

こんにちは、旅行好きのライターのそらです。
夏の夜、川辺に灯るかがり火の下で、漁師と鳥が力を合わせて魚をとっている―
そんな不思議な場面を想像できますか?
岐阜では、この光景が毎年のように見られます。
今回は、そんな岐阜の夏を象徴する伝統漁法「鵜飼(うかい)」をご紹介します。
「鵜飼って名前は聞いたことあるけど、どんな風にやってるの?」「どうしてそんな昔の漁法が、今も続いてるの?」
そう思った方も多いのではないでしょうか。
実は鵜飼って、1300年以上の歴史を持つ伝統文化でありながら、今も毎年夏に岐阜のまちで大切に受け継がれているんです。
今回はそんな「鵜飼」の歴史や魅力、観光での楽しみ方まで、ぎゅっとまとめてお届けします!
鵜飼ってなに?
「鵜飼」とは、鵜(う)という水鳥を使って魚をとる伝統的な漁法のこと!
岐阜市を流れる「長良川(ながらがわ)」では、毎年5月〜10月にかけてこの鵜飼が行われています。
実際の漁の様子はこちら
鵜匠(うしょう)と呼ばれる漁師さんが、かがり火を焚いた船の上から「ほうほう」という声をかけながら鵜を操ります。鵜は水の中に潜って鮎などの魚をくわえてきて、その魚を鵜匠が受け取ります。まさに人と鳥が心を通わせた連携プレーです。
鵜の首には紐がつけられていて、飲み込む前に魚を取り出せるようにしてあるけれど、鵜に無理をさせないよう、ちゃんと休憩やご褒美の魚もあるんだとか。まるで相棒のような信頼関係が感じられる光景に、見ているこちらも思わずほっこりします。
長良川が育んだ、1300年の鵜飼文化
実はこの鵜飼、奈良時代から続いているといわれ、1300年以上の歴史を誇ります。
長良川の鵜飼を行う鵜匠さんたちは、なんと宮内庁に仕える国家公務員。
その正式な肩書きは「式部職鵜匠(しきぶしょく・うしょう)」という、非常に格式あるものです。
こんなに長く続いてきたのは、岐阜の清流・長良川があってこそ!
長良川は環境省が選ぶ「日本一の清流」にも何度も選ばれており、鮎が元気に泳ぐ美しい川として知られています。
このような自然と共存する漁法は、現代では「サステナブルな伝統文化」としても高く評価されています。
どこで?どうやって? 鵜飼観光の楽しみ方ガイド!
長良川の鵜飼は、毎年5月11日〜10月15日まで開催されています。
特に人気なのは夜の観覧。日が沈んで、川にかがり火が灯されると、いよいよスタートです。
観光船に乗って、鵜飼を間近で見られる「鵜飼観覧」は、まるでタイムスリップしたかのような気分が味わえます!
静かな川の流れに、火の揺らぎ、鵜と鵜匠の絶妙な掛け合い…自然の音と灯りに包まれる時間は、言葉にできないくらい幻想的です。
事前予約が必要な場合もあるので、お出かけ前に公式サイトなどでチェックしておくのがおすすめです。
【鵜飼観覧の流れ】 |
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https://www.ukai-gifucity.jp/schedule.html
アクセス |
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JR岐阜駅または名鉄岐阜駅から
岐阜バス「高富行き」「市内ループ線左回り」など長良橋経由路線で20分片道230円。
バス停「長良橋」下車、徒歩1分ほど。
駐車場は、岐阜公園駐車場(1回利用310円)または鏡岩緑地駐車場(無料)をご利用ください。
鵜飼と一緒に楽しみたい!岐阜のまち歩き
せっかく鵜飼を見に来るなら、岐阜のまちも散策もしてみたくなりませんか?
たとえば、会場からほど近い金華山には、織田信長がかつて拠点とした「岐阜城」があり、ロープウェーで山頂まで登れば、長良川や市街地を一望できます。
また、「鵜飼ミュージアム」では、鵜飼の歴史や道具、鵜匠の暮らしまで学べる展示がいっぱい!運が良ければ、鵜の訓練風景も見られることもあるそうです。
そして最後に、夜は「長良川温泉」で1日の疲れをリセット…。
鵜飼観覧から温泉まで楽しめるこのコースは、夏の岐阜旅にぴったりのプランです。

まとめ
鵜飼は、単なる漁法ではなく、人と自然が向き合い、共に生きてきた証でもあります。
そんな鵜飼を、今も大切に守り続けている岐阜の人々の姿からは、文化への誇りと強い想いが伝わってきます。
夏の夜にしか出会えない、儚くて力強い伝統の景色。
岐阜を訪れる際は、ぜひ一度、長良川の鵜飼を体験してみてくださいね。
参考
・ぎふ長良川鵜飼
https://www.ukai-gifucity.jp/
・うかいミュージアム
https://www.ukaimuseum.jp/
・岐阜市公式
https://www.city.gifu.lg.jp/
・「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜
https://www.japan-heritage.bunka.go.jp/ja/stories/story006/accommodations/