FTX、未返還トークン巡りNFT StarsとDelysiumを提訴

暗号資産取引所FTXは4月29日、NFTマーケットプレイス「NFT Stars」とAIゲームプラットフォーム「Delysium(運営:Kurosemi)」を 米デラウェア州連邦破産裁判所に提訴したと発表しました。

両社がSAFT(将来トークン引換契約)に基づき交付すべきトークンを返還していないことが主な要因です。

訴状によれば、NFT Starsは2021年11月に32万5,000ドルで取得権を得た135万SENATEと1億3,500万SIDUSのうち、約83万SENATEと8,300万SIDUSを未移転のまま保有しているとされます。Delysiumに関しては、2022年1月に100万ドルで購入した7,500万AGIトークンを一切移転しておらず、ベスティング期間を一方的に48カ月へ延長した点も問題視されています。

FTX側は自動停止違反と契約不履行を理由に、未返還トークンの即時返還に加え損害賠償や制裁金を請求しています。これまでNFT Starsには15回、Delysiumには13回の交渉を試みたものの返答がなく、法的措置に踏み切ったかたちです。

破綻後にFTXが抱える約80億ドルの負債を考慮すると、今回の訴訟は債権者への分配原資を確保するうえで重要な一手となります。FTX Estateは「非協力的な発行体には追加訴訟を提起する」と強調しており、他プロジェクトにも対応を迫る可能性がありそうです。

参照情報・引用元

https://www.prnewswire.com/news-releases/ftx-commences-legal-action-to-ensure-the-return-of-tokens-and-coins-302440337.html?tc=eml_cleartime