日本M&Aセンターが行うM&A大学。 その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーに気になる情報をインタビュー。
今回は福岡ひびき信用金庫 ソリューション営業部 事業承継グループ 主任 小林 祐介さんにインタビューした。
M&A大学に参加してから
ご出向期間はいつでしたか?
当初2020年4月からを予定しておりましたが、コロナの影響で6月からのスタートへ変更になり、そこから半年間です。
M&A大学に参加されて、率直なご感想をお聞かせください。
過去参加していた先輩から共有いただいた資料で、事前にM&Aの知識をつけ参加しましたが、いざはじまるとより広く深い専門知識を身に着けることができたと思います。正直、全てを理解することは大変で、苦労した部分もありますが、半年間の経験が自分にとっての強みとなりました。
ご出向中に印象に残ったことがあれば教えてください。
出向中一番大変だったことは、自金庫の案件の契約書の作成です。契約書の作成は大変重要な業務で、日本M&Aセンター内には会計士や税理士、弁護士が在籍しており、みなさんとコミュニケーションを取りながら、想定されるリスク等も学びながら作成を進めていきます。こういった経験は庫内では経験できないので、大変勉強になりました。
また、お客様を理解していく過程で、ヒアリングや財務情報から財務・税務・労務面をしっかりと分析していくことの重要性を改めて実感しました。
素晴らしい経験ですね。小林さんは実際にM&Aの案件の成約にも携わられていましたよね。
はい。出向期間中に当金庫として成約した案件は2件ございました。前任から進行していた1件、もう1件は自金庫だけではお引き合わせが難しかった案件でしたが、日本M&Aセンターには全国に営業マンがいる為、全国を飛び回って譲渡企業様の希望に合うお相手を探していただいた結果、成約となりました。
ご出向期間中は新しい体験があったと思います。
そうですね。私は福岡県で生まれ育ち、今まで福岡しか知らない人生でしたが、出向中はコロナ禍で通常時より回数は減っていたものの、全国へ出張で訪れることによって、様々な町や夫々の地域性を知ることができたことは大変良かったと思います。
全国に他の信用金庫からの出向者も数名いらっしゃったので、信金同士の交流を図れたことも良かったですね。
ご出向から戻られて、今も全国の金融機関さんとの交流などはありますか?
あります。同じ福岡支店へ出向していた他の金融機関さんからのメンバーとも交流はありますし、他の地域の出向者に業務の相談や、プライベートな連絡を取り合い、たまに電話で情報交換をすることもあります。こういった横の繋がりができたことは、自分にとって大変良かったと思います。
M&A大学を卒業し、金庫へ戻られてからの業務について教えてください。
現在はソリューション営業部に所属しており、業務内容は、支店と本部が情報を連携しながら一緒にお客様へアプローチを行っています。入口は事業承継のお話ですが、その中でM&Aの選択肢についてもご案内させていただいております。また私が出向していたことを知っている職員も多いので、支店の同世代や後輩から気軽に相談できる窓口として接してもらっているように感じます。決して特別な業務ではありませんので、皆さんと一緒に色々考えていきたいですし、小さな情報でも相談してもらえるようになりたいですね。
現在の事業承継グループの構成は?
4名です。グループ長と他3名ですが、全員がM&A担当です。
ご出向から戻られて、出向中の経験を生かしていることはありますか?
出向期間中、勉強会も実施していただいたので、そこで得た知識を日々の業務に生かしております。また日本M&Aセンターの社員の皆さんは、全国どこであろうとすぐに駆け付けますよね。何か問題が起こった際も、スピード感を持って解決する姿を出向期間中目の当たりにしていましたので、私も同じようにお客様へ対応したいと心掛けています。
今後、福岡ひびき信用金庫が事業承継・M&Aでやっていきたいことなどはありますか?
そうですね、未だM&Aについてネガティブなイメージをお持ちの方がいらっしゃると思います。そういった方にM&Aについてもっと知っていただきたいです。セミナーはもちろんお客様への情報発信という意味では活用していきたいですが、私は支店の担当者と一緒にお客様と面談をして、直接お話させていただく機会を増やしていくことが一番だと思っています。コツコツとではありますが、地道にお客様との会話の中で潜在的なM&Aのニーズを引き出していきたいです。
素晴らしいですね。小林さんのお人柄を感じるお話です。
M&Aは金融機関だけではなく今や色々なところが提供していますが、地元で長く一生懸命頑張ってこられたお客様、金庫歴代の担当が大変お世話になっているお客様に後継者不足の問題があった場合に、我々信用金庫がお客様に近い存在として一緒に課題を解決していくべきだと思います。その為に我々はM&Aをより理解して、正しい情報をお客様へ伝えていく役目があると思いますし、私は継続して意識していきたいと考えております。