グローバル人材
(画像=marvent/Shutterstock.com)

国内消費の縮小が予測されている日本では、海外市場を見据えてグローバルに展開する企業も増えつつある。そんな昨今の状況において、自分の子どもをグローバル教育で育てたいと考える経営者は多いのではないだろうか。当記事ではグローバル教育に必要な要素について紹介する。

目次

  1. グローバル人材とは?
  2. グローバル人材が求められている背景
  3. グローバル人材に必須の4つの要素
    1. 1.語学
    2. 2.ダイバーシティ
    3. 3.コミュニケーション力
    4. 4.マネジメント能力
  4. グローバル教育を子どもの教育に取り入れる
  5. 子どもをグローバル人材にするなら海外留学も検討しよう

グローバル人材とは?

そもそもグローバル化とはどういうことか、その意味を確認しておこう。内閣府のグローバル人材育成推進会議における「グローバル人材育成戦略」によると、以下のように説明されている。

政治・経済・社会等あらゆる分野で「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」が国境を越えて高速移動し、金融や物流の市場のみならず人口・環境・エネルギー・公衆衛生等の諸課題への対応に至るまで、全地球的規模で捉えることが不可欠となった時代状況を指すもの
出典:内閣府

つまりグローバル人材とは、さまざまな言語や習慣、価値観、宗教、思考パターンなどが入り交じる社会に適応できる人材のことである。同資料の中でも、グローバル人材に求められる資質として次の3点が挙げられている。

  • グローバルに通用する語学やコミュニケーション能力
  • 主体性・積極性・協調性・柔軟性、責任感・使命感、チャレンジ精神
  • 異文化に対する理解、日本人としてのアイデンティティー

グローバル人材だけでなく、変化を続けていく社会を支える人材に求められる資質として、以下のような能力の必要性が説かれている。

  • 幅広い教養と深い専門性
  • 課題を発見して解決する能力
  • チームワークを重視する姿勢と異なる価値観を持つ集団をまとめるリーダーシップ
  • 公共性・倫理観
  • メディア・リテラシーなど

個人の幅広い知識と専門性を活かしながら、さまざまな言語、習慣、価値観、宗教などが混在する集団を束ね、課題の解決に向けて組織を率いていける人材がグローバル人材ということだろう。

グローバル人材が求められている背景

なぜ、ここまでグローバル人材が求められているのだろうか?その背景を確認しておこう。

人口減少に伴う国内消費の縮小が見込まれる日本では、より高い成長を求めるためには海外に目を向けなければならない。アジアやアフリカを中心に新興諸国が急速に成長している世界経済の中で国際競争に負けないためには、日本企業も積極的に海外に進出していくことが求められるだろう。

海外市場への参入においては、流通コスト低減のために海外に生産・サービス拠点を置くことが経営上望ましいこともある。企業の海外拠点を構築するためには、現地の市場分析・開拓や海外企業の訪問が必要であり、語学はもちろん海外企業文化の理解が必要不可欠だ。企業のグローバル展開を、主体的に牽引する人材が必要となるのだ。

グローバル人材が求められる理由は、企業の海外展開だけではない。少子高齢化が急速に進行している日本では、外国人の雇用者数が年々増加しており、2018年10月には約146万人となっている。

外国人雇用者は生まれ育った環境や文化が日本と異なるため、日本社会独特の習慣や価値観、思考パターンを理解することに苦労することもあるだろう。そのため、外国人雇用者の採用、業務指導や育成などのために、以下のような能力や資質が必要だ。

  • 社内での人材育成の中で意思疎通ができる
  • 異文化に対して理解を示すことができる
  • 日本人のアイデンティティーや日本の企業文化を相手に理解させることができる
  • 会社・組織の一員として会社の成長に貢献できるように外国人雇用者をけん引できる

近年では、インターネットなどの情報伝達の分野における技術革新がグローバル化に大きな影響を与えている。海外諸国の情報取得はもちろん、インターネットを介して商品の売買や金融取引なども世界的規模で瞬時に行える。

世の中のIT化が進み、グローバル化の手段や場面の変化も加速度を増している昨今、社会でのグローバル人材のニーズはさらに高まってきている。「より幅広い能力」「より幅広い層」「より早期」といった3つの要素を持ったグローバル人材の教育と育成が求められはじめているのだ。

グローバル人材に必須の4つの要素

グローバル教育には英語力が必須と考える人は少なくない。日本政府も子供の頃からの英語教育の必要性を認識し、2020年には小学校3年生から英語教育をスタートさせることとした。しかし、これからの社会で活躍するグローバル人材に求められる資質からも分かるように、グローバル人材に育てるために必要なのは英語教育だけではない。

グローバル人材に必要とされる、主体性やチームワーク、異文化への理解などの能力を育てるためには、以下のような点に着目したグローバル教育も必要だろう。

1.語学

国際的な共通言語である英語の教育は必要だが、単一民族・単一言語である日本では、日本語以外には英語のみを学ぶ、バイリンガル教育に注力しがちである。ただ、欧米諸国のように他民族が入り交じる国々では、バイリンガルはもとよりトリリンガル、あるいはそれ以上の言語に通じる人もいる。

どの言語が必要になるかは個人の目標や置かれた環境で異なるだろうが、グローバル人材として活躍の場を広げるには英語以外の言語の習得も必要だろう。

2.ダイバーシティ

ダイバーシティ(diversity)とは、「多様性」という意味を持ち、グローバル教育の中では欠かせないものとなっている。

日本企業においても、多様化する市場へ対応するために多様な人材を活かすといった「ダイバーシティ経営」が推進されている。例えば、採用についてのダイバーシティとしては、学歴や年齢、性別、障害の有無、社会経済的ステータスといった視点で捉える経営者も多いのではないだろうか。

真のグローバル人材を育てるためには、生活スタイルや宗教、価値観、政治的信条などのさまざまな視点で「多様性」を受け入れられる教育が必要だろう。

3.コミュニケーション力

グローバル人材には、自ら人とつながり、さらに人同士をつなげてネットワークを広げていく「コミュニケーション力」が必要だ。

コミュニケーション力は本人の資質による部分もあるが、同じ言語で会話をするなど、ちょっとしたことで相手との距離が縮まることもある。さまざまな分野に通じるために、趣味や教養、文化的な知識に対する教育も必要だろう。

誰とでも容易に親しくなれることをコミュニケーション力と捉える向きもあるが、相手の意見を受け入れた上で誤解なく理解し易い伝え方ができることも、コミュニケーション力として必要な能力だ。

4.マネジメント能力

マネジメント能力は、チームや組織を率いる者にとって必要な能力である。グローバル人材として、文化や価値観がまったく異なる人たちを率いていくためには、より高いマネジメント能力が求められるだろう。

多様なバックグラウンドを持つ人々と関わる以上、相手の主張に歩み寄ってフェアな落としどころを見つける問題解決能力や、物事を論理的に考えて説明できるロジカルシンキング、チームメンバーの感情の変化に気づく関心力なども必要だ。

グローバル教育を子どもの教育に取り入れる

ここまでグローバル人材として必要となる素質や学ぶべき項目を見てきたが、自分の子どもの教育にグローバル教育を取り入れるならば、外国への留学が一番だろう。子どもの年齢などの条件によるが、日本政府や地方自治体、民間団体などが、グローバル人材の育成を目的としたさまざまな留学金助成制度を設けているため、検討してみるのもいいだろう。

日本語の通じない外国では、現地の言葉で話さなければならず、身を持って異文化に触れることができる。留学した直後は、現地の言葉を話せるか話せないかに関わらず、意思疎通を図らなくてはならない。イントネーションやボキャブラリーを変えてみたり、ボディランゲージと組み合わせたりなど、試行錯誤しながらコミュニケーションを試みることも必要になる。

見知らぬ土地で自分の言いたいことが相手に伝われば、成功体験となって話す勇気と自信を得られるだろう。集中して相手の発言に耳を傾けたり、できるだけ相手に伝わりやすく話すことに努めるようになり、自然にコミュニケーション能力も高まるだろう。これらは日本の学校での英語授業や英会話教室で日本人同士のグループの中で学ぶだけでは身につけることが難しい能力だ。

ただし、留学先選びは慎重に行いたい。例えば、日本人比率が高い学校や日本人コミュニティがある都市へ留学すると、授業は英語で受けても授業外では日本人同士で集まり、現地の人と交流しないケースもある。留学したからといって、それだけでグローバル教育ができるとは限らないのだ。

また、近年はIT化によるグローバル化によって、留学先の子どもと日本に残る親が、電話やSNSなどを通して気軽に情報交換ができるようになった。連絡が取り易い環境は双方にとって安心ではあるが、場合によっては子どもが自分で成長しようとする主体性を妨げることにもなりかねない。

語学やコミュニケーション力の習得だけでなく、日本では起こりそうにない問題を自分自身で解決したり、異文化の中で日本人としての自分の立位置を確認しながら経験を積むことが、グローバル教育の第一歩である。

自分の子どもが、世界で活躍できるグローバル人材として成長するためには、経営者が社員を育成することと同様に、後ろで見守りつつも時には厳しく育てていくことが大切である。

子どもをグローバル人材にするなら海外留学も検討しよう

人口減少などの影響で国内消費の縮小が予測されている日本では、世界で活躍できるグローバル人材の必要性が高まっている。グローバル人材には、語学力はもちろん、さまざまな言語や習慣、価値観、宗教、思考パターンなどが入り交じる社会に適応し、多種多様な文化が入り交じって構成されたチームをけん引していく能力も求められる。

子どもをグローバル人材として教育・育成していくためには、海外留学が合理的な方法の一つだ。言葉や文化、習慣の異なる人たちの中で、自ら問題を解決して自分の立位置を開拓していく力を自然に身につけられるだろう。親としては、後ろで見守りつつも時には厳しく育てていきたいものだ。

文・THE OWNER編集部

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