歴代オリンピック経済効果”ワースト”ランキング 東京2020もランクイン?
(画像=f11photo/stock.adobe.com)

ついに東京オリンピックが始まった。本来ならば数兆円レベルの経済効果があるはずだったが、コロナ禍の影響により、日本が大きな恩恵を受けることは難しそうだ。では、過去の五輪ではどのくらい開催国に経済効果があったのか。ランキング形式で振り返ろう。

開催前後で実質経済成長率はどれくらい変わったか

オリンピックの経済効果を正確に把握するのは難しいが、開催年の前後で実質経済成長率がどのくらい変化したかは、判断材料の1つとして使えるはずだ。以下が各オリンピックの開催国における「開催1年前」「開催年」「開催1年後」の推移である。まず、どのように変化しているのかを眺めてみてほしい。

歴代オリンピック経済効果”ワースト”ランキング 東京2020もランクイン?

そして、この表の見方を少し変えてみる。開催1年前と開催年でどれくらい実質経済成長率が増減したかだ。これにより、開催年にどれだけオリンピックの恩恵を受けることできたか、判断しやすくなる。

歴代オリンピック経済効果”ワースト”ランキング 東京2020もランクイン?

このようにして見ると、かつてはオリンピック開催の恩恵は大きかったが、近年になるにつれてオリンピックの恩恵は、その国の経済成長率を上振れさせるだけの規模にはなっていないようだ。

実質経済成長率の増減から見るベスト・ワーストランキング

では、本題に戻ろう。先ほどの表を今度は実質経済成長率の増減順に並び替え、経済効果の恩恵が大きかったベストランキングと、逆に経済効果の恩恵が小さかったワーストランキングをつくる。

歴代オリンピック経済効果”ワースト”ランキング 東京2020もランクイン?

1968年のメキシコでのオリンピックは、新興国での開催だったということもあり、開催に向けて巨額が投じられたことで知られる。そのため、開催前後で実質経済成長率は大きく伸びた。

3位にランクインしているのが、1964年の東京五輪だ。当時、オリンピック開催に向けて地下鉄やモノレール、首都高速道路の整備・延伸などが進められ、多くのホテルも開業した。近代都市、そして国際都市としての東京は、この頃から形成され始めた。

歴代オリンピック経済効果”ワースト”ランキング 東京2020もランクイン?

ワーストランキングの1位は2008年開催の北京オリンピックとなっている。実質経済成長率が4.6ポイント落ち込んでいるが、これはオリンピック開催が原因というより、中国政府による金融政策の引き締めなどの影響が大きい。

実際は、オリンピックの開催年に向かって実質経済成長率は伸びており、決して開催の恩恵が無かったわけではないということは、覚えておきたい。

日本にとって今回の五輪はマイナスになる?

この記事では、過去のオリンピック開催による恩恵などに焦点を当てた。

近年は特に先進国での開催の場合、国の実質経済成長率を大きく上振れさせるだけの経済効果は無くなってきている。しかし、オリンピック開催を通じてその国のイメージアップにつながれば、インバウンド観光などの視点で、中長期的な恩恵は確実にあることも確かだ。

東京オリンピックでは、責任者の辞任などが相次いだこともあり、このままでは日本のイメージが開催前より悪くなりかねない状況となっている。オリンピックはすでに始まっているが、閉幕までに日本が挽回できるか、注目が集まる。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

無料会員登録はこちら