矢野経済研究所
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2023年度の建築分野の建設テック市場規模は前年度比11.7%増の1,845億4,000万円と推計

~2030年度には2023年度比64.9%増の3,042億7000万円に拡大すると予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、建築分野の建設テック(ConTech)国内市場を調査し、市場動向、参入企業動向、将来展望等を明らかにした。

建築分野の建設テック国内市場規模推移と予測

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1.市場概況

本調査では土木を除く建築分野の建設テック(ConTech)のうち、営業~施工~建物引き渡しまでのソフトウェア・ソリューション(オンプレミス型+クラウド型)を対象とした。なお、今回は、建設機械や建設工事用ロボットの自動化技術や遠隔臨場技術、ドローン技術等の建設施工現場にダイレクトに実装されるようなハードウェアを対象とする建設テック技術は含まない。

2023年度の建築分野の建設テック国内市場規模は、ベンダー売上高ベースで前年度比11.7%増の1,845億4,000万円と推計した。市場は、2015年前後から図面管理アプリを中心に動き出し、スタートアップを始めとしたプレイヤーが参入して形成されていったが、まだ10年程度と日が浅い。建設テック市場は創成期~成長初期の段階と考えられ、今後、一層の拡大期を迎える見通しである。

2.注目トピック

建築分野の建設テック市場は分散型の市場ではあるが、各領域で存在感を示す事業者も出現

建築分野の建設テック市場は、市場を構成する各領域が積み重なると、全体として大きな市場になるという特徴がある。
また、建設テック市場は、建設業界と同様、圧倒的なシェアを有するプレイヤーがいない分散型の市場である。施工管理や調達・手配など各領域別にみると、圧倒的とまではいかないがシェアを高めているプレイヤーは散見され、今後、このようなプレイヤーが各領域の市場拡大の牽引役になると考える。

3.将来展望

建設テック市場の拡大要因としては、第一に現時点で市場は創成期~成長初期の段階にあり、今後は本格的な成長期を迎えることが挙げられる。
第二に、将来的に堅調な建設需要が見込まれる一方、人手不足の本格化、他業界と比較して低い労働生産性などといった構造的課題を解決すべく、建設関連事業者にとってDX化の必然性は高く、かつ、DX化の余地は非常に大きいことが挙げられる。
市場は2023年度から2030年度までの年平均成長率(CAGR)が7.4%となり、2030年度の建築分野の建設テック国内市場規模は3,042億7,000万円まで拡大すると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2024年12月~2025年3月
2.調査対象: 建設テックに取り組む主要プレイヤー
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<建設テック(ConTech)市場とは>
建設テック(ConTech)とは、「建設(construction)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた造語として、「コンテック(ConTech)」と呼ぶこともある。建設業界に従事する事業者に対して、ICTを活用して効率的・効果的で、利便性の高い業務支援サービスの総称である。

本調査における建設テック(ConTech)市場とは、土木を除く建築分野の建設テックのうち、ソフトウェア・ソリューションを対象として、ベンダー売上高ベースで算出した。
建築の範囲は①営業、②設計、③VR/AR、④積算・見積、⑤(資材)調達・(工事会社・職人)手配、⑥施工管理、⑦ERPの各領域とし、営業~施工~建物引き渡しまでのソフトウェア・ソリューション(オンプレミス型+クラウド型)を対象とした。

なお、建物の保守・維持管理については、不動産テックの領域となる。

また、建設機械や建設工事用ロボットの自動化技術や、遠隔臨場技術、ドローン技術等の建設施工現場にダイレクトに実装されるようなハードウェアを対象とする、建設テック(ConTech)市場については以下の資料をご参照ください。
「建設現場DX市場に関する調査を実施(2024年)」(2024年5月22日発表)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3553
<市場に含まれる商品・サービス>
土木を除く建築分野の営業/設計/VR・AR/積算・見積/調達・手配/施工管理/ERPに関するソフトウェア・ソリューション(オンプレミス型+クラウド型)

出典資料について

資料名2025年版 建設DX(ConTech)市場の実態と展望 ~ソフトウェア・ソリューション編~
発刊日2025年03月28日
体裁A4 242ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

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