2019年度のフィールドワーク支援ソリューション市場は前年度比29.6%増の442億円
~新型コロナウイルスの影響で2020年度は前年度割れの見込、2021年度以降は回復基調を予測~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のフィールドワーク支援ソリューション市場を調査し、需要分野別の動向、分野毎の主なソリューション事例、将来展望などを明らかにした。
フィールドワーク支援ソリューション市場規模推移・予測
1.市場概況
2019年度の国内フィールドワーク支援ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、前年度比129.6%の442億円と推計した。なお、市場規模には、ITベンダーがパッケージやソリューションとして提供しているものに加えて、大規模なSI/システム開発案件の一部を構成する類似ソリューション、PoC(概念実証)/実証試験段階のもの、さらにはユーザ事業者の自社開発システム分なども対象としている。
需要分野別にみると、製造、建設及びインフラ設備/エネルギー設備保全などのプロジェクト規模の大きな案件がマーケットを牽引している。一方で、稼働中のシステム数/デバイス数の多い介護や医療/ヘルスケア分野では、一件当りの案件規模が限定的なため、市場に占める構成比率は低い。
2.注目トピック
業務支援ソリューション
フィールドワーク支援ソリューションは、「業務支援」「健康・安全管理」「教育・研修/トレーニング」の3つのソリューションに大きく分類できる。
「業務支援」は現場作業者の業務支援を行うソリューションで、製造/工場をはじめとした各種設備・機器の保全/メンテナンス業務を支援するシステムが主体となっている。その他、現場業務全般での作業支援や業務の効率化、事務作業の軽減(台帳ソリューションなど)を目的としたソリューションも多い。近年では、各種ロボットを利用したシステムソリューション(作業支援、コミュニケーション、協働型、業務用など)も増えており、工場や大型商業施設、交通拠点(ターミナル駅、空港など)、建設現場などでの実装が進む。
3.将来展望
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、システム開発や実証試験、現場での実装などの多くの作業が遅延しており、2020年度のフィールドワーク支援ソリューション市場(事業者売上高ベース)は、前年度比97.5%の431億円と前年度割れを見込む。
コロナ禍が収束し、経済環境の回復とともに2021年度以降は拡大基調に転じ、2022年度頃からはローカル5G/5Gソリューション(第5世代移動体通信システム)に連動したフィールドワーク支援ソリューションも登場する見通しで、2022年度以降は年率20%超の高成長が続くと予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2020年5月~8月 2.調査対象: ITベンダー、SIer、デバイスメーカー、通信事業者、ユーザ事業者、インフラ運営事業者など 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話やeメールによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用 |
<フィールドワーク支援ソリューション市場とは> フィールドワーク支援ソリューションとは、スマートデバイスやタブレットを始めとしたIT機器/IoTテクノロジーを活用した、ユニフォームを着て作業する現場作業者の業務をサポートするシステムを指し、作業者の業務負担の低減や作業効率の向上、働き方改革やワークスタイル変革への対応、作業者教育・トレーニング支援、ノウハウ継承支援などの実現を目的として導入される。 本調査におけるフィールドワーク支援ソリューション市場規模は、タブレットやスマートフォン、HMD(Head Mounted Display)、スマートグラス、ウェアラブルデバイス(時計、バンド、ウェアタイプ等)、ドローン、IoT型ロボットなどの端末やデバイス、システム開発費、通信モジュール、通信費、プラットフォーム・クラウド利用料、運用管理費などを対象として、事業者売上高ベースで算出した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> フィールドワーク支援ソリューションシステム |
出典資料について
資料名 | 2020 フィールドワーク支援ソリューション市場の実態と展望 ~人手不足対応、働き方改革、ノウハウ継承/教育・トレーニングに向けたICT活用~ |
発刊日 | 2020年08月31日 |
体裁 | A4 229ページ |
定価 | 180,000円(税別) |
お問い合わせ先
部署 | マーケティング本部 広報チーム |
住所 | 〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2 |
電話番号 | 03-5371-6912 |
メールアドレス | press@yano.co.jp |
©2020 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。