日本M&Aセンターが行うM&A大学。 その卒業生として最前線で活躍するOB・OGバンカーにインタビューする企画の第10弾。
今回は、北海道共創パートナーズ M&A事業部 ディールマネージャー 江端陽一氏にインタビューした。
――まずご経歴について、北洋銀行さんに新卒で就職された理由を教えてください。
生まれも育ちも北海道であり、地元である北海道に少しでも貢献したいと思っておりました。その中で、当行は道内最大の顧客基盤を有しており、経済活動に欠かすことのできない「金融」を通じて、多くの企業に貢献できると考え北洋銀行を選びました。
――入行後は、どういった業務をされていたのですか?
江端:最初は深川支店が振り出しなのですが、そこで銀行の窓口や後方業務を1年間ぐらいやってからは、ずっと法人融資業務に携わっていました。
出向するまでの2年間は、フィナンシャルマーケティング部(現:法人推進部)という部署で、銀行全体の法人融資業務にかかわる推進施策や計数計画の策定、商品開発などに携わっていました。
――今回、弊社にご出向が決まったというのは何年目のタイミングですか?
江端:2009年入行なので、11年目のタイミングですね。
――自らご出向を希望されたのですか。なぜ、弊社への興味を持っていただけたのでしょうか。
江端:日本M&Aセンターへの出向は自分で希望して銀行へ手を挙げました。
理由は、今後銀行員として20年以上仕事をしていくと考えたときに、このまま惰性で仕事をするのではなく、自分自身の将来的な強みになるものを身につけて、お客様の課題解決ができる人材になりたいと考えていたことです。
その中で、M&Aはお客さまに高いニーズがあり、当行の一番の強みである北海道の顧客ネットワークを活用し課題解決に貢献できること、さらに事業領域として伸び代もある業務だと思い、非常に強い関心を持っていました。
――M&A大学に参加されてみて、今後に活かすことの出来る研修やイベントなどはありましたか?
江端:出向期間1年間の経験全てが今後に活きると思います。
1年間で5件成約まで携わらせていただきましたが、成約式での感動的なシーンを見るたびに、通常の銀行業務では味わえない仕事だなと改めて感じましたし、自分の行動一つで地域の会社やオーナーの家族、従業員、取引先、そして伝統や文化などが後世につながれていきます。
責任やプレッシャーもある仕事ですが、それ以上にM&Aの素晴らしさや、やりがいというものを感じさせて頂きました。
また、コロナの影響で、できることや行動が制限される中でも、出向者向けに様々なWeb勉強会やセミナー等に参加する機会も頂き非常に感謝しております。
――弊社コンサルタントへの印象はどうでしたか?
江端:M&Aは成約までに早くても半年から1年という長い時間がかかりますので、売り手社長が途中で会社を譲渡する事に対して悲観的になったり、様々な問題やトラブルが生じたりすることがほとんどです。
そういった中でも、コンサルタントの方が譲渡企業・譲受企業の事情を良く把握し、社長個人の精神的なケアまで日夜問わず顧客に寄り添って対応されているのが印象的でした。
また、会社全体にM&Aプロセスにおけるあらゆる問題に対して解決できるノウハウやサポート体制が整っている点についても非常に素晴らしいと感じました。
――今後の目標ややりたいことを教えてください。
江端:北海道は後継者不在率が非常に高く、後継者問題が深刻化しているエリアであり、M&Aによる活性化は非常に有効であると感じております。
後継者不在企業の事業承継ツールとしてだけではなく、1社でできない事が2社であればできることだってたくさんあると思いますし、地域に魅力あるスター企業を創出できれば、そこには当然雇用がうまれて、地域活性化につながる好循環を生み出せる可能性があります。
そういった観点からも、M&Aは自分自身も含めて銀行全体でしっかり取り組みしていく必要があると考えております。
また、今年度は日本M&Aセンターさんと協業でセミナーやTVCM等、様々な企画やプロジェクトが動いていく予定です。
北海道は広く、銀行としてもリソースが限られている中、銀行単独でやるには限界があるので、日本M&Aセンターさんと協業することで、1社でも多くの企業の存続と発展に貢献していきたいと思っています。
――出向期間中に出会った、他行の出向者さん達との横の連携は現在もございますか?
江端:銀行にいると他行の方と交流する機会は少ないので、出向期間中に全国の地銀・信金の出向者と情報交換を行えたことや、交友関係が広がったことは非常に有益でした。
出向期間が終わった現在でも電話が来たりすることもありますし、今後も繋がっていければいいなと思っています。