「やりたいこと」が見つかる時間編集術 「4つの資産」と「2つの時間」を使って人生を変える
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(本記事は、長倉 顕太氏の著書『「やりたいこと」が見つかる時間編集術 「4つの資産」と「2つの時間」を使って人生を変える』=あさ出版、2020年12月9日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

借金はタイムマシーン

借金も、時間を買うことと同じです

すべての借金が時間を買うことにはなりませんが、積極的に活用していくことをおすすめします。

借金というと悪い印象を持つ人が多いですが、住宅ローンはどうでしょうか。

住宅ローンも借金ですが、あまり悪い印象はありません。住宅ローンのからくりはこうです。日本人の多くがマイホームのためにローンを組みます。だいたい30年とか35 年ローンを組むことでマイホームを手に入れます。

もし現金で一括で払うなら、住宅が買えるくらいの資金を貯めてからしか買えません。たとえば、3000万円の住宅を買おうとしたら、先に3000万円を貯めなければいけません。

そのために30年かかると考えたら、住宅ローンという借金をすることでいますぐ手に入れたほうがいいというのが、ローンで住宅を買う人のメリットです。利息が発生するわけですが、その利息で、30年という時間を買ったことになるのです。

僕が借金肯定派である理由はここです。借金をすることで時間を買えるのです。

利息がもったいないと借金を毛嫌いする人も多いようですが、むしろ利息分で時間が買えるなら、僕は安いとすら思っています。

授業料100万円の専門学校に行く場合も、1年間アルバイトしてからよりも、借金をしてすぐに入学したほうが1年前倒しで学べることになります。

このように、時間を買える借金なら積極的にしていきましょう

ただ、勘違いしないでほしいのは、必ずしも僕が住宅ローンをすすめているわけではないということです。一番馴染みがある借金だから例に出したのであり、僕は日本の不動産には悲観的です。

よく「持ち家」か「賃貸か」みたいな議論がありますが、どちらが得ってことはなく、そこは個人の価値基準次第になります。

「効率」を求めるのは古い?

こうやって「無駄を省け」などと強調していると、効率を重視していると思うかもしれません。

しかし、それは違います。

人生の目的、ゴール地点は、「時間」「能力」「人脈」「お金」の4つの資産を最大化することです。効率だけ求めていれば、当然、時間が奪われていきます。時間を犠牲にして、他の3つの資産を最大化することになります。

たしかに、時間がゼロになったとしても、4つの資産のトータルは増えるかもしれません。ただ、これは長続きしません。僕自身もどちらかというと、徹底的に自分を追い込んで成長し、徹底的に負荷をかけていくことで、人生を変えてきました。

ところが、これは特殊な例であって、すべての人に当てはまるわけではないと、やっと気づきました。

現代はメンタルを病む人が増えているように、ストレスが蔓延しています。そんな環境の中で、さらに負荷をかけるようなアプローチは、いつか必ず破綻します。

メンタルが壊れてしまえば、一生を棒にふるかもしれません。それはあまりにもリスクが大きすぎます。

ですから、時間も含めた4つの資産は、それぞれバランスよく増やすことを目指すべきなのです。

サスティナブルな人生を

だから、「時間」という資産は、余裕が生まれるような使い方をしないといけません。

よく言われることですが、「心を亡くす」と書いて「忙しい」というように、忙しくしないようにすることが重要です。

結局は、続けたものしか成果が出ないからです。

ですから、時間の使い方を考えるときも、「続けることができるか」という部分が重要なのです。最近、「サスティナブル(sustainable)」という言葉が流行っていますが、まさに「持続可能な人生」を目指すべきです。

いままでの「時間本」の多くは、効率を重視したものばかりでした。「1日を30時間にする方法」などのように、隙間時間も含めてスケジュールを埋めていくような「徹底した行動管理」ばかりでした。

正直、「そんなことができるなら苦労しないよ」と思う内容ばかりです。これが典型的な成功者たちの心理である、「自分もできたから君もできるよ」なのですが、僕たちには無理なわけです。

言いたいことはわかります。それにそういう本を読むと一時的にヤル気は湧きます。ただ、それは続かない場合が多いのです。

とくに僕は仕事で営業チームのコンサルティングに入ることもあるのですが、一時的にヤル気を起こさせることは簡単です。しかし、続けていくと多くの人がつぶれていきます。

長く続けるためには、まったく新しいアプローチが必要なのです。

時間を2つに分けろ!

そこで僕が考えたのが、時間を2つに分ける方法です。

時間を、「プロダクティブタイム」(生産的な時間)と「アンプロダクティブタイム」(非生産的な時間)に分けるのです。

「プロダクティブタイム」には、生産性を上げ、時間を徹底的に短縮します。

詳しくは次章で説明しますが、生産性が2倍になればかかる時間は半分ですみます。その分、時間が余ります。その余った時間をなるべく「アンプロダクティブタイム」に充てます。

「アンプロダクティブタイム」は簡単に言えば、何も生み出さない時間、極端な話、何もしなくてもいい時間です。

人にはこういった時間が必要なのです。

クリエイティブ&ユニーク

「時間」という資産を増やすことと「アンプロダクティブタイム」を増やすことはイコールです。なぜなら、「アンプロダクティブタイム」を多く持つことが豊かな人生につながるからです。

これからの時代は、「クリエイティブ」「ユニーク」が重要になります。

なぜなら、テレワークの浸透によって、距離の壁がなくなるからです。いままでは近くに存在していたという理由で相手にされていた人も、これからは「その他大勢の存在」になるかもしれない。

人と違っていることこそが、生存戦略になってくるのです。

そのためにも「アンプロダクティブタイム」が必要です。「未知」のものにどんどんチャレンジすることで「クリエイティブ」で「ユニーク」な人間になっていくからです。

僕たちはこれまで、「やらなければならないこと」に追われすぎてきました。「ToDoリスト」にたくさんタスクを書き込んで、それらをこなしていくだけでは「つまらない人間」ができあがるだけです。

実際、そういう仕事の仕方をしている人は、「つまらない人間」が多い。

そういった人は、メリットでしか人とつながれないし、クリエイティビティにも乏しい人が多いように思います。そういう人と一緒にいても疲れるだけ。面白くもないわけです。

「やりたいこと」が見つかる時間編集術 「4つの資産」と「2つの時間」を使って人生を変える
長倉顕太(ながくら・けんた)
作家・プロデューサー・編集者。1973年、東京生まれ。学習院大学卒業後、職を転々としたあと28歳の時に出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在はコンテンツのプロデュースやこれらを活用したマーケティング、2拠点生活の経験を活かしたビジネスのオンライン化/テレワーク化のコンサルティング、海外での子育ての経験(とくにギフテッド教育に詳しい)から教育事業などに携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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