ強化材、導電材、着色剤などの各種添加剤が用いられる。 本調査における3Dプリンタ材料市場とは、材料押出(Material extrusion:MEX)法、粉末床溶融結合(Powder bed fusion:PBF)法、液槽光重合(Vat photopolymerization:VPP)法、材料噴射(Material jetting:MJT)法の4つの方式で使用される樹脂、TPE、金属を対象として、市場規模を算出している。但し、材料噴射法では光硬化樹脂のみとする。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)、金属 |
出典資料について
資料名 | 2022年版 3Dプリンタ材料市場の現状と将来展望 |
発刊日 | 2022年03月30日 |
体裁 | A4 155ページ |
価格(税込) | 198,000円 (本体価格 180,000円) |
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