2019年のスポーツ用品国内出荷金額は前年比102.1%の1兆5,691億円の見込
~市場規模の大きいスポーツシューズやアウトドア用品などが引き続き好調に推移の見通し~
株式会社 矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のスポーツ用品市場を調査し、製品セグメント別の市場動向や参入企業の動向、将来展望を明らかにした。
スポーツ用品分野別国内出荷市場規模推移
1.市場概況
2019年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷額ベース)は、前年比102.1%の1兆5,691億1,000万円を見込む。アスレジャー(アスレチック[競技]とレジャー[余暇]を組み合わせた造語)スタイルの需要(スポーツウエアの日常着用需要)が下支えすることで、スポーツシューズやアウトドア用品などのカテゴリーが牽引し、市場は4年連続のプラス成長を果たす見込みである。ただ、少子化による影響から中学、高校の部活動での利用層が競技人口の多くを占めるチームスポーツ関連用品のカテゴリーは、苦戦を余儀なくされている。
2.注目トピック
新型コロナウイルス感染拡大によって、新学期商戦は大きな痛手に
新型コロナウイルスの感染拡大によって、各種のスポーツイベントが中止、または延期に追い込まれている。各種イベントの自粛など、新型コロナウイルスによって生じたスポーツ界への影響は枚挙にいとまがない。
スポーツ用品国内出荷市場では、中国をはじめとする海外工場の操業停止によってサプライチェーンは寸断され、リテーラーへ各アイテムがデリバリーされず、新学期商戦には大きな痛手となった。例年であれば、新学期商戦や各競技のシーズン開幕を迎え、賑わうはずの店頭からも消費者が消える事態となっている。
3.将来展望
2020年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷額ベース)を前年比101.8%の1兆5,969億8,000万円※と予測する。引き続きスポーツシューズ、アウトドア用品、アスレチックウエアなどのカテゴリーがけん引する見通しである。
現在、新型コロナウイルス感染拡大によってスポーツイベントの活動に影響が生じており、被災地が東日本の一部に限られていた東日本大震災に比べても、今回の新型コロナウイルスは全国でヒト、モノ、カネの動きが停滞するという異常事態で、スポーツ用品業界への大きな影響も避けられない状況にあり、可能な限り早期の事態収束が望まれる。
※2020年3月現在予測値。東京オリンピック・パラリンピック開催延期を加味していない。