アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
左から:TAO 市場運営責任者のKaren Liu さき氏、アリクラウド Tongyiラボ ビジネスオペレーション部ゼネラルマネージャーのジョ トウ氏、アリババ国際アパレルカテゴリ責任者(日本・韓国)のチン リナ氏、TAO ビジネス統括責任者のヨウ ケンシュウ氏、Semitransparent design 創設者の田中良治氏、アリババ国際デジタルコマースグループ 副総裁 アリババ・デザイン委員会委員長のヨウ コウ氏、TAO プラットフォーム運営責任者のカ マイ氏

アリババ傘下のAlibaba International Digital Commerce Groupが運営する越境ECアプリ「TAO(タオ)」は、日本におけるアパレル事業戦略発表会を5月13日に開催した。発表会では、「TAO」のサービス概要やブランドの特徴、および取扱商品などについて紹介した他、新たな買い物体験を実現するAIファッションコーディネートアシスタント機能を日本初公開した。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
TAO ビジネス統括責任者のヨウ ケンシュウ氏

「『TAO』は、アリババが日本市場のために立ち上げた独自のECブランドとなる。アリババは、『ローカルオペレーション』の理念のもと、現地市場をリスペクトし、世界の各地域でローカライズされたブランドを展開している。『TAO』では、グローバルで培ってきたECの運営力を活かし、日本市場においてこれまでにない革新的なファッションEC体験を提供する」と、TAO ビジネス統括責任者のヨウ ケンシュウ氏が挨拶。「『TAO』は、日本の消費者・パートナーを尊重し、日本のファッション市場での展開をさらに加速していく。世界最大級のECプラットフォームである『タオバオ』の商品データベースから、品質の高いアイテムを厳選し、日本の消費者の好みに合う商品を届けていく。また、最新のAI技術を活用したAIエージェント機能をリリースすることで、日本でもAI時代の新しいファッション購買体験を楽しめるようになる」と、日本での展開を本格化していく考えを示した。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
アリババ国際デジタルコマースグループ 副総裁 アリババ・デザイン委員会委員長のヨウ コウ氏

続いて、アリババ国際デジタルコマースグループ 副総裁 アリババ・デザイン委員会委員長のヨウ コウ氏が、「TAO」アプリのデザインについて紹介した。「私は『TAO』の立ち上げにあたり、日本の消費者へのインタビューに参加し、デザインへの意識が中国の消費者とは異なっていることを実感した。日本の消費者は、ECアプリのデザインに対して非常に高い品質を求めている。さらに、文化的習慣の違いもあることから、『TAO』のUIデザイン設計には日本のデザイナーの見識が必要不可欠だと考えた」と、UIデザイナーにSemitransparent design 創設者の田中良治氏を起用したという。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
「TAO」のアプリ画面

「田中氏は、日本の消費者に最適なECアプリを目指し、日本特有の人間味や細部へのこだわりなどをUIデザインに取り入れた。これによって、信頼感、生活感、上質な個性といった『TAO』のブランド価値を支えるUIデザインに仕上がったと感じている。デザインチームでは、今後も消費者の習慣、行動パターンを観察し、良好なユーザー体験を提供していく」と、日本の消費者が使いやすいUIデザインを追求したと述べていた。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
Semitransparent design 創設者の田中良治氏

「TAO」のUIデザインを手掛けたSemitransparent designの田中氏は、「今回のオファーを受けた際は、自分にできるかどうか少し不安もあったが、AIによってUIデザインの未来がどう変わっていくのかという好奇心もあり、プロジェクトに参加することを決めた。『TAO』のデザイン設計にあたっては、できるだけベーシックなUIを心がけ、装飾があまりないようなデザインを目指した。膨大なページ数があったが、『TAO』のデザインチームと綿密に連携し、サポートしてもらいながら様々なバリエーションのUIを作成していった。UIは生き物だと思っているので、リリースしたら終わりではなく、これから『TAO』のUIデザインがどう変化していくのか、楽しみにしている」と、デザインに込めた想いを語った。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
アリクラウド Tongyiラボ ビジネスオペレーション部ゼネラルマネージャーのジョ トウ氏

ここで、アリクラウド Tongyiラボ ビジネスオペレーション部ゼネラルマネージャーのジョ トウ氏が挨拶。「ECモデルが急速に発展し、ユーザー体験の要求水準が高まる中で、多くの小売業者が海外市場において『多言語コミュニケーション』、『地域による購買志向の違い』、『マーケティングの効率化』といった課題を抱えている。こうした課題に向けて、Tongyiラボでは、ローカルの小売業者とともに、海外展開に向けた様々なAIツールを開発してきた。そして今回、最新の大規模言語モデル『Qwen』を活用したAIファッションコーディネートアシスタント機能を日本市場向けに初公開した。この機能では、膨大なSKUの商品データを学習し、訓練し、日本の消費者のニーズに応じたコーディネートをマッチングする。『TAO』では、AIが提案するコーディネートの商品を、アプリからすぐに注文することができる。ぜひ、『TAO』を利用して、AIによる新しい買い物体験を楽しんでほしい」と、新たなAIファッションコーディネートアシスタント機能を日本市場向けにリリースできたことに目を細めていた。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
AO 市場運営責任者のKaren Liu さき氏

「TAO」ブランドのポジショニングと特徴について、TAO 市場運営責任者のKaren Liu さき氏が説明した。「『TAO』は、アリババグループが日本ユーザー向けに特別に開発したオンラインショッピングモールで、豊富で高品質な商品と安心・安全なサービスが備わっている。新しいインスピレーションと共に日常生活に魅力を見出し、気軽にショッピングをすることができる」とのこと。「『TAO』の運営体制としては、専任の商品選定・運営チームとローカル運営チームの2つのチームに分かれている。専任の商品選定・運営チームでは、日本の消費者の嗜好に基づき、コストパフォーマンス重視の傾向を踏まえ、タオパオのサプライチェーンから最適な商品を選定するとともに、買い物体験をデザイン・運営している。ローカル運営チームでは、消費者のニーズを分析し、商品選定やサービス設計にそのニーズを取り込んでいく。また、現地のパートナー企業と連携し、最適化された買い物体験を共に構築している」と、日本の消費者のニーズに対応した運営体制を構築していると強調した。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
発表会でのTAO商品展示

「『TAO』ブランドの市場ポジショニングは、“お手頃で上質な商品”が見つかるショッピングモールと位置付けている。『価格を抑えながらも、品質やデザインには妥協したくない』というニーズを踏まえて、コストパフォーマンスと確かな品質・実用性・デザイン性を兼備したアイテムを提案する。衣料品はもちろん、アクセサリー、生活雑貨、趣味用品まで、選べる商品は1000万点以上を揃えている」と、ちょうどいい価格でちょうどいいデザインの商品を日本の消費者に届けていくと力説する。「サポート体制としては、日本国内最大級のカスタマーサポートBPO企業のトランス・コスモスと提携し、専門の日本語カスタマーサービスチームを設置している。また、優秀な配送会社と協力し、商品を安全に配送しており、購入日から40日以内であれば、無料で返品が可能。さらに、『TAO』を初めて利用する消費者は、初回の注文が送料無料となる。そして、商品出荷前には、すべて国際輸送センターで検品と再梱包を実施している」と、日本の消費者のために万全のサポート体制を構築していると訴えた。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
アリババ国際アパレルカテゴリ責任者(日本・韓国)のチン リナ氏

アリババ国際アパレルカテゴリ責任者(日本・韓国)のチン リナ氏が、「TAO」で取り扱っているファッション商品について紹介した。「『TAO』は単なる輸入販売ではなく、タオパオの膨大な品揃えの中から日本市場に合わせた商品を厳選して提供。日本の消費者に寄り添い、それぞれに最適なスタイルの実現をサポートしている。現在は、レディースを中心にメンズ、靴、インナー、バッグ、アクセサリーなど約500万点のファッション商品を展開しており、毎日約1万点以上の新商品を追加している」と、日本市場向けに厳選したファッション商品を豊富に揃えていると胸を張る。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
発表会でのTAO商品展示

「特にレディースについては、消費者がコーディネートしやすいよう3つのカテゴリを用意している。『実用的なベーシックスタイル』では、着やすく・合わせやすく・心地よい、日常に最適スタンダードアイテムを提案。『上質な通勤スタイル』では、洗練された素材・シルエットで働く女性の毎日を支える上質なスタイルをセレクト。『個性的なデザイン』では、トレンド感と個性を両立した、Z世代にも響く唯一無二の魅力あるアイテムをラインアップしている」と、「TAO」が提案するレディースの3大コーディネートを教えてくれた。

アリババの越境ECアプリ「TAO」が日本での展開を本格化、新たにAIファッションコーディネートアシスタント機能をリリース
TAO プラットフォーム運営責任者のカ マイ氏

最後に、「TAO」のAI機能について、TAO プラットフォーム運営責任者のカ マイ氏が説明した。「今回、日本で新たにリリースしたAIファッションコーディネートアシスタント機能は、画像認識に加え、ユーザーの好みや体型、購買履歴など多様なデータをもとに、最適なスタイルやアイテムをパーソナライズして提案する。スマートフォンで撮影したコーディネート写真や、気になる画像をアップロードするだけで、似たアイテムをすぐに検索することができる」と、新たなAI機能によって、直感的で効率的な“自分だけのクローゼット”を作ることができるという。「また、AIファッションコーディネートアシスタント機能に加え、AIライフアシスタントとAI趣味マスターも導入しており、『スタイリングマスター』『暮らしのアシスタント』『趣味マスター』の3つのAIエージェントを実装している。『スタイリングマスター』は、1万種以上のスタイルやトレンドを把握しており、専門的かつ精度の高いコーディネートの提案を行う。『暮らしのアシスタント』は、日常生活を便利にするヒントを提供。『趣味マスター』は、趣味や感性を刺激するアイデアを届けてくれる」と、単に買い物をするだけのECアプリではなく、AI機能による総合的なサービスプラットフォームへと進化しているのだとアピールした。

なお、5月16日から5月25日まで、東京・表参道の「Bakery Cafe 426」で、「最高のクローゼット TAO!」をテーマとしたポップアップストアを開催している。会場では、「TAO」が提供する高品質かつコストパフォーマンスに優れたファッションの魅力を実際に体感できる場を提供する。多彩なスタイルを手に取りながら、コーディネートを自由に楽しめる他、LINE公式アカウントとの連動企画や抽選会など、お得なキャンペーンも実施している。

[ポップアップストア概要]
期間:5月16日(金)~25日(日)
時間:11:00~20:00
場所:東京都渋谷区神宮前4-26-18

TAOオフィシャルサイト=https://jp.tao.co/