WORDS by EXECUTIVE
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「デジタル決済への転換の動きが劇的に急加速している」——。新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に甚大な影響を与えている中、PayPalのダニエル・シュルマン最高経営責任者(CEO)が語った言葉だ。

1日の取引額が去年の「ブラックフライデー」(11月末のアメリカの大型セール)を超える日も出てきており、コロナによるデジタル決済需要が爆増しているという。コロナを機に多くの人々がデジタル決済の利便性に気付き、慣れていけば、これまでを超えるスピードでPayPalのユーザーが増え続けていく可能性が高い。

連載「経営トップ、発言の真意——WORDS by EXECUTIVE」、今回はPayPalのCEOであるダニエル・シュルマン氏の発言に焦点を当て、今後のデジタル決済の潮流やPayPalの現在の状況などについてひもといていく。

電子決済サービスの定番「PayPal」

PayPalは1998年に設立されたアメリカの電子決済サービス企業だ。「びっくり発言」などで世間を騒がすことも多い米EV大手テスラのイーロン・マスク氏が共同創業した企業としても知られ、PayPalはクレジットカードを使った電子送金・入金の文化を世界に根付かせた立役者的存在であるといえる。

既にPayPalは日本を含め世界で利用でき、競合企業が増えてシェア争いは厳しさを増しているものの、いまなおPayPalといえば電子決済サービスの定番だ。