日本にはたくさんの美術館があり、毎日どこかで展覧会が開催されている。近代美術だけでなく、より概念的な表現を追求する現代アートの展覧会には連日列をなすほど人気の高いものもある。そこで今回は日本全国の現代アートを展示する美術館20選をピックアップしてご紹介。作品だけでなく、美術館の建物自体の設計や土地との融和が美しいものもあるのでぜひそちらもチェックして欲しい。
目次
【東北】
・十和田市現代美術館
画像引用:https://artscape.jp/
青森県十和田市にあり、主にインスタレーションや屋外に設置されている彫刻作品を展示している十和田市現代美術館。常設展示には名和晃平の《PixCell-Deer#52》や塩田千春の《水の記憶》、さらに2021年12月からは新たにレアンドロ・エルリッヒの《建物―ブエノスアイレス》が仲間入りした。屋外には奈良美智の《夜露死苦ガール2012》や草間彌生の《愛はとこしえ十和田でうたう》が展示されている。お馴染みの有名作家が制作するスケールの大きな作品を見ることができ、とても見応えのある美術館だ。
十和田市現代美術館 Towada Art Center
青森県十和田市西二番町10-9
https://towadaartcenter.com/
【中部】
・軽井沢現代美術館
画像引用:https://iko-yo.net/
軽井沢現代美術館は2008年に開館した比較的新しい美術館。軽井沢の緑あふれる土地に設立されたモダンな建物では、ゆったりと大人な時間を楽しむことができる。コレクション作品は草間彌生、ロッカクアヤコ、村上隆など主に日本の現代アーティストの作品を取り扱っており、現代における日本のアートの中枢とも言える作品たちを一気に鑑賞することができる。
軽井沢現代美術館
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉2052-2
http://moca-karuizawa.jp/
・セゾン現代美術館
長野県北佐久郡にあるセゾン現代美術館は西武グループの創始者である堤康次郎が収集した作品と、セゾングループによる現代アートのコレクションを展示する目的で新築移転した美術館。さらに、かつて東京都池袋の西武百貨店内にあったセゾン美術館の閉館に伴いそこの収蔵品も保管・展示している。コレクションにはマーク・ポロック、ジャスパー・ジョーンズ、マーク・ロスコなどの作品がある。
セゾン現代美術館
長野県北佐久郡軽井沢町長倉芹ケ沢2140
https://smma.or.jp/
・中村キース・ヘリング美術館
画像引用:https://www.nakamura-haring.com/
山梨県北杜市にあるその名の通りアメリカで生まれ、ニューヨークで活躍したストリートアーティストであるキース・ヘリングの作品をコレクションする美術館。大小様々な絵画や彫刻作品から、キース・ヘリングの作品の魅力を最大限に引き出す展示構成で、31年というキース・ヘリングの短い生涯において作品に表現された全てを存分に感じ、考えることができる。キース・ヘリング好きはもちろん、ストリートアートや現代アートが好きな方にもおすすめだ。
中村キース・ヘリング美術館
山梨県北杜市小淵沢町10249-7
https://www.nakamura-haring.com/
・金沢21世紀美術館
金沢21世紀美術館は2004年に開館した現代アートを中心に展示する美術館。企画展はもちろんのこと、国内外の作家による個性豊かなコレクション展示も豊富。野外展示のレアンドロ・エルリッヒの《スイミング・プール》や、オラファー・エリアソンの《カラー・アクティヴィティ・ハウス》などフォトジェニックな作品も多く、体感型の展示は特に人気の理由となっている。
金沢21世紀美術館
石川県金沢市広坂1-2-1
https://www.kanazawa21.jp/
・KAMU kanazawa
画像引用:https://www.fashionsnap.com/
石川県金沢に新たに誕生した私設の現代アート美術館。本館である「KAMU Center」や「KAMU Black Black」「KAMU tatami」など複数のアートスペースでそれぞれの特色を生かしたアート作品が展示されている。特に「KAMU Center1F」では、レアンドロ・エルリッヒの《INFINITE STAIRCASE》が展示されており、SNSなどで話題のアートスポットとなっている。
KAMU kanazawa
石川県金沢市広坂1-1-52
https://www.ka-mu.com/
・豊田市美術館
画像引用:https://www.yamagiwa.co.jp/
愛知県豊田市にある豊田市美術館には近代美術のほか、現代美術のコレクションも豊富に取り揃えている。とりわけ、イタリアのアルテ・ポーヴェラのコレクションは国内随一と評価され、国内のコンセプチュアル・アートやもの派の作品など幅広くコレクションされている。天井の高い館内や、大きな池など建物自体も楽しめる設計となっている。
豊田市美術館
愛知県豊田市小坂本町8丁目5番地1
https://www.museum.toyota.aichi.jp/
【関東】
・原美術館ARC
画像引用:https://www.haramuseum.or.jp/
群馬県渋川市にある原美術館ARCは2021年1月に閉館した東京都品川の「原美術館」とその別館として設立された「ハラ ミュージアム アーク」を統合しリニューアルオープンされた美術館。自然豊かで広大な敷地にはアンディ ウォーホルやジャン=ミシェル オトニエルの作品が野外展示され、館内には草間彌生、奈良美智、宮島達夫のインスタレーション作品や東洋古美術コレクションが常時展示されている。
原美術館 ARC
群馬県渋川市金井 2855-1
https://www.haramuseum.or.jp/jp/arc/
・森美術館
画像引用:https://www.mori.art.museum/jp/
東京都六本木にある森美術館は、言わずと知れた日本を代表する現代アート美術館のひとつ。美術館は森ビルの53階にあり、エレベーターを降りた52階には森アーツセンターギャラリーや東京シティービュー(屋内展望台)、スカイデッキ(屋上展望台)もあるので、1日中アートや景色を楽しむことができる。
森美術館
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
https://www.mori.art.museum/jp/
・国立新美術館
画像引用:https://www.travel.co.jp/
波打ったようなガラス壁のデザインが特徴的な、2007年に開館した東京都の千代田線乃木坂駅直結の国立新美術館。国立美術館には珍しくコレクションを持たない美術館で、企画展示だけでなく公募展を通して美術の普及と未来の作家育成に力を入れている。企画展ではアニメやファッションをフィーチャーした展示もたびたび展示しており、幅広くカルチャーの普及に貢献している。
国立新美術館
東京都港区六本木7-22-2
https://www.nact.jp/
・東京都現代美術館
画像引用:https://www.mot-art-museum.jp/
東京都現代美術館は、東京都三好にある現代美術専門の公立美術館。2019年にリニューアルオープンし、ガラスでできた壁面や新設された中庭やカフェなどモダンで開放的な空間が気持ちの良い唯一無二の美術館へと進化した。毎度の企画展もさることながら、ぜひ訪れて欲しいのは「MOTコレクション」と呼ばれるコレクション展示。戦後美術から現代アートまで約3,000点に及ぶ美術作品はいつ訪れても新しい発見があり楽しむことができる。
東京都現代美術館
東京都江東区三好4丁目1-1
https://www.mot-art-museum.jp/
・ワタリウム美術館
画像引用:https://commons.wikimedia.org/
東京都神宮前のキラー通りにあるワタリウム美術館は、都会の喧騒の中に突如として佇むスイスの著名な建築家マリオ・ボッタの建築が目を引く私設美術館。地上5階から地下1階まで一つのエレベーターでつなぎ、1階と地下1階にはアートショップがあり、高感度な商品が並ぶことでも人気だ。美術作品だけでなく、音楽家や映画監督を起用した企画展など幅広く現代アートについて鑑賞することのできるのも魅力。
ワタリウム美術館
東京都渋谷区神宮前3-7-6
http://www.watarium.co.jp/
・市原湖畔美術館
市原湖畔美術館は自然豊かな土地と湖を望むことができ、都内からそう遠くない距離にありながら地方へ小旅行しているかのような気分を味わえる美術館。館内では彫刻作品やインスタレーション作品などが展示されるほか、コレクション展示では版画などの平面作品も展示されている。子供向けのワークショップや、土地の自然を生かしたプログラムなどイベントも充実しているので是非チェック。
市原湖畔美術館
千葉県市原市不入 75-1
https://lsm-ichihara.jp/
・DIC川村記念美術館
画像引用:http://www.city.sakura.lg.jp/
千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館はDIC株式会社と関連企業による主に20世紀美術を中心としたコレクション作品を展示する美術館。収蔵作品の年代は幅広いが、近代美術からマルセル・デュシャン、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタインなど現代アートにおける重要な作家の作品もある。コレクション展示は年に数回展示替えをしており、ほか企画展とともに鑑賞することでより理解が深まる構造となっている。
DIC川村記念美術館
千葉県佐倉市坂戸631
https://kawamura-museum.dic.co.jp/
・彫刻の森美術館
神奈川県箱根にある彫刻の森美術館は、箱根の温泉地のほど近くにあることから観光地としても知られている。雄大な自然の中に彫刻作品が野外展示されており、まるで自然の中を探索をするように作品に出会うことができる。さらに世界有数のコレクションを展示しているピカソ館や展示室、天然温泉の足湯などもあり、ひとつのアミューズメントパークのようにアートを楽しめる。
彫刻の森美術館
神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121
https://www.hakone-oam.or.jp/
【関西】
・京都市京セラ美術館
画像引用:https://www.facebook.com/
京都市京セラ美術館(旧京都市美術館)は2020年にリニューアルオープンした公立美術館。現代アートに対応した新館「東山キューブ」や新新作家のためのスペース「ザ・トライアングル」を新設し、現代アート普及に向けてさらなる進化を遂げた。コロナ禍でのリニューアルオープンだったこともあり、オンラインコンテンツも充実している。2022年9月17日 (土)~2023年2月12日(日)の会期で、新型コロナウイルス拡大防止のため開幕を延長していた「アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO」が開催されることが決定した。
京都市京セラ美術館
京都市左京区岡崎円勝寺町124
https://kyotocity-kyocera.museum/
・横尾忠則現代美術館
画像引用:https://ytmoca.jp/
日本生まれで世界的に活躍する画家・グラフィックデザイナーである横尾忠則の作品を所蔵し、展示する美術館。横尾の出身地でもある兵庫県に設立されている。横尾のファンキーとシュールが同居したようなユニークな雰囲気を持つ作品が展示されており、横尾が幼少期から持つ死生観や精神性についてより深く考えるきっかけになり得る施設だ。
横尾忠則現代美術館
兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
https://ytmoca.jp/
【四国九州】
・ベネッセハウス ミュージアム
画像引用:https://rubese.net/
ベネッセミュージアムは香川県のアートの島と呼ばれる直島にある「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルが一体となった施設。安藤忠雄が設計した建物には絵画、彫刻、写真、インスタレーションなど多彩な作品が展示されている。高台からは瀬戸内海を望むこともでき、景色と共にアートな空間を楽しむことができる。
ベネッセハウス ミュージアム
香川県香川郡直島町 琴弾地
https://benesse-artsite.jp/art/benessehouse-museum.html
・地中美術館
画像引用:https://www.mecenat.or.jp/
こちらも香川県直島に「自然と人間を考える場所」として設立された地中美術館。安藤忠雄が設計した建物には大型アートスペースが設置され、空間を贅沢に使用した現代アートのインスタレーション作品を体感することができる。クロード・モネが晩年に手がけた「睡蓮」シリーズを展示するために選定された空間にて自然光のみで鑑賞することができるというスペースもある。
地中美術館
香川県香川郡直島町3449-1
https://benesse-artsite.jp/art/chichu.html
・霧島アートの森
画像引用:https://open-air-museum.org/
霧島アートの森は鹿児島県姶良郡の自然豊かな土地に設立され、その広大な土地を生かし屋内外に作品を展示してる美術館。コレクションは立体作品が多く、草間彌生など日本の著名な作家から海外アーティストの作品まで幅広く展示されている。コレクション展示はもとより、企画展も個性的なものが多く、楽しみながらアートを学べる美術館となっている。
霧島アートの森
鹿児島県姶良郡湧水町木場6340番地220
https://open-air-museum.org/
ANDARTでは、オークション速報やアートニュースをメルマガでも配信中。無料で最新のアートニュースをキャッチアップできます。この機会にどうぞご登録下さい。
文章:ANDART編集部