MapleStory N、ハッカー対策を強化──毎日数千アカウントをBANし資産流出を抑止

Web3 MMORPG「MapleStory N」を運営するNexpaceは、ボットやチート行為の急増を受けて1日あたり数千〜一万件規模のアカウントを停止し、新たな資産保護策を導入したと発表しました。

ブロックチェーン上でゲームアイテムやトークンがリアルマネーと結び付く同作では、不正ユーザーが短期間で利益を持ち逃げするリスクがあり、素早い対応が求められていました。

具体的な対策内容

対策チームは不正の検知からBANまでに平均約30時間かかることが分かったため、資産の引き出しにも同じ30時間の待機時間を設定しました。これにより、不正ユーザーがBANされる前に外部ウォレットへトークンを移動させることを防げます。

また資産の送付経路を同社のL1「Henesys」内に限定し、ゲーム外への流出を技術的にブロックしています。

加えて、既にBANされたウォレットに多額の資産が残った場合に備え、コミュニティ承認のもとで開発側が資産を回収できる “Clawback” 機能 も実装済みです(発動にはマルチシグ署名を要する設計)。

これらの施策により、不正プレイを行うメリットを大幅に削減しました。

いたちごっこへの対応と今後の方針

ただし、ウォレットは無料で再作成できるため、不正ユーザーが参入しやすいという課題は残ります。

Nexpaceは正規プレイヤーの利便性を損なわない範囲で追加認証や行動パターン分析を導入し、検出精度の向上を図る考えです。

現状では、多くの不正ユーザーが装備購入などに費やす資金を回収できずに排除されるため、ゲーム経済への影響は限定的と説明しています。

参照元:NFTPlazas