利益を上げる,断舎離,人間関係
(写真=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)
黒坂 岳央
黒坂 岳央(くろさか・たけお)
水菓子肥後庵代表。フルーツビジネスジャーナリスト。シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、東京で会社員を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ビジネス雑誌やニュースサイトでビジネス記事を書いている。著書に『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド"で人生は劇的に変わる!』など。

社長が稼いでいくにあたり「やらないこと」を選択することが必要だ。経営資源である、ヒト・モノ・カネ・情報・そして何より重要な「時間」を節約するためだ。ムダな時間を生み出さないためにも、真っ先に手を付けるべき断舎離ポイントは「ムダな人間関係」かもしれない。

ムダな人間関係が最も多くのムダを生み出す

世の中はやらなくていいムダで溢れている。

ムダな情報収集
ムダな勉強会
ムダな会議

これらはすべて、論理的に必要・不要を判断しやすい。判断基準は常に「リターン>投資」である。時間や費用を回収できなければ、直ちに止めればよいだけである。

だが、投資対効果が見えづらいのは人間関係だ。さらに、人間関係は大義名分をつけやすい。

「この先、自分の力になってくれそうだから」
「頼れそうな気がする」

そうしたあやふやな理由で、名刺交換、SNSでのやり取り、交流会参加をしてしまいがちだ。だが、合理的な視点から言えば、人間関係ほど難しい投資対象はない。

そう、ムダな人間関係を多く抱えることが、もっとも多くの経営資源のムダを生み出してしまうのだ。

人間関係は損切りしづらい

人間関係は損切りしづらいのが、成功する人間関係の構築を難しいものにしている。

事業投資や、資産運用投資はシンプルである。要するに金の切れ目が縁の切れ目だ。利益を生まない事業はアッサリカットすればいいし、リターンを産まない株式などの資産は損切りすれば良い。判断基準は「プラスか?マイナスか?」であるから、極めてシンプルだ。

だが、人間関係はたとえ損得勘定で見ても、損切りが難しい。筆者は一方的なハードセールスをしてくる人に嫌気がさし、距離を置こうとした時に「人でなし。冷たい」など逆ギレをされた経験がある。まさしくそのセリフを筆者が言いたいくらいだったが、面倒な人や依存心の強い人ほど、切り時も面倒に騒ぐものだ。

ビジネスライクに考える人同士であれば簡単だ。「お互いメリットがないのでやめにしましょう」コレで終わりだ。筆者もそうしたあっさりした別れを何度も経験したが、後腐れなくスッキリ終われる相手は意外と少ない。

人間関係は一度作ると、損切りしづらい。それ故に断りづらくて、迷惑を受けつつもズルズル相手に引きずられてしまうことになるのだ。

人間関係はスモールスタートがオススメ

筆者が実践していて、有効な手段を提案したい。それは「人間関係もビジネスと同じく、スモールスタートがオススメ」ということだ。

スモールスタートとはなんだろうか?それは、以下の順に交流を深めるということである。

1.ビジネスチャット、メールなどオンラインテキストコミュニケーション。
2.オンラインでビデオ通話や、音声通話。
3.リアルで対面。

というものだ。多くの人は「まずお会いましょう!」といきなり会おうとする。下手をすると、いきなり飲み会で親睦を深めようとしてしまうものもあるくらいだ。

だが、いきなり会うのはとてもリスキーな行為である。コミュニケーションがギクシャクしてしまったら、飲み会の2時間+前後の移動時間などがすべてパーになる。

また、その場でSNSや名刺交換などになると、下手をすると頼まれてもいないのにメルマガ登録をされたり、怪しげなものをセールスされたりする恐れもあるのだ。さらに簡単には切りづらいので、時間を浪費してしまいかねない。

ネットでテキストコミュニケーションが円滑に行けば、その次に音声や動画通話を経て、それでもうまくいってから初めてリアルの場でのやり取りが良いと考える。まず、テキストコミュニケーションがうまくやり取りできない相手と、リアルな場だからといって生産的なコミュニケーションなど望むべくもないと思うのだ。

ムダな人間関係をカットすれば、経済的メリットを生み出さないコミュニケーションに要していた時間やエネルギーが丸ごと手に入る。経営者はビジネスチャンスにはもっとリスクテイカーになり、人間関係にはもっと慎重になったほうが良いだろう。

文・黒坂岳央(水菓子 肥後庵 代表・フルーツビジネスジャーナリスト)