「新型コロナウイルスを低濃度エタノール処方で不活化」、セッツと大阪府立大が共同研究
(画像=食品経済新聞)

日清オイリオグループの100%子会社セッツは2020年9月、ブドウ種子エキスの抗ウイルス効果に関する長年の研究成果の一環として、大阪府立大学との共同研究で、ブドウ種子エキス、界面活性剤配合の低濃度エタノール処方により、新型コロナウイルスを99.99%以上、不活化することを見出したと発表した。

セッツはこの研究成果を応用したエタノール製剤をいち早く市場に提案しており、消毒用の高濃度エタノールの需給緩和に寄与している。「これからも研究開発を深化させ、製品とサービスを通じた社会貢献を目指していく」としている。

通常、新型コロナウイルスに対して有効なエタノール濃度は70~83vol%とされており、厚労省の通知では、60vol%台でも一定の有用性はあるとされている。ところが昨今、原料エタノールの供給がひっ迫しており、より安全性・有効性の高い低濃度エタノール製品の供給が望まれている。

そこで今回の共同研究では、これらの課題を解決するため、より低濃度のエタノール処方において、新型コロナウイルスに対する効果を検証した結果、不活化効果を確認したという。

確認したとする内容は、ブドウ種子エキス(プロアントシアニジン)の場合は濃度50%台、界面活性剤の場合は濃度10%台のエタノールの処方で、不活化率は99.99%以上となったとしている。

〈大豆油糧日報2020年10月5日付〉