
世界有数のスピリッツ会社であるブラウンフォーマン社の日本法人、ブラウンフォーマンジャパンは、長期熟成テネシーウイスキー「Jack Daniel's 10 Years Old」を8月(予定)から、数量限定で一部のオーセンティックバーで提供を開始する。5月20日には特別イベント「JACK DANIEL'S THE EXCLUSIVE MOMENT」を開催。マスターディスティラーのクリス・フレッチャー氏によるテイスティングセッションでは、ジャックダニエルのクラフトマンシップが凝縮された特別なウイスキー「Jack Daniel's 10 Years Old」に加え、ジャックダニエルのプレミアムラインである「Gentleman Jack」や「Jack Daniel's Single Barrel」など、それぞれ異なる製法や熟成方法を用いた、特別なジャックダニエルの試飲が行われた。

「ブラウンフォーマンのブランドは、全世界で約5600人の従業員によって支えられ、世界170ヵ国以上で販売されている」と、ブラウンフォーマンジャパン 代表取締役 アーロン・J・マーティン氏が挨拶。「今回、ジャックダニエル蒸溜所で1900年代初頭に誕生した10年熟成テネシーウイスキーを現代に再現した『Jack Daniel's 10 Years Old』が日本に初上陸する」と、特別なテネシーウイスキーを日本の人々に提供できることに歓びを感じている様子。「マスターディスティラーのクリス・フレッチャー氏が10年以上かけて開発したこの製品は、当時のジャック・ダニエル氏自身が生み出したウイスキーを現代に蘇らせた。ぜひ、10年の長期熟成を経たジャックダニエルを楽しんでほしい」と、アピールした。

マスターディスティラーのクリス・フレッチャー氏が登壇し、ジャックダニエルのブランドストーリーや、長期熟成テネシーウイスキー「Jack Daniel's 10 Years Old」に加え、ジャックダニエルのプレミアムラインである「Gentleman Jack」、「Jack Daniel's Single Barrel」など、それぞれ異なる製法や熟成方法を用いた、特別なジャックダニエルについて紹介した。
「私は、テネシー州リンチバーグ出身で、蒸留所のツアーガイドとしてキャリアをスタートさせた。その後、ブラウンフォーマンでジャックダニエルの研究開発を担当。他の蒸溜所で2年間の実務経験を経て、2014年にアシスタントマスターディスティラーとしてジャックダニエル蒸溜所に移った。2020年にはマスターディスティラーへ昇格した」と、先代のマスターディスティラーであるフランク・ボボの孫に当たるのだと、自身の経歴を語る。「ジャックダニエル蒸溜所があるリンチバーグは、テネシー州ムーア郡に位置し、信号が1つしかない、人口600人の小さな町。約1000名がジャックダニエル関連で働いている。1909年からテネシー州で施行された禁酒法でウイスキーづくりは途絶えたかに思えたが、ケイヴ・スプリングから湧き出る鉄分を含まない綺麗な天然水を活かし、1933年に禁酒法が廃止されると、ジャックダニエル蒸溜所は米国最初の政府登録蒸溜所として認定された」と、ジャックダニエル蒸溜所の歴史を紹介する。「ジャクダニエル蒸溜所の創業者であるジャスパー・ニュートン“ジャック”ダニエルは、強い独立心をもった158cmの小さな男性で、13人兄弟の末っ子として育った。16歳頃にウイスキー蒸溜所のオーナーになり、今でも変わらない水源、レシピ、ボトルデザインなどを選定。仲間とシルバーコルネットバンドを結成し、人々を音楽で楽しませた」と、創業者の経歴について説明する。

「ジャックダニエルのウイスキーづくりに欠かすことができないのが炭づくり。2m10cmの高さまで積み上げたサトウカエデの角材を1回2時間、1日3回、週に3回かけて炭をつくっていく。着火剤は度数70%の原酒を使用している」とのこと。「ジャックダニエルOld No.7のレシピは、グレードAのコーン80%、モルト12%、ライ麦8%を使用。銅製100%の蒸留器は、ウイスキーから出る硫黄を除去。高さ12mの蒸留器から生まれる度数70%の透明な原酒を生み出す」と、ウイスキーづくりについて解説。「原酒を1滴1滴、炭で磨くチャコール・メローイングは、高さ3m、幅1.8mの大きなメローイング槽で行われる。磨かれた原酒は、独特の風味と香りが現れる。時間をかけて磨かれた原酒は、バーボンからテネシーウイスキーへと生まれ変わる」と、サトウカエデの炭で濾過しているのだと教えてくれた。「手作業で組み立てられたアメリカンオークの新しい樽を使用し、樽の内側は焼きと焦がしが施される。原酒は樽に染み入ったり、染み出したりすることで熟成していく。ジャックダニエル蒸溜所では常時300万樽がスタンバイされている」と、熟成樽について言及していた。

そして、「Jack Daniel's 10 Years Old」、「Gentleman Jack」、「Jack Daniel's Single Barrel」「Jack Daniel's Old No.7」の試飲が行われた。「『Gentleman Jack』は、ジャックダニエルの伝統的なチャコール・メローイング製法を、2回施した唯一のウイスキー。通常のジャックダニエルは蒸溜後にサトウカエデの木炭で原酒を磨くが、ジェントルマンジャックは瓶詰め前にもう一度チャコール・メローイングを行うことで、よりなめらかでシルクのような口当たりを実現している」と、2度磨かれた、究極のなめらかさが特徴という。

「アルコール度数は40%で、柔らかなバニラとキャラメルの香りが特徴。力強い味わいと、テネシーウイスキーならではのなめらかさが調和しており、ストレートやロックはもちろん、カクテルでも楽しめる大人な1本となっている」と、味わいについて紹介した。

「『Jack Daniel's Single Barrel Select』は、厳選されたひとつの樽から瓶詰めされる特別なウイスキー。バレルハウスの上層階で熟成されるため、年間を通じて温度変化が大きく、樽ごとに異なる個性が際立つ。そのため、同じ『シングルバレル』でも、ボトルごとに異なる表情を楽しめるのが最大の魅力となっている」と、100樽に1樽の、傑作のテネシーウイスキーとのこと。

「アルコール度数は47%と、定番のオールドNo.7に比べて高めに設定されており、力強いオークの風味と、バニラやスパイスのニュアンスが際立つ。ウイスキー愛好家にとって、ひとつひとつのボトルが唯一無二の味わいと出会いを持つ、特別なジャックダニエルとなっている」と、テイスティングノートについて説明した。

「『Jack Daniel's Old No.7』は、ジャックダニエルを代表する製品。バランスがとれており、柔軟性が高い味わいが特徴となっている。ハイボールやコーラとの相性も抜群で、多くの人に親しまれている」と、同ブランドを代表する味わいなのだとか。「テネシー州は気温が高いため、20年もののスコッチウイスキーに匹敵するといわれている」と、リンチバーグで作られているからこそ味わえるウイスキーなのだと強調していた。

「『Jack Daniel's 10 Years Old』は、定番のジャックダニエルOld No.7と同じくコーン80%、モルト12%、ライ麦8%を使用。仕込水には、蒸溜所が誇るミネラル豊富なケーヴ・スプリングの天然湧き水を使用し、雑味のないクリアな味わいを実現した。ジャックダニエルならではの“チャコール・メローイング製法”を採用し、サトウカエデの木炭で原酒を一滴一滴磨くことで、テネシーウイスキーでは異例の長期熟成を重ねても、スムースな口当たりを保っている」と、伝統的な深みが感じられるウイスキーなのだとアピールする。「また熟成にあたっては、トーストとチャーの2段階処理を施したホワイトオークの新樽を使用。さらに、熟成の過程でバレルハウスの上層階で熟成を進めた後、下層階へと移し追熟する手法を取り入れた。この工程によって、長期熟成ならではの奥行きのある香りと味わいを引き出している」とのこと。

「ラベルは歴史に敬意を表して当時のデザインをモチーフにしている」と、当時を彷彿とさせるラベルに仕上げていると教えてくれた。「同商品は、1900年代初頭に販売されていた長期熟成のジャックダニエルを現代に再現した特別なウイスキーで、2021年にアメリカ限定で復刻していたが、今回、日本に初上陸する。長い歴史の中で培われた伝統の製法を守りながら、熟成環境や樽の管理に独自の工夫を加え、深みのある味わいを引き出している」と、10年の長期熟成を経たジャックダニエルが誕生したのだと訴えた。

「Jack Daniel's 10 Years Old」は、8月(予定)からオーセンティックバーなどの一部料飲店において、数量限定で展開を開始する。
[展開日]8月(予定)
ブラウンフォーマンジャパン=https://www.brown-forman.com