【連載#4】ハッピーカーズ流「小さな本部」の大きなインパクト
(画像=sdecoret/stock.adobe.com)

「従業員を何人ぐらい雇用するのか」に対する考え方は、会社によってそれぞれだと思います。
しかし、私はフランチャイズ本部を運営する立場として、本部の規模をできる限り小さくすべきだと考えています。

従業員を採用するときの広告コストや、雇用維持するためのコストを軽くしたいということはもちろんですが、従業員の数が多ければ多いほど新しい施策を即座に実行するが難しくなってくることも確かです。
未来の環境の変化に対して流動的に対応できるかどうかが、市場で生き残っていくことができるかを左右するのです。
今回は、ハッピーカーズ流「小さな本部」の経営手法を紹介していきましょう。

新佛 千治氏
新佛 千治 (しんぶつ ちはる)
株式会社ハッピーカーズ 代表取締役
営業職としてメーカーに入社。全国トップクラスの営業成績を出すが、自分の可能性をもっと広げてみたいと思い、退社。大波に乗ることを目指してハワイへ。帰国後、新たにデザインの勉強をはじめ、広告業界に飛び込む。まずは、出版社にデザイナーとして入社し、後に、大手情報サービス会社で広告制作ディレクター、コピーライターとして実績を積み、2005年にはクリエイティブディレクターとして広告制作会社を立ち上げる。そして、外部要因に左右される経営環境を変えたく、もうひとつ事業の柱をつくろうと中古車の輸出ビジネスに目をつける。海外への販売ルートの開拓を考え、中古車の輸出先となるアフリカのタンザニアに現地法人を立ち上げる。しかし、治安の問題もあり短期間で撤退を決断し、中古車輸出業から手を引く。その際の経験を活かし、日本国内において一般のお客様から中古車を仕入れて、オークションに出すクルマ買取り業者、株式会社ハッピーカーズが誕生。2015年の事業立ち上げから、わずか4年で全国に50以上の加盟店を展開する規模へと成長する。
▪ハッピーカーズHP:https://happycars.jp/company/

従業員の数で会社の実力を測るのは時代遅れ

FC本部の経営者として、常にコストを考えて行動しています。これは会社のスタート時から変わっていません。
六本木や青山などに素晴らしい事務所を構えれば、顧客や取引先からの信用は増えますし、良い従業員も集まります。しかし、月に1,000万円の賃料を支払うのに見合った効果が本当にあるのかを考える必要があります。コロナ禍において、その疑問が明確となってきましたが、当然のような気がします。

コストの中でも特に気を遣っているのが人件費です。
私は昔から、従業員の数を尋ねられることに疑問を持っていました。従業員が5人だった当時、小さな実力のない会社と判断されるという感覚がおかしいと思っていたのです。