「やりたいこと」が見つかる時間編集術 「4つの資産」と「2つの時間」を使って人生を変える
(画像=fizkes/stock.adobe.com)

(本記事は、長倉 顕太氏の著書『「やりたいこと」が見つかる時間編集術 「4つの資産」と「2つの時間」を使って人生を変える』=あさ出版、2020年12月9日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「プロダクティブタイム」にやるべきこと

ここまで、「人生のルール」「時間の特性」について書いてきました。

ここからは、具体的な時間の使い方に入っていきます。まずは「プロダクティブタイム」についてです。

文字通り、「生産性」を重視する時間です。成果を生み出す時間とも言えます。

「プロダクティブタイム」の目的は、「アンプロダクティブタイム」をより多く生み出すことです。「プロダクティブタイム」を短縮して、できるだけ長く「アンプロダクティブタイム」を持てるようにします。

具体的には、いままで8時間でやっていたことを4時間で終わらせることができれば、4時間の「アンプロダクティブタイム」という資産が増えることになります。

前述したように、時間は有限です。使えば使うほどなくなっていきます。その中で「アンプロダクティブタイム」を増やすことこそが、時間という資産を増やすことにつながります。

時間を買うのと同様に、プロダクティブタイムの効率を上げることが、使える時間を増やすことにつながるのです。

なぜ、アップルショップは銀座にあるのか?

僕たちが生きている世界は、誰が作ったかわからない「コンセンサス」に満ちています。コンセンサスとは「複数人による意見の一致や合意」のことです。

たとえば、アップルの製品は価格が高いというのもコンセンサスです。おそらく機能だけ見れば、他の会社のパソコンやスマートフォンも見劣りしないはずですが、価格が全然違います。

にもかかわらず、アップルの製品が売れているのは、そういうコンセンサスを世の中に浸透させているからです。

よくよく考えてみると、アップルショップはほとんどが高級ブランド店の並びにあります。ニューヨークなら5番街に、東京も銀座や表参道にあります。つまり、アップルは高級ブランドだから価格が高くて当たり前であるというメッセージを発信して、コンセンサスを形成しているのです。

同じように、時間についてもいくつかの「コンセンサス」が存在しています。「会議は1時間」とか「昼休みは1時間」とか「飲み会は2時間」とか、あなたの周りにもとくに深くは考えていないけれど、なんとなく決まっている時間があるはずです。

まずはそういったものを見直していくだけで、「プロダクティブタイム」はどんどん短縮できるはずです。「プロダクティブタイム」では「時短」を徹底していくことで、どんどん生産性が上がっていきます。

時間はお金よりも大切

「プロダクティブタイム」では、とにかく生産性を重視すること。使った時間に対してどれだけのリターンを得られたかが重要です。

つまり、コストパフォーマンスです。よく「コスパが良い」「コスパが悪い」と言いますが、これは多くの場合、かけたコストに対するリターンの大小を言います。

このコストは「お金」が基本ですが、ここでは時間をコストとして考えるので「時間のコスパ」とします。

「プロダクティブタイム」では、「時間のコスパ」を徹底的に高めることを目指します

僕がコンサルティングやプロデュースをするときに心がけているのが、まさに「時間のコスパ」を上げることです。単純に売上を2倍にするなら、極論、2倍の時間、稼働すればいい。けど、それだと僕が関わる意味がありません。

だから僕は、いろんな方法で、同じ時間で2倍の売上にするか、時間を半分にして同じ売上をキープするかを考えます。前者はお金が生まれるし、後者は時間が生まれます。

お金を再投資に回すか、時間を再投資に回すかは、その人の価値観に任せます。

ただ、僕がすすめるのは後者で、「アンプロダクティブタイム」を増やすようにアドバイスしています。

とにかく「プロダクティブタイム」で重要なのは、時間のコスパを高めることです。そこを徹底的に意識してください。

生産性とはなんなのか?

よく日本人は「生産性が低い」と言われます。逆に、そもそもコスパが悪いので、上げるのは簡単なわけです。

実際、あらゆる研究機関の調査結果からも、生産性の低さが明らかになっています。労働生産性には「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」がありますが、時間のコスパを考えるときは後者の考え方が参考になります。

「付加価値労働生産性」は次のように、〝付加価値を労働量で割る〟ことで算出できます。

付加価値労働生産性=付加価値/労働量

付加価値の計算方法はいろいろありますが、単純に売上からコストを引いて出た数字と考えていいでしょう(付加価値=売上―コスト)。

たとえば、100円で作ったTシャツを1000円で売れば、付加価値は900円(=1000円―100円)です。高級ブランドであれば、1万円で販売することも可能で、この場合、付加価値は9900円(=1万円―100円)で、労働生産性が高いと言えます。

一方、僕が時間のコスパを考えるときには、

時間のコスパ=付加価値/時間

で考えます。

このときの付加価値の算出方法は、「人生の4つの資産のいずれかをどれくらい生み出したか」になります。

正直、「時間」「能力」「人脈」「お金」のうち、「お金」以外は明確な数値にできませんが、なんとなくのイメージで捉えれば大丈夫です。

「能力」で言えば、できることが増えたならコスパは良いと言えます。

「人脈」で言えば、新しい人と出会えたならパフォーマンスが上がったことになります。

また、話しているだけで勉強になる人と会ったなら「能力」に、その人と次のプロジェクトの話ができたなら「お金」に直結するので、この場合も付加価値が生まれたと言えます。

「やりたいこと」が見つかる時間編集術 「4つの資産」と「2つの時間」を使って人生を変える
長倉顕太(ながくら・けんた)
作家・プロデューサー・編集者。1973年、東京生まれ。学習院大学卒業後、職を転々としたあと28歳の時に出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在はコンテンツのプロデュースやこれらを活用したマーケティング、2拠点生活の経験を活かしたビジネスのオンライン化/テレワーク化のコンサルティング、海外での子育ての経験(とくにギフテッド教育に詳しい)から教育事業などに携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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