矢野経済研究所
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認知症関連製品・サービスの市場(7品目)は、2024年度の55億円から2030年度には270億円にまで拡大すると予測

~認知機能チェックITサービスや脳波(ニューロテック)関連サービス等のセルフチェック・セルフケア領域が先行し、2028年度前後から診断・治療領域の診断支援SaMDやDTx等の上市が本格化する見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の認知症関連製品・サービスの市場を調査し、セグメント別の市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。 認知症関連製品・サービス市場(7品目)予測

認知症関連製品・サービス市場(7品目)予測

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1.市場概況

認知症関連製品・サービス市場では、高齢化に伴う認知症患者の増加やAI・ITテクノロジーの進化などを背景に、新たなヘルスケア(非医療機器)製品・サービスが次々と上市されている。また、診断支援SaMD(Software as a Medical Device:医療機器プログラム)やDTx(Digital Therapeutics:治療補助等のために用られる医療機器としてのアプリケーション)等の医療機器の開発も多数進んでいる。

現時点では、診断支援SaMDやDTx等の診断・治療領域の医療機器は研究開発段階にとどまる。
一方で、認知機能チェックITサービスや脳波(ニューロテック)関連サービス等のセルフチェック・セルフケア領域の非医療機器は市場初期​(導入期)段階にあり、​2024年度の認知症関連製品・サービスの市場規模(7品目、事業者売上高ベース)は55億円になると予測する。

2.注目トピック

認知症関連の診断支援SaMD・DTx等の開発が多数進む

認知症に関連する診断支援SaMD(画像解析プログラムを除く)の開発を進めている企業は、一部検討中を含めると10社近く存在しており、1社で複数製品の開発を進めているケースもある。2028年度前後には複数の診断支援SaMDが上市される見込みである。
また、認知症に関連するDTx等も検討中を含めて約10社の開発企業があり、検証的(第Ⅲ相)試験段階の製品が1製品、探索的(PoC)試験段階の製品も複数存在する。DTx等についても2028年度前後に上市が始まると予測する。

3.将来展望

セルフチェック・セルフケア領域の製品・サービスは今後成長期に入り、2027年度の認知症関連製品・サービス市場(7品目)は115億円になると予測する。
診断・治療領域の診断支援SaMDやDTx等は2028年度前後から上市が本格化し、セルフチェック・セルフケア領域と診断・治療領域を合算した、2030年度の認知症関連製品・サービス市場(7品目)は270億円と、2024年度の約5倍にまで拡大すると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2024年9月~12月
2.調査対象: 認知症関連製品・サービス参入企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<認知症関連製品・サービス市場とは>
本調査における認知症関連製品・サービス市場は、認知症に関連するヘルスケアや医療の製品・サービス、AIやスマートフォンアプリ等のITまたはバイオテクノロジーを用いたものの中から、下記の7品目を対象として事業者売上高ベースで算出した。

ヘルスケア(非医療機器)5品目
・セルフチェック領域・・・①脳MRI画像解析(脳ドックオプションサービス)、②認知機能チェックITサービス、③検体(血液等)検査サービス
・セルフケア領域・・・④認知症対策アプリ(脳トレ等)、⑤脳波(ニューロテック)関連サービス

医療(医療機器)2品目
・診断・治療領域・・・⑥診断支援SaMD(Software as a Medical Device:医療機器プログラム、但し画像解析プログラムを除く)、⑦DTx(Digital Therapeutics:治療補助等のために用られる医療機器としてのアプリケーション(測定用デバイスと一体となっているものも含む))等

出典資料について

資料名2025年版 認知症関連市場の現状と展望 ~ブレインテック市場を中心に~
発刊日2024年12月26日
体裁A4 193ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

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