江戸時代にタイムスリップ!?まさに動く絵巻の世界・高山祭の魅力【岐阜エリア】
江戸時代にタイムスリップ!?まさに動く絵巻の世界・高山祭の魅力【岐阜エリア】

こんにちは!
秋の空気と景色が大好きで、毎年この季節を心待ちにしている、駆け出しの学生ライター、友近史歩(ともちか・しほ)です。

今回は、岐阜県高山市で開催される高山祭についてご紹介します。

高山祭は、京都の祇園祭・埼玉の秩父夜祭とならび日本三大美祭のひとつに数えられ、圧巻のスケールと美しさで、多くの人を魅了してきました。

本記事では、高山祭の歴史に触れながら、見どころや魅力を厳選してお届けします。

最後まで楽しんで読んでいただけると、うれしいです!

高山祭とは?

高山祭は、豊作を祈る春の山王祭と豊作を感謝する秋の八幡祭を総称した呼び名で、毎年それぞれ4月と10月に行われます。

日程や場所の詳細は岐阜の旅ガイドや飛騨高山旅ガイドで随時更新されますので、興味のある方や足を運んでみたい方はご確認ください!

春は日枝神社、秋は櫻山八幡宮の例祭で、旧高山城下町の南北それぞれの氏神を祀る重要な行事です。

今回は、特に見どころである①屋台・②からくり人形・③祭行列の3つの魅力をピックアップしてご紹介します!

日枝神社【春の山王祭】

・〒506-0822 岐阜県高山市城山156番地
・0577-35-0520
「飛騨山王宮日枝神社」公式HP

櫻山八幡宮【秋の八幡祭】

・〒506-0858 岐阜県高山市桜町178番地
・0577-32-5100(高山祭屋台会館)
 0577-32-0240(櫻山参集殿)
「櫻山八幡宮」公式HP

動く芸術作品──大きな山車屋台

屋台と聞くと、「祭りでりんご飴やカステラを売っているところよね!?」と思う方もいるかもしれません。実は私もそうでした。

しかし、高山祭の屋台は、神輿(みこし)のような巨大な山車のことを指すのです!

三段構造で高さは7〜8mもあり、3階建てのマンションに相当します。

きらびやかな3階建てのマンションが動いていると想像すると、なかなかの迫力ですね。

高山祭の起源は1585年〜1692年の戦国時代からといわれていますが、屋台自体の起源は1718年までさかのぼります。

長い年月の中で火災による焼失などの影響で屋台を失っても、地元の人々の情熱によって23台が維持されているのです。

高山祭の屋台の見どころはその大きさだけではありません。

彫刻・漆塗り・飾り細工など伝統の技が随所に光り、その職人の技術は、見た目の美しさだけでなく、屋台の維持や修理にも貢献しています。

高山祭の屋台は、国の重要有形民俗文化財(1979年)やユネスコ無形文化遺産(2016年)に登録されており、まさに動く芸術といえる存在ですね。

技と美の結晶──からくり人形の妙技

もう一つの見どころは、からくり人形による奉納演技。

からくり人形とは、糸・歯車・ぜんまいなどの仕掛けを使って人形が自動的に動くように見える人形のことを指します。いわば江戸時代の木製ロボットですね。

春の山王祭は「三番叟(さんばそう)」・「石橋台(しゃっきょうたい)」・「龍神台」の3つの屋台で、からくり人形の奉納演技が披露されます。

面を変える早業と扇子を広げて舞う姿の「三番叟」・あでやかに舞う美女が獅子に変化する「石橋台」・愛らしい唐子(からこ)と荒々しい龍神が登場する「龍神台」は、それぞれ個性豊かで、見ごたえ十分な舞台となっています。

秋の八幡祭は「布袋台」の屋台でからくり人形が登場し、「六段崩し」の曲に合わせて男女二人の唐子が棒を使って飛び移る姿が、まるで命が吹き込まれたような動きが見どころ。

いずれの人形も、数十本の糸を複数人で操り、繊細かつ大胆な演技を完成させるのには長年の修練が必要です。熟練の技と勘によってしか成し得ない芸の世界ですね。

絵巻物の世界──数百人による祭行列

町を厳かに練り歩く祭行列は、高山祭の雰囲気を一層盛り上げる重要なシーンのひとつです。

祭行列は、氏子の繁栄を願い神様が1泊2日の旅をすることを指し、春の高山祭では御巡幸(ごじゅんこう)、秋の高山祭では御神幸(ごしんこう)と呼びます。

神輿を中心に、烏帽子(えぼし)・狩衣(かりぎぬ)・裃(かみしも)などの伝統衣装を身に着けた数百人が列を成し、雅楽やお囃子がその行進を彩ります。

獅子舞が先導し、伝統の音と衣装が重なり合うその光景は、まるで時代劇か歴史絵巻の一場面のよう。

目を引く華やかさだけでなく、耳に心地よい音色が空間を包み、見る者すべてを非日常へと誘います。   

おわりに

いかがでしたか?

伝統と革新が融合した屋台、 大胆さと繊細さが息づくからくり人形、 厳かさと華やかさが共存する祭行列、そしてそんな魅力が詰まった高山祭。

長い年月を経て、地域の人々によって脈々と受け継がれ、今なお大切に守り続けられている高山祭には、日本の伝統文化の力強さと美しさが宿っています。

秋の風を感じながら、ぜひ一度、高山のまちを訪れてみてはいかがでしょうか。

参考

飛騨高山旅ガイド|【永久保存版】春の高山祭をもっと知る 歴史と見どころをご紹介
飛騨高山旅ガイド|【永久保存版】秋の高山祭をもっと知る 歴史と見どころをご紹介
飛越能ユネスコ5大祭|高山祭
「飛騨山王宮日枝神社」公式HP
「櫻山八幡宮」公式HP
高山屋台保存会|高山祭の歴史
飛騨高山獅子会館からくりミュージアム|からくり人形とは
nippon.com|【日本三大からくり人形祭り】愛知「亀崎潮干祭」・岐阜「春の高山祭」・茨城「日立さくらまつり」:山車をステージに圧巻の演技と曲芸を披露
阪急交通社|高山祭ツアー・旅行特集2025
櫻山八幡宮