矢野経済研究所
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2020年度の国内ビル管理市場規模を前年度比92.0%の3兆9,335億円と予測

~コロナ禍の影響により市場縮小も、ビル管理業務におけるAIの活用、機械化の進行に、今後への期待が高まる~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のビル管理市場を調査し、建物使途別の動向、業務別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

ビル管理市場規模推移・予測

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1.市場概況

2019年度の国内ビル管理市場規模(元請金額ベース)は4兆2,763億円、前年度比107.0%と増加を見込む。ビル管理事業の対象となる建築物ストックが増加している点、人件費高騰を背景とした契約単価の見直しや収益性の高い新規案件の獲得が進んでいる点が、市場規模拡大の要因と考える。

2.注目トピック

ビル管理市場の建物使途別シェアについて

2019年度のビル管理市場規模(見込値)を建物使途別に推計すると、住宅が約1,515億円(建物使途別シェア3.5%、前年度比112.5%)、非住宅が約4兆1,248億円(同96.5%、同106.8%)となる。非住宅の内訳を見ると、最もシェアが高いのは事務所ビルであり、その市場規模は約9,332億円(同21.8%、同106.6%)と、ビル管理市場のおよそ5分の1程度を占めている。これに続くのが店舗・商業施設の約7,832億円(同18.3%、同106.3%)となっている。以下、学校施設の約4,241億円(同9.9%、同105.1%)、医療・福祉施設の約4,236億円(同9.9%、同108.4%)、工場・作業所の約4,092億円(同9.6%、同105.6%)等となっている。

3.将来展望

2020年度の国内ビル管理市場規模(元請金額ベース)は、前年度比92.0%の3兆9,335億円と予測する。2020年度は、新型コロナウイルスの影響により、客数減少などの影響が出ている宿泊施設関連や商業施設関連をはじめとして、今後の不透明感が強くなっており、市場規模の縮小は避けられないものと考える。
一方で、契約の見直しによる単価の改善、衛生管理業務や警備保障業務での一時的な人手不足の解消など、従来からの課題の解決もわずかながら進んでいる。清掃ロボットや警備ロボットの活用など、人の手によらないビル管理業務の手法も徐々に取り入れられている。従来からの課題である、労働集約型に対する効率化といった点の解決とコストバランスを追求した新たな業務運用の形式を確立していくことが、今後も大きな課題になると考える。

調査要綱

1.調査期間: 2020年7月~9月
2.調査対象: 全国の有力ビル管理事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話アンケート調査、ならびに文献調査併用
<ビル管理市場とは>
本調査におけるビル管理市場とは、ビルの清掃、設備管理、警備業務等の受託サービスを対象として、元請金額ベースで市場規模を算出した。ビル管理事業者が請け負う修繕工事、改修工事、リニューアル工事等の周辺業務を含むが、当該事業者の異業種における売上高は含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
衛生管理業務、設備管理業務、警備保障業務、その他業務(建物修繕等)

出典資料について

資料名2020年版 ビル管理市場の実態と展望
発刊日2020年09月25日
体裁A4 397ページ
定価150,000円(税別)

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