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(画像=日本M&Aセンター)

日本M&Aセンターが行うM&A大学。その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーにインタビューする企画の第11弾。

今回は静岡銀行グループ 静銀経営コンサルティング株式会社 営業部 松下友寛氏にインタビューした。

M&A大学とは
日本M&Aセンターが協業する地域金融機関に向けて行う、研修・出向制度。M&A大学入学者(地銀からの出向者)はM&Aシニアエキスパート研修(JMAC)、評価・概要書研修などの座学と日本M&AセンターとのコンサルタントによるOJTなどを経て、自ら顧客への提案からM&Aの成約、契約の締結までを完結できるM&Aコンサルタントとなることを目指す。

――いろいろな選択肢があった中で、地方の金融機関でその中でも静岡銀行さんを選ばれた理由は何でしょうか。

松下:生まれ育った地で人の役に立てる仕事をしたいと思い銀行を選択しました。その中でも静岡銀行は比較的規模が大きく、様々な仕事ができると思い入行しました。

――M&Aについて、今までのご経歴を教えていただけますか。

松下:静岡銀行で営業店3カ店に勤務後、昨年日本М&Aセンターに出向させていただき、初めて本格的にМ&Aに携わりました。

自由度が高い静岡銀行の風土

――静岡銀行さんは、従業員にしっかり裁量を持たせて任せていると伺っていますが、このほかに静岡銀行さんにしかない文化はどのようなものがありますか。

松下:服装が自由であったり、フレックスタイムを自由に使えたりと、様々な面で裁量が与えられています。TPOを考慮して自分自身で服装を選択することができます。

静岡銀行の採用ホームページにも記載されていますが、副業や兼業もできます。また、研修は自宅からリモートでやることも多く、リモートワークは比較的進んでおります。

地方銀行の置かれる環境が年々厳しくなる中で、多くの学生の方々が静岡銀行に興味を持ってもらえるよう、自分の裁量でできることが多い文化をアピールしていきたいです。

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(画像=日本M&Aセンター)

――営業店3カ所にいらしたそうですが、そのときに本部のM&Aの業務に対して、何か指導などはありましたでしょうか。

松下:多くのお客様が事業承継に課題をお持ちなので、各階層毎の研修でも、事業承継関連のカリキュラムが用意されていました。М&Aについてもその中で取り上げられておりました。

――静岡銀行さんでは出向先を指定・希望できると伺いましたが、ほかの地銀さんではあまり例のないことだと思います。

松下:そうですね。何か専門的なことを学びたいと思っていたのと同時にM&Aに興味があったので、日本M&Aセンターに応募しました。

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(画像=日本M&Aセンター)

親切な対応に感動したM&A大学の1年間

――出向する前、日本 M&Aセンターという会社についてご存知でしたでしょうか。

松下:浜松の営業店にいた時に担当したお客様が日本М&Aセンターの仲介で株式の譲渡をしていたので、名前はよく聞いていました。

――M&A大学に1年間いて「これがあって良かった」といった研修や、「経験できて良かったな」のようなお話があれば教えていただけますか。

松下:1番良かったことは、研修スタッフ(弊行をご担当いただく社員の方々)が近くにいて丁寧に教えていただけたことです。お陰様で困ったりしたことはなかったです。一方で、やりたいと思った業務については、主体的に取り組むことができました。単独でお客様のところに訪問することも頻繁にありましたし、自ら考えて業務に取り組むことで自分自身を成長させることができたと感じています。不安な事項は事前に相談できましたし、またお客様のやり取りは社員の方々をメールのCCに入れて行っておりましたので、方向性がズレそうなときなどは助けていただくこともありました。

――同期の出向者さんが2〜3人いらっしゃったと思いますが、「横の連携」みたいなものはありましたでしょうか。

松下:他の出向者さんの所属している各金融機関のことや事業承継・М&Aの取組み方などの情報交換をさせていただきました。

また、名古屋支社でよかったことは、コンパクトで各部署間のつながりが強かったので、他部署の方々とも積極的にコミュニケーションを取ることができました。スタッフの皆さんのご対応がきめ細かくて、いろいろと親切にしていただき、多くのことを学ぶことができました。

――業務以外の大切なこととして、30〜40代の仕事の取り組み方についてどういったことを教わりましたでしょうか。

松下:私は今年31歳なのですが、「今のうちにこういうこと勉強するといいよ」、「こういうことやった方がいいよ」、といったことを教えていただきました。M&Aだけではなく、一線で活躍されているコンサルタントさんの仕事への取り組み方や姿勢から、学ぶことが多かったと思います。

――M&A大学の1年間、こういうことを経験できる、感じることができる、と思ったことを教えてください。

松下:一番はМ&Aのリーディングカンパニーである日本М&Aセンターの雰囲気や最先端のМ&A動向について身をもって体験できたことだと思います。企業価値算定や企業概要書の作成、案件の進め方といったМ&Aの基礎的な事項を体系的に学び、学んだことを実際の案件を通じて実践することができました。その他に、初歩的なことなのですが、銀行であまりやってこなかった外部とのメールやりとりや資料の作成方法などを学ぶことができました。

また会計事務所や銀行に訪問し信頼関係を築きながら、案件を生み出していくという考え方、行動も非常に勉強になりました。

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(画像=日本M&Aセンター)

――静岡のこれからに関して、静岡銀行さんがどう考えられているのか教えてください。

松下:地方銀行の置かれている環境は年々厳しくなっており、従来の業務を行っているだけでは厳しくなっています。銀行全体で新たなことに積極的にチャレンジし新たな収益源を確保する中で、静岡県内のお客様に対してより良いサービスを提供していくことが必要だと思います。

静銀経営コンサルティングに関しては、M&A、事業承継、経営改善の3つが主要な業務になります。日本М&Aセンター様に過去10年以上継続して弊行からの出向者を受け入れていただいているおかげもあり、社内の経験値も高まっていると感じております。今後はより一層、お客様のためになるサービスを提供することが必要です。