相続サポートセンター
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近々相続対策を始めようとされる方であれば、翌年の新たな相続法制度について、改正点の内容は正確に把握しておきたいものです。

今回は、自筆証書遺言の内容を扱っていきたいと思います。

自筆証書遺言の書き方がどのように変わったのか、また自筆証書遺言はどのように保管すれば良くなったのかを分析しまして、最後に自筆証書遺言は今後増加が見込まれるかについて解説を行っていきます。

これから相続の準備をお考えの方は、必ず遺言の問題にあたりますので、本記事を参考にして頂ければと思います。

1. 自筆証書遺言の作成の仕方が大きく変わります!

遺言書のスタイルとしてはいくつかありますが「自筆証書遺言」というものは、その名称からも想像できますように、遺言の内容をすべて自筆にて記載しなければいけない遺言となっています。

ところが、すべてを直筆で書くとなれば内容によっては膨大な量となってしまい、大変な手間となってしまいます。

ましてや、高齢者の方であれば、長文を集中して書くのはかなり疲れてしまいます。

ここで、改正相続法制度では、自筆証書遺言の内容のうち、財産目録についてはパソコンによって記載することが認められるようになりました。

すべての内容をパソコンでタイピングすることは、そもそも「自筆」とは言えませんので、今後実現するかどうかも不明ですが、少なくとも財産目録だけでもパソコンのワープロを使用することが出来るのは大いに手間が省けます。

また、不動産については登記簿をコピーでつけ、預金であれば通帳をコピーすれば良いことになっています。

2. 自筆証書遺言の保管方法の変更について

自筆証書遺言はこれまで保管場所に決まりがなく自宅の好きな場所に保管するようになっていたため、金庫などがある人は良いですが、特にそのようなものがない人はそもそも遺言があるのかどうかご家族に見つけられなかったり、時が経つにつれて紛失してしまったりといったリスクを負うことになっていました。

改正相続法制度では、このような事態に備えて法務局にて預かりが出来るようになりました。

これにて簡単な内容の不備があればその場で指摘を受けることが出来るでしょうし、何より紛失リスクがなくなりますので安心することが出来ます。

3. 自筆証書遺言のニーズの増加が見込まれるか?

自筆証書遺言は、このような便利な制度となって変更がされることによって世の中のニーズが増加し、多くの利用が見込まれるのでしょうか?この問いに対しては、恐らく数としては増えることが予想されるでしょう。

使い易くなることは今後も想定されますし、簡便な自筆証書遺言で済まされる方も増えてくることが期待されます。

しかしながら、一方で専門家の立場からすると、それでも公正証書遺言を作成することをおススメするようにはしています。

自筆証書遺言は素人の目から判断して書いてしまいがちですが、公正証書遺言にすると形式の適法性まで公証人によって担保されることになります。

もちろん遺言書の専門家に依頼されることでより確実な遺言書を作成することが出来るでしょう。

4. まとめ

自筆証書遺言の作成方法がパソコンの手間を少しでも省き内容を簡単にすること、そして保管の方法を確実なものとすることで安心感が増えて今後自筆証書遺言を作成するケースが増えていくことでしょう。

一方で、自筆証書遺言を十分な知識がないまま作成することにはリスクがあることも押さえておかなければいけません。

法律知識に不安がある場合には、必ず専門家に相談してきちんと遺言書を作るようにしましょう。
(提供:相続サポートセンター