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2025年2月12日、東京都中央区のTKPガーデンシティPREMIUM京橋にて、第2回「起業から成功への道」が開催された。本イベントは、起業初期の経営者や事業拡大を目指す経営者、さらにはIPOを視野に入れる企業を対象に、成功への道筋を学ぶ機会として企画されたもの。NBCアントレプレナー創出委員会・起業塾委員会が主催し、経済産業省 関東経済産業局後援のもと、東京証券取引所や名古屋証券取引所の協力を受けている。
近年、スタートアップの支援策が充実しつつある一方で、資金調達や経営戦略に課題を抱える企業も少なくない。そのような中、本イベントでは、先駆者たちのリアルな経験談を通じて、次世代の経営者たちが学びを深めることが目的とされた。
基調講演では、NVIDIA Corporationの堀内朗氏が登壇。『「NVIDIA -Our Journey with Japan」〜NVIDIAの世界戦略、ベンチャースピリットを保ち続けている企業文化について』というテーマで講演が行われた。「自分のボスは上司ではない、お客さまからいただいている仕事がボスなのだ」などNVIDIA CEO ジェンスンの言葉をフックにAIや半導体業界を牽引する同社の戦略やスタートアップ精神を持ち続ける企業文化について語られ、参加者は熱心に耳を傾けていた。

続くパネルディスカッション1では、「上場オーナー企業が伝える、挑戦からの学び」というテーマのもと、株式会社MS-Japan 代表取締役会長兼社長CEO 有本隆浩氏、株式会社エアトリ 取締役会長・グループ創業者 大石崇徳氏、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 代表取締役社長 中村悟氏、株式会社プログリット 代表取締役社長 岡田祥吾氏が登壇。ファシリテーターを務めたのは、株式会社Ubicomホールディングス代表取締役社長CEOの青木正之氏。事業を拡大し、IPOを果たした経営者たちが、成功までの苦労や転機について語る場となり、最後に登壇者それぞれから上場を目指す経営者へエールを送った。
「上場して成長できないと苦しい。いかに上場後の成長を作れるかが重要(岡田氏)」 「信頼が重要な業態の企業は上場を目指すべき(中村氏)」 「一人親方で経営していくのも◎、上場を目指すのも◎。自分の人生に合わせて選択してほしい(大石氏)」 「上場後の方がよっぽど大変。会社の業績を伸ばし続けるのが上場ということ(有本氏)」
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パネルディスカッション2では、「ベンチャー育成に関する有識者及びVCによる、成長企業への投資について」がテーマ。登壇したのは、株式会社みずほフィナンシャルグループ/株式会社みずほ銀行 エグゼクティブアドバイザー大櫃直人氏、グローバル・ブレイン株式会社Investment Group General Partner 熊倉次郎氏、B Dash Ventures株式会社代表取締役社長 渡辺洋行氏といった投資の専門家たち。モデレーターは、株式会社ZUU代表取締役の冨田和成氏が務めた。
登壇者たちは、投資家が企業の成長性をどのように見極めるのか、また資金調達の成功事例について議論。市場環境の変化を見据えた上での戦略や起業家が投資家と向き合う際のポイントが共有された。
最後にベンチャー企業や経営者への願いを聞かれそれぞれの思いを語り、会の締めくくりとなった。
「すごい上場に共通するのは経営者が成長し続けていること。良いメンターが付いていること(大櫃氏)」 「金融にもさまざまな手段が出てきているのでそれを使い倒してくれる経営者が出てきてくれると良い(熊倉氏)」 「2025年から投資のメインストリームが大きく変わっていく。新しい人たちが雪崩れ込んでくる(渡辺氏)」
第2回「起業から成功への道」は、成功を目指す起業家にとって貴重な学びの場となった。特に、実際に挑戦を乗り越えた経営者の話や投資家の視点は、参加者にとって大きな刺激となったはずだ。今後もこのようなイベントが継続され、さらなる成長機会が提供されることを期待したい。