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2023年度の外国人採用・管理支援サービスの市場規模(特定技能外国人支援サービス、技能実習生監理事業、外国人材紹介サービス3市場の合計)は前年度比34.8%増の2,467億2,000万円に
~特定技能外国人をはじめとする外国人労働者数の増加を背景に、市場は大幅拡大予測~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の外国人採用・管理支援サービス市場を調査し、特定技能外国人支援サービス、技能実習生監理事業、日本国内の事業所で就業する(雇用する)外国人を対象とした人材紹介サービスの動向、参入事業者の動向、将来展望を明らかにした。
外国人採用・管理支援サービスの市場規模推移・予測(3市場計)
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1.市場概況
2023年度の外国人採用・管理支援サービスの市場規模(特定技能外国人支援サービス、技能実習生監理事業、外国人材紹介サービス3市場の合計)は、前年度比34.8%増の2,467億2,000万円と推計した。
日本においては人口および労働力人口の減少による労働力不足が深刻化している。政府はその対策の一環として、一定の技能や経験を有する外国人労働者の受け入れ拡大を進めており、出入国在留管理庁によると在留外国人数は341万992人(2023年12月末時点)、厚生労働省によると外国人労働者数は204万8,675人(2023年10月末時点)となっている。
とくに近年では、技能実習生と特定技能外国人の増加が顕著であり、特定技能外国人に対する登録支援機関による支援サービスや、技能実習生を受け入れる企業で働く技能実習生に対して指導・監督等を行う技能実習生監理事業の需要が大きく伸長しており、外国人採用・管理支援サービス市場の拡大要因となっている。また、外国人の受け入れ拡大に伴って外国人求職者も増加していることに加え、日本企業の多くでは人材採用難にある中、外国人の就職・転職支援、企業の採用を支援するサービスとして、外国人を対象とした人材紹介サービスの需要も拡大していると推察する。
2.注目トピック
3市場別の動向
一定レベルの技能や日本語能力を有する即戦力の外国人が労働力として採用・雇用できることや、在留資格「技能実習(2号・3号)」から「特定技能」へ移行可能であることなどを背景に、特定技能外国人数は増加傾向にある。それに伴い、特定技能外国人支援サービス市場は拡大基調にある。
技能実習生監理事業の市場は、コロナ禍での入国制限などの影響を受けて、2020~2021年度は技能実習生数が減少したことで当該市場は減少した。2023年以降、技能実習生の増加に伴い、当該市場も再び拡大に転じることとなった。
人手不足・労働力不足や人材採用難にある中、優秀な海外人材(在留資格「技術・人文知識・国際業務」取得者など)に対する企業の採用意向は高まっており、外国人を対象とした人材紹介サービスのニーズは拡大基調にある。そのため、外国人材紹介サービス市場は拡大傾向にある。さらに、特定技能外国人の受け入れが拡大している中、特定技能外国人を受け入れ企業に紹介する人材紹介ニーズの活性化も当該市場の拡大に寄与している。
3.将来展望
2024年度の外国人採用・管理支援サービスの市場規模(特定技能外国人支援サービス、技能実習生監理事業、外国人材紹介サービス3市場の合計)は、前年度比26.2%増の3,112億6,000万円を見込む。
今後、深刻化する人材採用難や労働力不足を背景に、日本における在留外国人数及び外国人労働者数は増加していくことが見込まれる。外国人採用・管理支援サービスの市場を構成する3市場のいずれも拡大していくと予測する。
調査要綱
1.調査期間: 2024年10月~12月 2.調査対象: 登録支援機関登録事業者、監理団体登録事業者、人材派遣事業者、職業紹介事業者、求人情報メディア運営事業者など 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・メールによる取材、ならびに文献調査併用 |
<外国人採用・管理支援サービス市場とは> 本調査における外国人採用・管理支援サービス市場とは、①「特定技能外国人支援サービス」、②「技能実習生監理事業」、日本国内の事業所で就業する(雇用する)外国人を対象とした③「外国人材紹介サービス」の3サービス・事業を対象とし、3市場を合算したものである。 「特定技能外国人支援サービス」とは、特定技能外国人を受け入れる企業からの委託により、特定技能外国人を対象に行う各種支援・管理サービスであり、登録支援機関が受け入れ企業からの委託で代行する各種の支援・管理サービスの対価として徴収する月々の支援委託料を対象として市場規模を算出した。 「技能実習生監理事業」とは、協同組合などの監理団体が技能実習生を受け入れる企業(実習実施者)で働く技能実習生に対して指導・監督等を行う事業であり、監理団体が実習実施者から監査・支援業務の対価として徴収する月々の監理費(あるいは支援費等)を対象として市場規模を算出した。 「外国人材紹介サービス」とは、日本企業に外国人求職者を紹介する人材紹介サービスであり、人材紹介サービス(職業紹介事業)を手掛ける事業者の売上高ベースで市場規模を算出した。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 特定技能外国人支援サービス、技能実習生監理事業、外国人材紹介サービス |
出典資料について
資料名 | 2025年版 外国人採用・管理支援サービス市場の現状と展望 |
発刊日 | 2024年12月27日 |
体裁 | A4 146ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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