ワンストップによる買い物の利便性への消費者評価高まる
~2019年の国内インターネット通販市場規模(物販分野)は10兆360億円(矢野経済研究所推計データ)~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内インターネット通販(主に消費者向け物販分野)市場の調査を実施し、商品・サービス分野別、参入企業の動向を明らかにした。
1.調査結果概要
2019年5月までに経済産業省が発表した電子商取引に関する調査結果などをもとに、矢野経済研究所が推計した2019年の国内の消費者向けインターネット通販物販(BtoC)市場規模は、10兆360億円である。
インターネット通販参入企業の売上高をみてみると、トップを独走するアマゾンジャパンの2019年の売上高は依然として圧倒的で二桁成長をつづけており、他の追随を許さない売上高となっている。アマゾンジャパン以外ではヨドバシカメラやZOZO、アスクル運営のロハコ、ビックカメラなどが上位に位置する。ZOZO以外は幅広く商品を取扱う企業が並んでおり、多くの消費者はワンストップでの買い物の利便性を日常生活において活用しているものと考えられる。
2.注目トピック
宅配危機解消に関する進展
新型コロナウイルス感染拡大の猛威は人々の生活を大きく変えている。人との接触を避けることがなによりの予防法ということもあり、国内で報道がされはじめた2020年3月以降はインターネット通販の役割がさらに増している。それ以前から、宅配における人手不足に端を発する過重労働が大きな社会問題となっており、特に再配達を減らす対策が数多く打ち出されてきた。中でも自宅玄関先など指定した場所に荷物を置く「置き配」やロッカーなどを活用し24時間受け取りを可能にする方法は直接人を介さないという点で、宅配のあり方を大きく変える。安全性などが懸念された「置き配」も試験運用を経て拡大の方向へと動き出している。こうした変化はインターネット通販の利便性を高める要因となることから、さらなる利用促進につながるものとみる。
調査要綱
1.調査期間: 2020年4月~6月 2.調査対象: 通信販売事業関連企業 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接(オンライン含む)及び電話によるヒアリング、文献調査併用 |
<インターネット通販市場とは> 本調査におけるインターネット通販市場とは、インターネットをチャネルとする消費者向け(BtoC)の電子商取引(E-Commerce)をさし、主に物販、サービス、デジタルの3分野を対象とする。なお、当該市場規模は経済産業省データを引用しているが、2019年の物販市場に関しては、矢野経済研究所推計によるものである。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 食品、飲料・酒類、生活家電、AV 機器、PC・周辺機器等、書籍、映像・音楽ソフト、化粧品、医薬品、生活雑貨、家具、インテリア、衣類・服装雑貨等(スポーツ用品含む)、自動車、自動二輪車、パーツ等、事務用品、文房具、その他 |
出典資料について
資料名 | 2020 ネット通販市場白書 |
発刊日 | 2020年07月07日 |
体裁 | A4 539ページ |
定価 | 150,000円(税別) |
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