不用品回収の「片付け堂」のFC加盟店は、すべて一般廃棄物収集運搬許可の取得者。事前見積で価格を明示し、利用者には安心感を与えている。業界のイメージ向上を目指す坂本貴志社長は、本社のある島根県から全国へのFC展開を図っている。(※2020年10月号「注目チェーントップインタビュー」より)

巣ごもり需要で案件増加の不用品回収価格の明朗化を徹底し、消費者へ安心感を提供/片付け堂 坂本 貴志 社長
(画像=坂本 貴志 社長(34))
坂本 貴志
坂本 貴志
さかもと・たかし
2008年に島根県松江市の廃棄物処理及びリサイクル事業を行うアースサポート株式会社入社。同社の営業部長を経て、2019年10月に不用品回収FCビジネスの拡大を見据え、2017年12月に設立した株式会社片付け堂の代表取締役社長に就任。

「片付け堂」は、一般家庭からの不用品を回収し処分するビジネスでFC展開している。「無許可の業者が高額請求をする、違法な処分をするといった、業界の悪いイメージを払拭したい」と同社の坂本貴志社長がスタートさせた。

同社の不用品回収事業に加盟できるのは、市町村から一般廃棄物収集運搬の許可を自治体から取得した業者に限られている。そもそもこの許可がなければ、回収した粗大ごみ等を各地域の処分場まで運搬することすら違法となる。

この業界では事前の見積もりもなく、回収してから法外な額を請求するなど、料金トラブルになることも多い。そのため片付け堂では、事前見積もりをとってから作業する。さらにその際の料金価格帯も明朗化。基本プランを明瞭にした透明性が、他社との差別化になっている。

巣ごもり需要で案件増加の不用品回収価格の明朗化を徹底し、消費者へ安心感を提供/片付け堂 坂本 貴志 社長
(画像=見積もりのうえ、不用品の回収・処分を行う)

同社への依頼は、引っ越しの多い年度末や年末、卒業などの生活の変わり目での依頼が多い。一品だけの依頼から4トントラック数台分まで、物量はさまざまだ。

集客にはホームページやSNS、Google マップなどwebを主体とした広告活動をメインとし、これで半数を獲得している。その他、提携先からの紹介や紙媒体などもある。自分で処分場へ運ぶ人も多いため、看板などの手段も検討中だ。

不用品回収だけではリピートにつながりにくいが、同社では片付けの他に遺品整理、ハウスクリーニングやエアコン修理などの細かなメニューも用意している。同時にLINEやSMSを使った定期的な営業活動を行うことで、リピーターの獲得にも務めている。

収益モデルとFCのプランは地域によって異なる。人口10万〜20万人の市町村では年商5000万円、粗利は40〜50%、営業利益は15%を想定。加盟金は80万円で研修費込、保証金は21万円となっている。ロイヤリティは月額7万円だ。人口が10万人未満の市町村で加盟する場合は加盟金・ロイヤリティともにその半額となる。

客単価は5万〜11万円と幅があるが、平均7万円程度。基本となるパッケージ料金は決められているものの、処分場での単価が市町村によって異なるため、ある程度は加盟店の裁量が認められている。

現在はすべてFCで21業者が24店舗で活躍しているが、将来的には一都道府県に2店舗のイメージで出店し、3年後の100店舗体制が目標だ。