知っているようで知らない”定款”とは?起業するなら知っておくべき作り方
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補助金の申請時や口座開設時など、定款の提出はさまざまなビジネスシーンで求められる。また、会社設立の際にも必須の書類となるため、経営者は正しい知識を身につけておく必要がある。本記事では定款の概要に加えて、作成の流れやポイントを解説していく。

目次

  1. 定款とは?どんな場面で必要になる?
  2. 定款作成から会社設立までの流れ
  3. 定款のフォーマットと記載例
    1. 1.絶対的記載事項の書き方
    2. 2.相対的記載事項の書き方
    3. 3.任意的記載事項の書き方
  4. 定款をスムーズに作成する3つの方法
    1. 1.テンプレート(ひな形)を活用する
    2. 2.自動作成システムを活用する
    3. 3.専門家に相談する
  5. 電子定款とは?委任状ってなに?定款に関するQ&A
    1. Q1.電子定款とは?どんなメリットがある?
    2. Q2.委任状ってなに?いつ使うもの?
    3. Q3.定款の原本証明はどうやって用意する?
  6. 定款は会社経営に欠かせない書類
  7. 事業承継・M&Aをご検討中の経営者さまへ

定款とは?どんな場面で必要になる?

定款(ていかん)とは、会社の重要な規約をまとめた書類のことである。その重要性から「会社の憲法」とも呼ばれており、外部からでも読み取れるものが必要になるため、基本的な書き方が会社法において定められている。

定款が必要になる場面としては、主に以下のタイミングが挙げられる。

・新しい会社を設立するとき
・公的な補助金や助成金を申請するとき
・各種許認可を申請するとき
・法人口座を開設するとき

つまり、定款は事業を始める前の段階で必要になるため、経営者は作成方法をしっかりと理解しておかなくてはならない。

定款作成から会社設立までの流れ

定款の作成方法の前に、まずは会社設立の大まかな流れをおさらいしておこう。

定款はいつ必要になる? 作成の流れや記載例など気になるポイントをまとめて解説

会社設立は定款が必要になる最初のタイミングであり、公的な機関から細かいチェックを受けることになる。このときに不備があると、予定していた開業日に間に合わなくなる恐れがあるため、定款はスケジュールに余裕をもって作成することが重要だ。

定款のフォーマットと記載例

定款の作成時に必要になる記載事項は、大きく以下の3つに分けられている。

・絶対的記載事項
・相対的記載事項
・任意的記載事項

各事項にどのような内容を記載するのか、ここからは記載例も交えて定款のフォーマットを解説しよう。

1.絶対的記載事項の書き方

絶対的記載事項とは、会社を運営するうえで必要不可欠な情報のことであり、主な記載項目としては以下の5つが挙げられる。

定款はいつ必要になる? 作成の流れや記載例など気になるポイントをまとめて解説

上記のうち、ひとつでも記載されていない場合はその定款自体が無効となってしまう。誤字や脱字なども許されないため、一文字ずつ確認しながら作業を進めることが必要だ。

2.相対的記載事項の書き方

相対的記載事項とは、法的には記載の義務がないものの、記載しない限り効力が発生しない情報のことである。絶対的記載事項を補足するための項目であり、主に以下のような内容が記載される。

定款はいつ必要になる? 作成の流れや記載例など気になるポイントをまとめて解説

なお、会社の資産に大きな影響を及ぼすものは「変態設立事項」と呼ばれており、具体的なものとしては設立費用や発起人の報酬などが挙げられる。

3.任意的記載事項の書き方

最後に紹介する任意的記載事項にも、法的な記載義務はない。また、法的な効力をもたせる必要もないが、すでに決まっている内容については明記しておくことが望ましい。

では、具体的にどのような内容を記載するのか、以下で一例を紹介しよう。

定款はいつ必要になる? 作成の流れや記載例など気になるポイントをまとめて解説

上記のほかにも、一般的な会社設立では「株主総会の招集時期」や「配当金に関する事項」などの項目が記載されている。

定款をスムーズに作成する3つの方法

定款の作成には手間がかかるものの、工夫をすれば作業時間を大幅に短縮できる。ここからはスムーズに作成する3つの方法をまとめたので、手間を省きたい場合はぜひ参考にしてほしい。

1.テンプレート(ひな形)を活用する

インターネット上で公開されているテンプレートを活用すれば、必要な情報を記載または入力するだけで定款を作成できる。必須項目の記載漏れも防げるので、印刷できる環境がある場合はテンプレートを積極的に活用したい。

ただし、テンプレートには「株式会社向け」や「合同会社向け」など、複数のタイプが存在する。また、テンプレートによって用意されている項目や文面が異なるため、設立する会社の種類や状況に合わせて使用するものを選ぼう。

2.自動作成システムを活用する

自動作成システムとは、必要な情報を入力するだけで独自の定款を自動作成してくれるサービスのこと。基本的な項目は網羅されているため、相対的記載事項や任意的記載事項が多い場合であっても問題なく活用できる。

ただし、定款の自動作成システムは有料であることが多く、サービスによっては他商品(会計ソフトなど)とセットになっている。そのため、各サービスのサポート内容や料金を細かく比較した上で、目的にぴったりなものを選ぶことが重要だ。

3.専門家に相談する

定款の作成にあたって不安を感じている場合は、専門家への相談もひとつの手になる。具体的な相談先としては、中小企業診断士や弁護士、行政書士、司法書士などがあり、相談先によっては作成を代行してもらうことも可能だ。

特に資本金額や発起人、株式に関する取り決めなどが多い場合は、さまざまな専門知識が求められる。専門家でないと作成が難しいケースも多々あるため、不安や悩みが生じたら無理をせずに相談することを検討しよう。

電子定款とは?委任状ってなに?定款に関するQ&A

最後に、ここまで解説しきれなかった定款の基礎知識をQ&A形式で紹介する。定款の作成に役立つ情報もあるので、ぜひ最後までチェックしてほしい。

Q1.電子定款とは?どんなメリットがある?

電子定款とは、従来の書面による定款をデータ化(PDF化)したものである。かつては書面の定款しか認められていなかったが、現在では電子定款でも会社設立の手続きを済ませることができる。

電子定款には「印刷コストがかからない」「印紙代が不要」などのメリットがあるものの、一度提出をすると修正に手間がかかる。また、再申請をする場合は費用が発生することもあるので(※株式会社の場合は約5万円)、提出前には徹底的な見直しが必要となる。

Q2.委任状ってなに?いつ使うもの?

会社設立の手続きは原則として発起人が行うものだが、何らかの事情で代理人を立てる場合は、その旨を記載した「委任状」を事前に作成しておく。記載内容は使用するシーンによって若干異なるが、例えば定款の認証(書面)では主に以下の情報を記載する。

・代理人の住所と氏名
・発起人の住所と氏名
・代理人に委任する権限の範囲

ちなみに、弁護士などの専門家に手続きを代行してもらう場合も、委任状の提出が必要になる。

Q3.定款の原本証明はどうやって用意する?

金融機関での口座開設時や、補助金・助成金を申請する際などには、定款の原本証明が求められる。原本証明はもとの定款をコピーするだけで用意できるが、余白に次の文面を記載する必要があるため注意しておきたい。

定款はいつ必要になる? 作成の流れや記載例など気になるポイントをまとめて解説

ちなみに、公的機関や金融機関などから原本証明を求められる場合は、ほとんどのケースで「現行定款(※最新の定款)」のコピーが必要になる。

定款は会社経営に欠かせない書類

会社経営において定款は欠かせないものであり、設立時をはじめ多くのシーンで提出が求められる。また、経営の軸となる書類であるため、本記事で紹介した内容はしっかりと覚えておくことが重要だ。

ただし、作成にあたっては専門知識が必要になることもあるので、不安を感じたら無理をせずに専門家への相談を検討しよう。

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文・片山雄平(フリーライター・株式会社YOSCA編集者)

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